2011年2月1日火曜日

小沢氏強制起訴-起訴内容の要旨を分析してみる。

小沢氏強制起訴(結審起訴)-起訴内容の要旨
【第1】
小沢一郎被告は、自己の資金管理団体である陸山会の会計責任者であった大久保隆規被告と、その職務を補佐する者であった石川知裕被告と共謀の上、平成17年3月31日ごろ、東京都新宿区の東京都選挙管理委員会において、
(1)陸山会が16年10月12日ごろ、小沢被告から4億円の借り入れをしたにもかかわらず、これを16年の収入として計上しないことにより、同年分の政治資金収支報告書の「本年の収入額」欄に、これが5億8002万4645円であったとの虚偽の記入をし、
(2)陸山会が16年10月5日と同月29日、土地取得費等として計3億5261万6788円を支払ったにもかかわらず、これを同年の支出として計上しないことにより、真実の「支出総額」が4億7381万9519円であったのに、収支報告書の「支出総額」欄に、3億5261万6788円過小の1億2120万2731円であったとの虚偽の記入をし、
(3)陸山会が16年10月29日、東京都世田谷区深沢8丁目の土地2筆を取得したのに、これを収支報告書に資産として記載せず、収支報告書を都選管を経て総務大臣に提出し、もって収支報告書に虚偽の記入をし、記載すべき事項を記載しなかった。

【第2】
小沢被告は、大久保被告と、その職務を補佐する者であった池田光智被告と共謀の上、18年3月28日ごろ、都選管において、
(1)陸山会が17年中に土地取得費等として計3億5261万6788円を支払っていないにもかかわらず、これを同年の支出として計上することにより、真実の「支出総額」が3億2734万7401円であったのに、同年分の収支報告書の「支出総額」欄に、3億5261万6788円過大の6億7996万4189円であったとの虚偽の記入をし、
(2)陸山会が前記土地2筆を取得したのは16年10月29日であるのに、収支報告書の「資産等の項目別内訳」の「年月日」欄に取得年月日が17年1月7日であるとの虚偽の記入をし、収支報告書を都選管を経て総務大臣に提出し、もって収支報告書に虚偽の記入をしたものである。(産経ニュースより)

要約すると
①【第1】-(1)・・・小沢氏からの4億円の借り入れを16年の収入として計上しなかった。
②【第1】-(2)&【第2】-(1)・・・16年に支払った土地取得代金分3億5261万6788円を翌17年に計上した。
③【第1】-(3)&【第2】-(2)・・・土地の資産計上を16年でなく翌17年に計上した。
ということになる。

感想
指定弁護士は4ヶ月間何をしていたのだろう?
これが刑事事件?
誰が被害を被ったの?
これらのことが虚偽になるの?
虚偽とする根拠は?
そもそもこんなことで起訴されたこと自体がおかしい!
民主党執行部の諸君!「裁判ごっこ」はやめたほうがいいヨ!(後で恥をかくことになるよ!)
etc

分析
①について・・・返済した分に関しては?何も書かれていない。この4億円を不記載と認定した場合、認定して帳簿に計上すると帳簿残高が4億円増えることになる。(帳簿と実際の現金有高が合わなくなってしまう。)確か後年の返済分に関しては第一検察審査会で「不起訴不当」議決で不起訴処分が出ていたように記憶している。返済分に関しても記述しないと辻褄が合わなくなるような気がするのだが・・・?返済分の処理をどう扱うかが焦点になるのではないか・・・。間違っても虚偽記載とはいえない。
(この4億円は実際には政治資金収支報告書に小沢一郎個人からの借入金として記載されている。)

資金の出所に関しては、なんら問題としていないので裁判の焦点にはならない。

②③について・・・②③は関連している。仮登記の時点で資産計上すべきなのか、それとも本登記の時点で資産計上すべきなのかの判断の問題である。(どちらでもOKのはずである。)
本登記の時点で資産計上処理をしたということであれば16年の支払い分は仮払金処理をしたということであり、なんら問題ないように思うのだが・・・?
そもそも政治資金規正法違反に問われているわけであるからして、判断の元になる政治資金規正法に「土地を取得した場合は仮登記の時点で計上しなさい。」という条文がなければ法律違反と言えないのではないのだろうか?
②③に関しては記載漏れではない。あくまで資産の計上時期とそれに伴う経理処理(報告書への記載処理)の妥当性を問う問題であり、政治資金規正法違反という刑事事件として扱う事案とは違う次元の問題のはずだ。
よって、政治資金規正法違反ではない。
であるからして「総務省に電話で問い合わせて聞けば済む」というレベルの話である。

以上、これらの起訴内容は、「政治資金規正法違反」という法律違反(刑事事件)の問題とは違う次元での「計上の時期と経理処理(報告書への記載処理)の妥当性」を問う案件であり、裁判で争うような問題ではない。であるから虚偽記載もありえない。

この事件のような不動産の本登記が契約時から数ヶ月先にずれることは実社会ではよく起こるる事でこれにより罪に問われることはない。同様に資産の計上に関しても本登記時まで仮払金勘定として処理し本登記成立後に資産勘定に振替るという経理処理も実社会では普通に行われていることであり、これで罪に問われることはない。では、これらの処理が「政治資金規正法という法律」においてのみ虚偽記載の根拠となり得るのか。
とてもなりえるとは考えられない。
数字上からも
4億円の借入金-4億円の借入金返済=0
3億5261万6788円の過小分-3億5261万6788円の過大分=0
暦年で通算すれば何も問題になる点はないはずだ。

不思議な事件である。
法律の専門家はこれが刑事事件であると自信を持って言えるのであろうか?
専門家の意見を聞いてみたいものである。
むしろ「虚偽報道罪」でマスコミを訴えたいと思っているのは私だけであろうか。

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