2010年7月9日金曜日

田中良紹さんのブログから引用(この方の話は説得力がある)

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菅内閣発足当初は民主党の単独過半数獲得が現実になるかと思われた。「ニュー民主党」の出現は自民党のみならず並み居る新党を吹き飛ばすに十分なインパク トがあった。しかし「消費税発言」でそれが一変した。自民党が「抱きつき作戦」と言うように、それは自民党との対立点をなくしたが、一方で07年の参議院 選挙と09年の衆議院選挙で民主党を勝利に導いた「政治は生活が第一」路線を消し去り、風前の灯火だった新党がこれで息を吹き返した。

一方で民主党政権誕生後は国会運営などで自民党と距離を置いてきた公明党が各選挙区で昔ながらの自公選挙協力に乗り出している。そこで選挙序盤は「与党 過半数割れ確実」と言われた。その時に民主党執行部が見せた対応は驚くほどに拙劣だった。まだ選挙が始まったばかりなのに、選挙後の「連立の組み替え」に 言及し、連立の相手として「みんなの党」の名前を挙げたのである。

選挙の序盤で敗戦を認める政党などこれまで見たことがない。選挙結果は最後の最後まで分からないのが政治の常識である。「過半数目指して頑張る」と言わ ずして選挙にはならない。しかも「連立の組み替え」とは国民新党に対する絶縁を意味する。郵便局関係の票を捨てて自らの敗因を作るようなものだ。連立の相 手として名指しされた「みんなの党」からは足下を見透かされ「顔を洗って出直してこい」と罵倒された。

民主党執行部は「連立の組み替え」と簡単に言うが口で言うほど簡単ではない。弱みがあるのは民主党だから、連立相手の要求は全て飲まなければならない。 相手がどれほどの小党でも文句は言えない。仮に要求を飲めずに連立が頓挫すれば「ねじれ」が現実になる。そうなれば菅政権は1本も法案を通す事は出来な い。

今年途中までの民主党は衆議院で三分の二を持っていたから再議決も可能だった。しかし今の民主党は三分の二を持っていない。参議院で否決されればアウトであ る。菅政権は総辞職か解散するしかなくなる。野党は連立協議に乗るよりも解散を要求して政界再編を狙うのではないか。

菅政権はこの選挙で「ねじれ」を作る訳にはいかない立場なのである。どうしても「過半数目指して頑張る」しかないのだが、その感覚が足りない。例えば、 高速道路の無料化実験が始まった6月28日に私は山形にいたが、「景気回復に役立つ」と観光業者らの期待感は極めて大きかった。「無料化で渋滞が起きる」 という批判も杞憂に過ぎない事が分かった。民主党にとってこれは選挙に生かせる話である。

また「子供手当」の支給によって「子供を産む気になった」という女性が増えているとも聞く。そうした政策が「ねじれ」によって頓挫する事を何故もっとア ピールしようとしないのか。「子供手当」や「高速道路の無料化」を主張する小沢前幹事長に対して枝野幹事長は「小沢さんは大衆迎合だ」と批判し、そうした 政策に否定的な印象を与えた。それでは昨年の衆議院選挙でその政策に賛同し民主党に票を入れた国民を敵に回す事にならないか。選挙中の発言としては全く理 解に苦しむ。
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コメント
全く、そのとおりだと思う。
小沢前幹事長に対して枝野幹事長は「小沢さんは大衆迎合だ」と批判し、そうした 政策に否定的な印象を与えた。それでは昨年の衆議院選挙でその政策に賛同し民主党に票を入れた国民を敵に回す事にならないか。
枝野幹事長は、それが支持率低下の大きな原因であることに気がついていないようだ。
マニュフェストをあやふやな表現に修正し「言い訳マニュアル」を作成した執行部に対し、党内からも批判が起こっているそうだ。
小沢氏は党内の不満のガス抜きをするため、ここでも「悪者」になり、党内の「声なき声」を代弁して発言をした。
まともな議員なら、現執行部の対応を批判したい気持ちにもなろう。
党内の声を「聞かない」「批判させない」姿勢の現執行部。
役職もない一介の議員に過ぎない小沢さんの言葉を批判する幹事長。
とても与党の幹事長の対応ではない。器でもない。

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