2011年3月1日火曜日

落選の恐怖に慄く菅支持派の議員・・・2ブランド戦略の凄さ---小沢戦略始動

もし衆議院が解散になったら・・・。
民主党の菅支持派の議員は「落選の恐怖」で夜も寝れない日々が続いているに違いない。
それはオリジナル民主党と呼ばれるベテラン議員でも同様であろう。

「16人の会派離脱」
「松木政務官の辞任」
「TPPを慎重に考える会の設立」
「日本維新連合の設立」
「減税日本の東京進出」
「常任幹事会の処分決定に対する小沢さんの不服申立て」
etc

党の倫理審査会を終えた後の小沢さんの笑顔が思い浮かぶ。
小沢さんが「戦闘モード」に突入したようだ。
予算案が衆議院を通過したことで、小沢グループの動きも活発になるだろう。
なんと言っても松木議員が自由に動けるようになったことが大きい。

対して菅支持グループはどうだろう。
四面楚歌」の状況にある。

優位に戦いを進めていたはずが「知らないうちに形勢が逆転していた」という状況だ。
執行部も右往左往している状況だ。
ましてその他の議員は「推して知るべし」だ。

彼らの恐怖の元にあるのが「減税日本」や「日本維新連合」だ。
自分の選挙区に対立候補をぶつけられたら・・・。
少なくとも一番票を食われるのは民主党議員だ。
ただでさえ支持率が低いことに加え、統一地方選で惨敗を喫したら、とても選挙が戦えるような状況ではなくなる。
さらにそこへ「人気急上昇中」の河村氏率いる「減税日本」が選挙区に殴りこみをかけてきたら「増税やTPP推進、マニュフェスト修正」を旗印にしてまともに戦うことができるのか?
自民党との明確な対立軸を打ち出すことができるのか?

対して小沢支持グループは「09年マニュフェストの尊守、消費税引き上げ反対、TPP推進反対」あるいは「減税」を旗印に「減税日本」や「地域政党」と連携し自民党と戦う事ができる。
対立軸を明確に打ち出すことができる。

小沢さんや河村さんがやろうとしていることは「2ブランド戦略」である。
民主党」というブランドと「減税日本」というブランドをうまく使い分け、場合によっては「その他の地域政党」という第3のブランドとも連携しながら選挙戦を戦うという戦略である。

「民主党単独」
「減税日本単独」
「民主党+減税日本」
「民主党+減税日本+地域政党」
場合によってはこれに「国民新党」「公明党」「社民党」が絡んでくることさえ考えられる。

この戦略の凄さは
①民主党内の反小沢派の議員を追い詰める事ができる。
②地方議会を巻き込んだ戦いになる。(地方議会に対する住民の不満の受け皿になりうる。)
③自民党支持票を取り込める可能性を秘めている。(愛知県がいい例)
④コアな民主党支持層の受け皿になれる。
⑤みんなの党の支持層からも票を取り込める。
⑥「TPP推進反対」を打ち出すことで農業団体などの票や地方の保守層の票を取り込むことができる。
etc
潜在的な魅力を多く秘めた戦略である。
現民主党や自民党の政策に対し明確な対立軸を提示することができる。
なにより、小沢さんが表に出る機会が少なくてすむ。民主党内にいながら裏で思い切り動き回れる。(2面戦略)

孫子の兵法にあるように
一 
孫子曰わく、兵とは国の大事なり。死生の地、存亡の道、察せざるべからざるなり。故にこれを経[はか]るに五事を以てし、これを校[くら]ぶるに計を以てして、其の状を索[もと]む。
一に曰わく道、二に曰わく天、三に曰わく地、四に曰わく将、五に曰わく法なり。

将 吾が計を聴くときは、これを用うれば必ず勝つ、これを留めん。将 吾が計を聴かざるときは、これを用うれば、必ず敗る、これを去らん。
計、利として以て聴かるれば、乃ちこれが勢を為して、以て其の外を佐[たす]く。勢とは利に因りて権を制するなり。


1:君主はどちらが民心を掌握できる賢明さを備えているか
2:将軍の能力はどちらが優れているか
3:天地がもたらす利点はどちらにあるか
4:軍法や命令はどちらが徹底しているか
5:兵力数はどちらが強大か
6:兵士はどちらが軍事訓練に習熟しているか
7:賞罰はどちらが明確に実行されているか


昔の戦いに巧みと言われた人は、普通の人では見分けのつかない勝ちやすい機会をとらえて、そこで打ち勝ったものである。
だから、戦いに巧みな人が勝った場合には、知謀優れた名誉もなければ、武勇優れた手柄もない。そこで、彼が戦争をして打ち勝つことは間違いない。
間違いないというのは、その勝利を収めるすべては、既に負けている敵に打ち勝つからである。それゆえ、戦いに巧みな人は絶対の不敗の立場にあって敵の態勢が崩れて負けるようになった機会を逃さないのである。
以上のようなわけで、勝利の軍は開戦前にまず勝利を得てそれから戦争しようとするが、敗軍はまず戦争を始めてからあとで勝利を求めるものである。

小沢さんの選挙戦術は理に適っている。
小沢さんが選挙に強いのは「理に適った戦い」をするからである。

小沢さんの選挙戦術の凄さを一番よくわかっているのは「民主党の議員」である。
その小沢さんを選挙で敵にまわしたら・・・。
反小沢支持グループの議員の「眠れない夜」は続く。

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