2010年10月25日月曜日

北海道5区補選 ~ 民主敗北の原因

衆院北海道5区の補欠選挙で自民党の「イヤミの町村氏」が当選したそうだ。
これで参議院選挙に続き菅内閣での国政選挙は負け続きだ。
選挙の素人が選挙対策委員長では、勝ち目はない。これからも負け続けるだろう。
ちなみに「政治と金」はそんなに大きな敗北の原因ではない。菅内閣の実行力にが付けられたと見るべきだろう。政治が少しも前に進まない状況に苛立ちを感じている人が多いというのが実情だと思う。

敗北の原因を外的な要因にしたい民主党の幹部とマスコミだが、本当の原因は党運営に問題があることと、菅首相が党の政策を勉強していないことや政権運営のための各種プロセスについて理解していないことなどが大きい原因だと考える。

参議院選の菅首相の「消費税増税発言」といい今回の「TPP参加発言」といい、党内の議論がほとんど無いままでの発言で、特にTPPのおける農業問題については党がマニュフェストで掲げた政策との整合性等、党内議論の調整がほとんど無いままでの発言である。おそらく菅首相は農業問題にほとんど関心が無いのだろう。TPPに関しては閣僚間でも意見が分かれる。

上記のような問題は、党運営に問題があると見るのが当然の見方であろう。
また党と政府の間での調整機能がほとんど機能していないと見るべきであろう。
尖閣諸島での問題でもよく分かるように、ほとんど民主党内の意見は無視され、仙谷官房長官が官僚と一緒になって独断で判断しているのが現状ではないか。
だから、最近テレビに菅首相を支持した議員が出演しても、何も説明できない状況に陥っている。
要は民主党が、今や政党としての体をなしていないということである。
この状態で選挙に勝てるわけもなく、国会対策で有効な手が打てるわけもなく、景気対策に対しても、支持者の声を反映して有効な対策が予算に組み入れられるような体制にもなっていない。

党執行部が反小沢支持グループで固められ「小沢的システム」を全て否定しようとして行ってきた事が、ことごとく機能していないということである。
既存の小沢さんが構築したシステムを壊して新しいシステムをつくったがほとんど機能していないということの表れで、むしろ変えたことによるデメリットが表面化している。

もう一つが党執行部が「親小沢グループ」と「反小沢グループ」の融和の為に積極的に働きかけるどころか、むしろ逆に油を撒いている状況が続き、党内での対立が深刻化していることがあげられる。
これは歪んだ人事の弊害が表面化していることの表れでもあり、挙党一致を拒否したことが、今になって党運営に大きな影を落とし初めている。

まとめると、政権政党としての党運営はどうあるべきかが分かっていない人達が党を運営している為、野党対策もできず、支持団体とのパイプ強化もできず、与党しての選挙もできないという状況に陥っているということである。
よくも悪くも小沢さんが党代表や幹事長時代には、党が統制されていた。
400人を越す議員をまとめていくことは並大抵のことではない。このことの重要性を理解している議員がどれほどいるのか・・・。
党内が割れていては、選挙に勝利することなどできるハズがない。
なぜ政権がとれたのか。党内が一致団結したからこそ政権交代ができたのである。
そしてそのための求心力となったのが選挙での勝利であることを、理解している議員が民主党には思っ以上に少ない。

当然、今回の北海道5区補選での自民党勝利により、野党は今まで以上に菅政権を追い込もうとするであろう。
「熟議の国会」など夢の話で、為にならない「政局の国会」が続くことになりそうである。
世論調査で内閣支持率が30%台になり、政党支持率で民主と自民が拮抗し始めた時点で、民主党内から何らかの声が起こらなければ、民主党はバラバラになる可能性が高い。

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