2013年3月11日月曜日

東日本大震災から2年・・・心の傷はいつまでも残る。

道路や堤防は修復されても、心に傷を受けた人の心からは、一生、忘れ去られることがない出来事であった。
しかし直接関係のなかった人の心からは、早、2年で忘れさられようとしている。
原発事故も同様だ。マスコミなどからの報道が少なくなるにつれ、国民の関心も薄れ、知らないうちに原発の再稼働が進められようとしている。
しかし現実は、原発事故の収束の目処は立たず、今尚、放射性物質は放出されている。
こういう事故があるたびに思うのだが、インフラの復旧などは予算さえつけば時間とともに元に戻る。しかし、被害を受けた人たちの心の傷は消えることなく、何かを切っ掛けに深い悲しみや辛さに襲われることになる。
前向きになれる人もいれば、気持ちを引きずり中々、立ち直れない人もいる。
心のサポートが重要だという認識を国民が共通の認識として持つ必要があるだろう。

東日本大震災から11日で2年となる。被災地では、現在も2,600人以上が行方不明のままで、発見された遺体のうち、131人はいまだに身元が判明していない。
警察庁によると、東日本大震災による死者は、3月8日現在で1万5,881人、行方不明者は2,668人となっている。
岩手・宮城・福島の各県で発見された遺体のうち、131人の身元は、現在もわかっていない。
また、避難生活を余儀なくされている人は、2月7日現在で、およそ31万5,000人にのぼり、避難生活中に、体調の悪化や自殺などで亡くなった震災関連死も、2012年9月までに2,303人となっている。
一方、余震の状況だが、震度1以上の余震は、2月末までに9,555回観測されている。
FNNニュースより

被害の大きかった地域は高齢者世帯が多い。新たに家を新築する意欲のある人は少ないだろう。
また、それだけの資金がない世帯も多いのが実情だろう。
仮設住宅が「終の住まい」となる人たちが多く出てくるように思えてならない。
豊かな国になった日本だが貧しい人や生活に苦しむ人、心の傷を癒せない人が増えている。
本当に日本は「豊かな国」なのか?
最近、疑問に感じる時がある。

話は替わるがユーロ圏のGDPがマイナス成長に陥っているようだ。
これから先、先進諸国は、大きな経済成長が望めないと見るべきだろう。
では、どのような将来を目指すべきなのか?
人口の増加が期待できない中、「一部の富を持つ人たちのみが、更に富を増やす。」という社会構造を「富の再分配」により、国民ひとり当たり(一世帯あたりと言ってもいい)の所得を増やすという社会構造に転換させる必要がでてくるだろう。
つまり、税制や社会保障政策においても、大幅な転換を求められる時代が来るということだ。
「豊かな国」の内容が問われる時代が訪れるということである。
今までの先進諸国においては、経済が将来も発展するという前提で、社会のシステムが構築されてきた。この前提が崩れ始めた今となっては、社会のシステムも時代にあった構造に変えざるを得ないだろうというのが私の考えだ。
実際に日本の年金システムを例にとれば、経済発展が続き、人口が増加し、勤労者や自営業者の収入も伸びていた時代に、今後もそのような状況が続くであろうことを前提に作られたシステムである。
その前提が崩れかけた今、「豊かな国」とは、一体、どんな国なのか?
「物質的に豊かな国」なのか「国民の心が豊かな国なのか?」
日本人の「道徳観」や「倫理観」というようなこと、そして「民主主義とは何ぞや」ということなども含め、国民が再度、自分の心に問い直す必要があるのではないだろうか。
日本が「物質的には豊かでも、心は貧しい。」と言われないような国であってほしいと思う今日この頃である。


2013年3月6日水曜日

民主党は再生できるのか?・・・かなり難しいと思う。

総選挙前から「民主党は消滅する可能性がある。」と書いてきたが、それに近い状態になりつつあるようだ。
「民主党は再生できるのか。」と問われた場合、現状では「かなり難しい。」と答えるしかないだろう。
問題は党内と最大の支援組織である連合の問題に大別される。
先ず党内であるが、第一に今の現状を生み出したことへの反省が足りないことと、そうなった原因の追求が足らないことが挙げられる。
何故、これほどまでに国民の信頼を失ってしまったのか。そして、それは誰の責任なのか。
一言で言えば、国民との約束を破ったことが最大の原因だろう。そして、自分たちの実力を過大評価していたこと。これらに集約されるだろう。
そして、それは誰の責任なのか。この責任を曖昧にしたままでは党の再生はままならないだろう。
その責任を問うべきは誰なのか。菅前首相と野田前首相、そして仙谷氏、前原氏、岡田氏らが責任を追求される立場にある。
党内をバラバラにしてしまったのは、挙党一致体制を拒んだ彼らだ。小沢さんを排除しようとした彼らこそが民主党を消滅の危機に陥れた戦犯である。
彼らに厳しい責任を取らせることが、最初にすべきことだろう。そもそも彼らは民主党に対する愛党精神に欠けている人たちだ。自分のことしか考えない人たちだ。
自分たちの権力維持のために自民党に擦り寄り大連立を画策したのも彼らだ。では現実はどうなっているのか・・・。大連立どころか自民党の独裁体制を作るのに加担した結果になってしまった。

次に最大支援組織である連合の問題である。
これについては、いづれ細かく述べたいが、労働組合のあり方と深く関連している。簡単に言えば労働組合が権力側に擦り寄れば、労働組合としての価値が半減するということである。そもそも労働組合自体が権力組織となってしまった現状では、こちらも再生は難しいだろう。
民主党という政党が国民の側に立った政党であることが唯一、民主党という政党の存在価値を高めていたのにもかかわらず、権力に取り憑かれ権力に擦り寄った時点から民主党の衰退は始まったと見るべきだろう。

では民主党は再生できるのか?
これは、かなり難しいと思われる。海江田氏では無理だろう。細野氏でも無理だろう。
今の民主党には強いリーダーがいない。
野党をまとめ上げるほどのリーダーシップを発揮できるようなリーダーが出てこないことには、再度、政権を目指せるような政党には戻れないだろう。

今の政治状況は国民にとっても好ましい形ではない。
「期待できる野党が存在しない。」というのが現状の政治状況ではないのか。
このような状況になった原因の一つにマスコミの報道姿勢が挙げられる。
そろそろ国民も新聞やテレビなどの大手マスコミの報道を鵜呑みにしないという意識を持たないと健全なマスコミも育たないし、健全な政治状況も生まれないように思う。
政治に対する関心が薄れ、諦めにも近い政治状況が生まれつつある現状に、憂鬱な日々を過ごす今日、この頃である。




2013年3月1日金曜日

NOと言えない日本の首相・・・安倍首相が早い段階でのTPP交渉参加を表明

安倍総理の「なるべく早い段階」というのは、いつのことなのかはわからないが、どちらにしてもアメリカの要望に沿い、早期にTPP交渉に参加したいと思っているようだ。
しかし、おそらく事前協議には、1回参加できる程度で、日本の要望は、ほとんど受け入れられないと考えた方が間違いないだろう。TPPは外交交渉であり、各国が自国に有利な条約になるように交渉するわけで、自国に不利(日本に有利)な条件を、わざわざ提示するとは考えにくい。
どちらにしても、すべからずアメリカの言うとおりに進めるという「NOと言えない日本」の典型的な事例である。安倍内閣に本気で条件闘争する気があるのかも疑われる状況だ。
今回の訪米で感じられたことは、思った以上に米国の態度が冷ややかだということだ。やはり米国にとっての最大関心国は中国だということだろう。
そう考えると、今後の日米関係がどうなるかは、おおよそ想像がつきそうだ。
日本にとって外交の基軸になるのは日米関係だ。米国にとって外交の基軸になるのは米中関係だ。米国にとって日本は中国との外交交渉の為の駒でしかないということだろう。
TPPに関しても、医療、保険、金融、農業などを除けば、そんなにアメリカにメリットがあるわけではない。自動車に関しても、日本国内の自動車販売台数の減少傾向が続く中では、そんなに期待できるわけではない。今や少子高齢化、国民の可処分所得の減少が進む日本は、将来性がある市場ではなくなりつつある。
同じように、日本にとってもTPPのメリットは、ほとんどないと言っても過言ではないだろう。
現状でも、貿易収支は赤字だ。TPPで関税が自由化されれば、更に輸入が増え、貿易赤字が増える可能性が高い。それ以上に輸出が増えればいいが、日本の貿易構造の変化でそれも余り期待できそうにない。
いくら農産物の輸出を増やしても金額ベースでは微々たるものだろう。ましてや原発事故によるマイナスイメージは、そんなに簡単にぬぐい去られるものでもないだろう。
TPP=日本の国力を低下させる条約
と考えた方がいい。
いつも書いているように、日本の課題は、行き着くところ人口問題に突き当たる。
少子高齢化、人口減少、晩婚化、結婚しない人の増加、離婚の増加など課題は山積している。
政治家や官僚、評論家は問題の対処法として環境の整備を口にするが実は、これ以前の問題の方が大きいことは余り取り上げない。
「結婚したいと思わない。 子供を産みたいと思わない。 子供は一人で十分だ。」などと考える人が増加したことが問題なのだと思う。そしてこれは個々の気持ちや考え方の問題であり、環境が整備されたからといってすぐに変わるようなものではない。
勿論、経済的な理由も大きいが、それは雇用の問題であり、まずは国民が「結婚生活はいいものだ。」「家族とはいいものだ。」「子供は多い方がいい。」などと思えることが重要ではないだろうか。
その上で環境整備が必要なものは、進めていく。というのが順序だろう。
時間がかかることはわかりきっているが、この部分をないがしろにして、日本の将来を考えることはできない。
残念ながら、現状の日本は、道徳観や倫理観が欠如している人が増えているように思えてならない。
活力のある日本をどのようにして作るのか。それは個々の国民が前向きになり活力ある生活を送ることであり、それの根本は家庭にあると思う。
安倍首相は「強い日本」を造りたいようだが、その根本は国民生活にあることを理解しているのだろうか。
威勢のいい言葉ばかり安倍首相の口から聞こえてくるが、それとは裏腹に顔色が優れないのはなぜなのだろう。心の中に闇を抱かえているのでは・・・。とつい勘ぐりたくなるのは私だけであろうか。


2013年2月25日月曜日

安倍政権はアメリカの言いなり?・・・TPPはどうなるのか?

安倍首相やマスコミが、どう説明しようが「アメリカの言いなり」というのが妥当な見方だろう。
そもそもTPPは関税の例外なき撤廃と自由化が原則である。
下記の記事内にある「交渉参加に際し、一方的にすべての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではない」という文言も、よくよく聞いてみると、それに対してオバマ大統領は「確認する。」と答えたにとどまったようだ。
これも、当たり前の話で、TPPは多国間協議である。アメリカ一国で決められるものではない。
何においても、アメリカの了解が必要になるという日本側の姿勢をみれば「アメリカの言いなり」というよりも「アメリカのお伺いを立てなければ何もできない。」という表現の方が妥当なのかもしれない。協議に入る前の段階でアメリカにフリーハンドを与えたようなものである。
そもそも自民党はコメなどを例外品目扱いとすることを求めていた。それが可能であるとJAなど国内の支援者に向けて説明し必ず守ると約束してきた。しかし、そうした「公約」は反故になる可能性が高い。
自民党は、これらの団体にどう説明するのだろう。

首相、TPP交渉参加表明へ 関税の聖域、日米確認
【ワシントン=藤田直央】安倍晋三首相は22日昼(日本時間23日未明)、オバマ米大統領とホワイトハウスで会談し、日本の環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加について「あらかじめ全ての関税撤廃の約束を求められない」とする共同声明を発表した。首相は会談後の記者会見で「なるべく早い段階で決断したい」と強調。3月上旬にも交渉参加を表明する意向だ。
自民党は昨年末の衆院選で、TPPの交渉参加について「聖域なき関税撤廃を前提にする限り反対」と公約。首相は会談でこうした事情を説明し、「日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品など二国間貿易上のセンシティビティー(重要項目)が存在する」と述べ、関税撤廃になじまない品目があることを指摘した。
その上で「最終的な結果は交渉で決まるもので、全ての関税撤廃をあらかじめ約束することは求められない」ことの確認を促すと、大統領は「確認する」として同意。両首脳は会談で交わされた合意内容を共同声明として発表した。(朝日新聞)


私はTPP反対派である。多国間における経済連携協定を推進しなくても二国間の経済連携協定の方が自然であり、それが本来の経済連携のあり方だと思っているからだ。
それぞれの国には文化や生活習慣の違いがあり、今回のTPPのような包括的な経済連携協定は、これらにも大きな影響を与えるからだ。

日本のGDPや税収のデータ、可処分所得の伸び率などを見る限りにおいては日本国内の経済の成長のピークは1990年だと思われる。それ以後は緩やかな下降線を辿っている。
一例を挙げてみよう。

(注)平成12年暦年基準   (出所)総務省統計局 家計調査

上のグラフからもかるように、ここ10年で見る限り 「可処分所得」・「消費支出」ともに、減少している年が多いことがわかる。
国内の経済が成長する条件の一つは、家計の可処分所得が伸び、且つそれに伴い消費支出が伸びることである。1990年までは 「可処分所得」・「消費支出」ともに、増加していた。
また、税収面で見ると、自営業者や中小企業数の減少が挙げられる。
中小の小売店や中小企業数は年々、減少している。
TPPの問題点として、このような中小の事業者の減少に拍車がかかるのではないかという懸念も挙げられる。

このように国内の家計の可処分所得、消費支出の減少傾向が続く中、輸出を増やして家計の実質所得や可処分所得や労働者数を増やそうというのがTPP参加の目的の一つではあろうが、輸出構造が大きく変化した現在では、それも余り期待できないように思える。

そもそも、アメリカ型自由主義に限界が来ているのではないかという見方が広がっている中、本来の日本、そして日本人が持っている道徳観や倫理観や家族観というものを、もう一度見直す時代にきているように思う。
TPPが、日本社会の構造や生活慣習までも変えてしまう要素を持っていることに危機感を感じる今日この頃である。





2013年2月20日水曜日

1月貿易赤字が過去最大に・・・どうなる国民生活

アベノミクスの行く末が少し見えてきたような気がする。
つまり、円安で輸出は増えるが、それ以上に輸入の増加率が高まるという現象だ。
実は、この問題はTPPの問題点を指摘した時にも述べたが、日本の輸出は完成品での輸出が減り、中間部品などの半製品の輸出比率が高くなっている。なので円安になっても輸出の伸び率が、以前ほど高くならない。逆に輸入品は原材料の比率が高いので、ストレートに輸入の伸び率に繋がる。輸出企業の現地生産比率が高くなっていることとも密接に結びついている。
これは、構造的な問題と捉えた方がいい。
且つ、輸出については金額ベースだけではなく数量ベースも注意してみる必要がある。

1月貿易赤字が過去最大に 前年同月比10%増える
2013.2.20 09:16
財務省が20日発表した1月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は、1兆6294億円の赤字だった。前年同月に比べ10.0%増えた。比較可能な統計が残る1979年以降、単月として過去最大となった。
輸出は、有機化合物、自動車用部品などが増え、同6.4%増で、8カ月ぶりの増加となったものの、輸入も石油製品、液化天然ガスなどのエネルギー関連の増加が7.3%で上回った。このため、貿易赤字が拡大した。(産経ニュース)

以前にも書いたが、輸入品価格が高くなれば国民生活にも大きな影響が出てくる。
暮らしにくい世の中になりそうだ。

最近、よく思うことがある。
新聞やテレビなどで「イジメ」の問題が取り上げられているが、一連の小沢バッシングを見ていると、これこそ公共のメディアを利用した「イジメ」ではないかということである。
「小沢イジメ」と呼ぶべきなのかどうかは別として、「イジメ」を戒めるべき立場にあるマスコミや政治家が公共放送や国会などで臆面もなく堂々と「イジメ」を行っている現状では、マスコミや政治家の「イジメ」に対するスタンスに疑問を抱かざるを得ない。
介護や教育、子育ての問題などを考えるとき、「家庭」という「家族の単位」が時代とともに変わってきたことを抜きには考えられない。
高度成長時代以後、家庭という家族の単位が小さくなってきていることと、現在の社会問題が密接に繋がっていることを、改めて考える必要があるように思えてならない。
そういう中で「大人になりきれない大人」というか、道徳観や倫理観が欠如している大人が非常に増えているように思えてならない。自己中心的な考え方の人間が増えているように思えてならない。或いは「精神的に自立できていない大人」というべきなのか。
携帯電話の普及も、大きな影響を与えているように思う。確かに便利ではあるが携帯電話の弊害も真剣に考えてみる時にきているように思う。
恋は一人でもできるが、恋愛は一人ではできない。愛は二人以上いて始めて成り立つものだ。
そして、二人以上が存在すれば、そこにルールが存在するようになる。会話が生まれる。
そこには、 道徳観や倫理観、価値観などの共有できる考え方も生まれてくる。
結婚しても3組みのウチの1組が離婚する時代である。
それがいい悪いは別として、そんな時代、結婚に期待しない若者が増えれば、益々、少子化に拍車がかかるだろう。
 「大人になりきれない男性」 と 「大人になりきれない女性」が結婚してもうまくいくわけがない。
などと勝手に想像している今日この頃である。
政治が腰を据えて取り組む問題の一つは、「家庭」や「家族」の問題なのではないだろうか。



Template Design: © 2007 Envy Inc.