2012年3月21日水曜日

小沢裁判が結審・・・判決と今後の政局について

「開いた口が、ふさがらない」とは、まさしく岡田副総理の、このような発言を聞いた時のことを言うのだろう。

岡田克也副総理は20日、甲府市内で記者団に対し、資金管理団体の土地購入をめぐる事件で4月26日に東京地裁の1審判決が出る民主党の小沢一郎元代表について「もちろん小沢先生が無罪を勝ち取られることを強く期待している」と述べた。
小沢氏の党員資格停止処分に関して、党内に1審判決が無罪だった場合に処分解除を求める声が出ていることに対しては「現時点でこうだったらああだということは言わない方がいい」とした上で、「党の常任幹事会で決まったことを変えるのならば、それは常任幹事会で議論することになる」との見通しを示した。(産経ニュース  2012.3.20 20:44)


「小沢先生が無罪を勝ち取られることを強く期待している」だと、心にも無いことを言うべきではない。本心は「何としても有罪になって欲しい」ではないのか?
委員まで差し替えて、非民主的な手続きで、小沢さんを「無期限の党員資格停止処分」に追い込んだ張本人である岡田氏は、小沢さんに「無罪判決」が下されれば、党内で窮地に立たされる。
自民党に「大連立」を働きかけたことも、自分の保身の為ではなかったのかとさえ疑いたくなる。

さて、小沢さんの一審裁判が結審した。
大方の予想は『どう考えても「無罪判決」しかないのだが、完全には安心できない』という何とも複雑なものだ。
とりあえず私なりに、この裁判をもう一度振り返ってみたい。
やはりポイントは「検察審査会による起訴相当議決の有効性」であろう。
これについては、以前、前の小沢弁護団が最高裁に「検察審査会による起訴相当議決の無効」を訴える申し立てをしたが、最高裁が「裁判で決着をつけよ」として却下したように記憶している。今回の裁判は、この点についても明らかにすることを求められているはずだ。
となると、普通の感覚なら
『検察審査会による「起訴相当議決判断」の決め手となった最重要証拠である「秘書の供述調書」や「検察の捜査報告書」、「被告人側に有利な重要証拠の提出」等に於いて、明らかな「強要、脅迫、捏造、隠蔽、改竄など」が認められ、秘書3人の裁判や小沢さんの裁判において、其の大半が裁判所により証拠採用されなかった。』
ことから、『証拠採用されなかった重要証拠が無く、且つ被告人に有利な重要証拠が提出されていた状態で検察審査会の審査が行われていたと仮定した場合、「不起訴相当」の議決が下されていた可能性は非常に高い』と考えられる。
なにより、裁判所が「大半の証拠に証拠能力が無い」という「お墨付け」を与えたわけだから、この点からも、「起訴相当議決の有効性」は効力を失ったと見るべきだろう。
実際、小沢さんも小沢弁護団も、この点に重点をおいていたように、全体の裁判の流れをみていて感じた。
万が一、有罪判決が下された場合には、弁護側は「検察審査会の議決の有効性を争う裁判」を新たに立ち上げる可能性が高い。そうなれば、検察審査会の内側に国民の目が向けられることになり、審査の内容や審査員の選任方法や選任の過程、補助弁護士の選定方法や助言した内容などが公にされる可能性が出てくる。
このことは裁判所にとって「喜ばしいこと」では無いはずだ。まして2つの関係する裁判で、自らが「重要証拠に証拠能力が無い」ことを認定している。
今回の裁判で「警察審査会の議決の有効性」が認められなければ、小沢さんの裁判自体の存在意義はなくなる。この点に注目して判決を見てみたい。

さて、今度は小沢さんに「無罪判決」が下された場合について考えてみたい。
最初に述べたように、民主党内では菅前代表、岡田幹事長時代に委員の差し替えをしてまでして「小沢さんを無期限の党員資格停止処分」に追い込んだ。
「無罪判決」が下されれば、おそらく指定弁護士側は控訴しないだろう。(早く、この裁判から逃げたい一心だと推測される。これ以上、恥をかきたくないという思いが強いと思われる。)
となれば、小沢さんは晴れて「完全無罪」となる。(同時に秘書3人の無罪の可能性も高くなる。)
其の場合のポイントは2つある。
①どういうポジションで民主党に復帰するの?
②民主党全体に与える影響は?
他にもあるが、この2点に絞って考えてみたい。

①は②にも関係しているので一緒にして考える。
輿石幹事長は、役職はどうなるかわからないが 「党の選挙対策の責任者」に推薦するだろう。
つまり、選挙の公認権と選挙資金の差配を小沢さんに委ねるということだ。
このことの党全体に与える影響は大きい。
逆な面から言えば「党内での小沢さんの発言力が強くなる」ことを意味する。
簡単にいえば、公認権や選挙資金の配分権を持つ小沢さんの考えに反対しにくい雰囲気が出来上がる。
ましてや、衆議院選挙も参議院選挙も確実に2年以内に行われる。自身の選挙が気にならない議員は、殆んどいないはずだ。
最早、党執行部で異論を挟める人は少ないだろう。うるさい岡田氏は政府に行った。前原氏や仙谷氏も影響力は落ちている。
そもそも異論を挟む理由がない。

もう一点が、「小沢排除」に邁進した人たちとの関係だ。
「小沢さんの無罪判決が確実視される」とともに、彼らも焦り始めているようだ。
「大連立」は、一面では、彼らの生き残り策と捉えることができる。
今の状態で小沢さんが復帰し、党内で発言力を強めれば、彼らはどうなるのか?
彼らの心中は穏やかではないはずだ。
ましてや小沢さんは最近になって「民主党を出て行くのは、私達ではない。彼らだ!」という過激な発言を繰り返している。
小沢さんは、相当な覚悟を持って復帰するであろう。

などなど勝手に想像してみたが、「反小沢の議員達の中から、誰が最初に寝返るか」にも注目して見てみたい。
もしかして「野田首相」だったりして・・・。
冗談が冗談と思えないところに今の民主党の混乱が見てとれる。




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