2011年2月24日木曜日

菅政権は小沢一郎の手のひらの上にある。

小沢さんの側近である松木謙公農水政務官が辞意を表明した。
一部では彼のことを「脳みそが筋肉」などと揶揄する議員もいるようだが、私は好きだ。
「義理と人情」が大好きな私には、彼のような「真っ直ぐ」で「人を裏切らない人間」は信用できるからだ。

唐獅子牡丹
水城一狼、矢野 亮 作詞
水城一狼 作曲

 義理と人情を秤にかけりゃ
 義理が重たい男の世界
 幼なじみの観音様にゃ
 俺の心はお見通し
 背中で吠えてる唐獅子牡丹

 親の意見を承知ですねて
 曲りくねった六区の風よ
 つもり重ねた不幸のかずを
 何と詫びよかおふくろに
 背中で泣いてる唐獅子牡丹

 おぼろ月でも隅田の水に
 昔ながらの濁らぬ光り
 やがて夜明けの来るそれまでは
 意地でささえる夢ひとつ
 背中で呼んでる唐獅子牡丹


日本人の多くが今でも高倉健が演じる主人公「花田秀次郎」が背負う刺青を覚えていることだろう。

昭和30年後半に、東映任侠映画の第一弾『人生劇場飛車角』が公開され、いよいよ本格的な東映やくざ路線がスタート。時代劇とは違う、もう少し身近な現代劇…明治・大正・昭和初期を舞台とした任侠映画は庶民の中から生まれて来たヒーロー的な存在感を持って描かれる。
映画の中で描かれるやくざは、常に弱者側であり、そこには人情劇がきっちりと描かれているのが受け入れられた要因ではないかと思われる。
任侠映画におけるやくざは社会からはみ出した半端者…で、あるからこそ戦後の混乱した日本人が待ち望んでいたヒーローとオーバーラップさせていたのではないだろうか。
昭和30年前半、日活が赤木圭一郎主演でシリーズ化していた無国籍アクションも彼の死によって終息を迎え、ちょうどそれと入れ替わるようにして登場したのが任侠映画であったのは、単なる偶然とは思えない。
健さんと池部良が毎回肩を並べて悪党一家に殴り込みをかけるのを分った上で、その展開を求めている。
実は、ファンは次に何が起こるか?誰が殺されるか?ラストはどうなるのか?なんて新聞広告で出演者の名前を見た時から先刻ご承知なのである。
(日本映画劇場様のホームページより抜粋させていただきました。)

そうなんです。テレビの「水戸黄門」と同じで結果はわかっているんです。
だから「安心して」見ることができるんです。
私は、これらの映画やドラマの中には、日本人という民族が持つ「アイデンティティー (Identity)」が含まれているのではないのかと考えながらいつも見ている。

政治の世界ではよく『保守』という言葉が使われる。
では「保守」とは何ぞや?
私は『本来の日本人という民族が持つアイデンティティーを守ろうとする主義や考え方』のことを言うのではないのだろうかと考えはじめている。

日本の政治家で「保守」という言葉で語れる政治家は数少ない。
小沢さんも其の一人で、民主党が政権を獲れた大きな要因の一つが「保守票」の獲得によるものであったことは間違いない事実だと思う。
小沢さんが民主党にいることで国民の中の「保守層」と呼ばれる人たちの支持も一定割合得られている。
その小沢さんを排除しようとしたことで、これらの「保守票」が自民党に流れ始めている。
其のことも党執行部はよく理解すべきだ。

小沢さんや松木氏を見ていると、任侠映画のシーンが目に浮かんでくる。
「マスコミ組」や「検察一家」、「菅一家」という悪党一家に対し、弱者を守る「小沢一家」の親分である小沢一郎が子分達に「お前達は手を出すな!」と言って単身、桜吹雪が舞い散る野道をドスを懐にしのばせ殴りこみに向かう。其の後を、「親分!あたしも連れていってください。」と叫びながら子分の松木が一人追いかけてくる。

「泥臭い」「時代遅れ」「不謹慎」と言われるかも知れないが、私達の年代の人間にとっては「何か心を揺さぶられるもの」がある。

そういえば同じ仁侠映画のスター「鶴田浩二」が歌ったこんな歌もありましたっけ・・・。

「傷だらけの人生」
藤田まさと作詞・吉田正作曲

古い奴だとお思いでしょうが、古い奴こそ新しいものを欲しがるもんでございます。

どこに新しいものがございましょう。
生れた土地は荒れ放題、今の世の中、右も左も真っ暗闇じゃござんせんか。

何から何まで真っ暗闇よ
筋の通らぬことばかり
右を向いても左を見ても
馬鹿と阿呆(あほう)の絡み合い
どこに男の夢がある

好いた惚れたとけだものごっこが罷(まか)り通る世の中でございます。
好いた惚れたはもともと「こころ」が決めるもの
……こんなことを申し上げる私もやっぱり古い人間でござんしょうかねえ。

一つの心に重なる心
それが恋ならそれもよし
しょせんこの世は男と女
意地に裂かれる恋もあり
夢に消される意地もある

なんだかんだとお説教じみたことを申して参りましたが、
そういう私も日陰育ちのひねくれ者、
お天道様に背中を向けて歩く、馬鹿な人間でございます。

まっぴらご免と大手を振って
歩きたいけど歩けない
いやだいやですお天道様よ
日陰育ちの泣きどころ
明るすぎますおいらには

なぜか今日は話が横道にそれてしまった。
どちらにしても、現在の政治状況の中で、与野党を問わずその中心に位置しているのが「小沢一郎」であることに間違いはない。
党の倫理審査会に出席したことで「党内における説明責任」を果したともいえる。

これからの政界ドラマは「東映の仁侠映画」のようには簡単に予想がつかない。
主人公兼監督の「小沢一郎」の心の中は・・・・・。

0 件のコメント:

Template Design: © 2007 Envy Inc.