2011年11月1日火曜日

TPPについて:首相「国益を追求するのは当然だ」・・・「アメリカの国益の為」だとはっきり言ったら!

TPPについて野田首相は「交渉の中で国益を最大限追求するのは当然だ。国益に合致するよう全力を尽くして交渉に臨むべきだ」と述べ、交渉参加に強い意欲を表明したそうだが、「日本の国益を追求」する為ではなく「アメリカの国益を追求」する為だと正直に言うべきだ。オバマ大統領の再選支援の為だということが明白になってきた今、国民の目を欺くことこそ「日本の国益」に反する行為だ。

私がTPPに参加する必要がないとしていることの最大の要因の一つが条約に含まれるISD条項だ。
韓国議会でも韓米FTAに含まれるISD条項が最大の焦点となり条約批准がストップしている状況だ。
韓国の国会は大荒れ模様だ。
ISD条項は別名、毒素条項と呼ばれる非常に問題の多い条項で、これにより農業などのセーフティネット対策などが起訴対象になる可能性があるばかりでなく、その場合、日本の法律は無視されるという強い毒素をもった条項である。
ということは、TPP対策で打ち出す国内向けの政策や補助金などがISD条項に抵触し無力化される恐れがある。
韓国の野党が猛反対しているのはこの点を危惧しているからである。
要は、外国からの輸入や規制撤廃要求に対し「丸腰で戦え」と言われているようなものである。
百姓が竹槍で戦車と戦うようなものである。
これこそが「国益を損なう」ことの最大の要因であり「関税自主権の放棄」とともにTPPの最大の問題点である。
参加したら「丸腰にされてしまう。」ということを良く理解すべきだ。

TPP推進派は「アメリカ謀略説」を否定するが、過去のアメリカの侵略の歴史を紐解いて見ると一概に否定できない部分もある。私もアメリカの謀略とまでは考えていないがアメリカの東アジア戦略の一環であることは間違いないと見ている。
アメリカはイラク、アフガニスタンに自国の利益を求めて軍隊を送りこんだが、どこも失敗の連続で、それに伴う財政支出の増加で逆に国力を弱めてしまった。その為、軍事予算の大幅な削減に追い込まれている。
北アフリカや中東での影響力も大幅に低下しており、東アジアにおいても中国の影響力が日増しに強くなっている中、アメリカの焦りが日本へのTPP参加への圧力となっていることは事実であろう。

日銀が大規模な為替介入を行なったようだが、効果はないだろう。
日銀、財務省は円高対策として為替介入しかカードを持ち合わせていないようだ。
「今まで、何も対策をしてこなかったし、これからもできないだろう。」と内外の投資家に見透かされていることが歯止めをかけられない最大の要因だろう。
安住財務大臣が発言しても「蚊が泣いている」程度にしか捉えられていない。
もし、これが小沢一郎財務大臣だったら内外の投資家は一言一句を注視するに違いない。
要は投資家も人物を見て動いているのだ。実力と実行力のある政策責任者の発言は重みが違う。
安住財務大臣の発言は軽くて、そよ風が吹いただけで吹き飛んでしまいそうだ。

TPPとも関連するが世界経済の一番の課題は金融機関の抱かえる問題が大きいことに尽きる。
ギリシャなどの国債を保有する金融機関はアメリカにも多い。且つ、アメリカ、ヨーロッパの金融機関はリーマンショックの影響から完全に脱却できていない。
世界中に蔓延する「緊縮財政病」と「大手金融機関の弱体化」が世界経済の足を引っ張っており、経済の血液とも言える資金が必要とされるところに回らなくなりはじめていることが大きな懸念材料となりつつある。金融機関は自己資本比率を上げる為、リスクの高い資産を処分し、総資本を圧縮しようとしている。そのことが新たな不安を生み出すという悪循環に陥り始めている。
当然のことながら、リスクの小さい円が買われる傾向はつづくだろう。

政策は断続的に且つ継続的に打ち出すことでより大きな効果を生み出すことができる。
その方がアナウンス効果も高まる。
今こそ、財務大臣に実力と実行力のある世界に対しても発信力を持つ政治家を就任させるべきなのだが、真逆の実力も実行力も信用も発信力も無い「チョー軽い」政治家を就任させたことが問題の解決を遅らせることにつながっている。

ヨーロッパではイタリアがアジアでは韓国が次の不安材料だろう。
ギリシャの財政破綻の問題はユーロ諸国にとって問題の始まりに過ぎない。
アメリカの金融機関の抱かえる問題は、これから表面化する。
日本の財政当局者はそれらに対する対策を早急に打つべきなのだが、おそらく何もできないし、あってもやらないだろう。

TPPに関するアメリカの本当の狙いがどこにあるのかを真剣に見極める必要がある。
ズバリ狙いは「日本の金」だ。日本の金融資産を狙っている。(何か陰謀説のように、なってきたが・・・。)
焦っている相手に無理に付き合う必要はないと思うのは私だけであろうか。

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