2011年2月7日月曜日

愛知県知事選・名古屋市長選のもう一つの見方・・・民主党支持層の中の反民主票

愛知県知事選・名古屋市長選の選挙結果は、衝撃的なものだった。

早速、民主党幹部やマスコミは
民主党の石井一選挙対策委員長は6日夜、愛知県知事選と名古屋市長選で民主党推薦候補が大敗したことを受け「一地方の首長選であり、政党同士の戦いというより特異な名古屋で起こったこと。決定的な打撃を与える結果ではない」と、政権運営に与える影響を否定した。石井氏は敗北の原因を「ちょっと理解できない台風のようなもの。名古屋では河村たかし氏が正義の味方という『河村劇場』が見事に演出されていた」と分析。
党執行部の責任について「名古屋の特殊な雰囲気から出ている結果でそこまで問題が発展するとは思わない」と否定した。(夕刊フジ)

などと発言し、名古屋は特殊だといいたいようだ。

では、もう少し細かく分析してみよう。
知事選:御園氏 得票率 約16%(民主・国民新党・社民支持、無党派層含む)
市長選:石田氏 得票率 約22%(民主・国民新党・社民支持、自民推薦、無党派層含む)

県知事選・市長選とも純粋な民主支持層からの得票率は、15%を切っていると考えられる。
県知事選・市長選ともほぼ同様な傾向が見てとれる。

今回は岡田幹事長にとって面子をかけた戦いであり、連合(官公労含む)、トヨタ系労組などの支援団体への締め付けはかなり強かったはずだ。
09年の衆議院選挙では県内の15小選挙区全てで勝利している。
地域政党「減税日本」はまだ実績がゼロであり、政党名で票を集めたわけではない。
河村市長の人気の高さが大きな原因であることは事実であるが、前回の市長選よりも15万票得票を増やした部分については大村氏の支持票を取り込んだことが大きい。
民主党支持者の中にも、河村氏が嫌いな支持者は結構多い。

このような条件で分析した結果、次のようなことが浮かびあがった。

普通に考えても上記の要素や「民主王国愛知」という背景を考えれば負けたとしてもダブルスコアでの敗戦が順当な結果であるはずだ。知事選・市長選のトリプルスコアでの惨敗がいかに衝撃的であるかがよくわかる。
では、最悪でも民主党支持層からの得票率が30~35%近くなければならないはずの民主党候補者の民主党支持層からの得票率が15%を切ったことの意味することとは・・・。
「民主党支持層の中の反民主票」がいかに多かったかということである。
即ち「菅内閣及び現民主党執行部に対する批判票」が想像以上に多かったことを意味する。

そしてこのことは民主党内の「親小沢グループ対反小沢グループの争い」とも無縁ではない。
地方選での相次ぐ民主党惨敗の最大の原因はこの「民主党支持層の中の反民主票(小沢さん支持票+菅内閣&執行部批判票)」の動きによるものであることを執行部は理解していない。
たまたま今回は河村市長が日本新党⇒新進党⇒自由党⇒民主党という政治経歴(無所属の期間もあったようだが)を持つ政治家で名古屋市長への転進については当時の小沢幹事長が尽力した経緯もあり小沢さんとの関係が悪くないことも関係している。
其のこともあり「民主党支持層の中の反民主票(小沢さん支持票+菅内閣&執行部批判票)」は全て河村氏と大村氏に流れたと見るべきだろう。

コアな民主党支持の人ほど、現在の民主党執行部に対する失望と批判に強いものがある。
「民主党を支持しながらも民主党を批判する。」というねじれ現象が支持者の心の中にもおきている。

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