2012年8月27日月曜日

王道を行く・・・本物の面白さ

テレビBSプレミアムの時代劇『薄桜記』が面白い。
五味康祐の原作も面白いのだろうが脚本(ジェームス三木)が非常にいい。
時代劇とラブストリーの王道!を行っている。
とにかく台詞がいい。短い台詞でしっかり泣かせる。
涙線の弱い私は、目を真っ赤にして見ている。

先日の放送の中の主人公と元妻の会話
大きな桜の木の両脇に別れて会話・・・。
主人公の丹下:「千春(元妻)とも、これが最後だ。」「幸せを祈る。」
千春:「祈らないでください。」
主人公の丹下: 「さらばじゃ。」 千春: 「お達者で。」
千春:「何か私におっしゃることは?」
典膳「無い。話し出せば切りが無い。」

たったこれだけの台詞で二人の切ない心の内が表現されている。
最後の
千春:「何か私におっしゃることは?」
典膳「無い。話し出せば切りが無い。」

は、泣かせる。
私も一度は言ってみたい台詞だ。
しかし、このドラマはラブストリーとしても面白いが、時代劇としても王道を行っている。
主人公の生きざまや考え方は、一人の男としての生き方としても魅力的なものだ。
「儂は剣一筋に生きてきた。これからもそうするしかない。人に斬られて死ぬるか、人を斬って死罪になるか、先のことは分からぬが、そう長くは生きられまい。されば身辺を軽くして思い残すことのないようにしたい。」
という台詞には男としての覚悟が感じられる。自分の人生に対する潔さと切なさのようなものが感じられる。

さてさて、政治の世界でも、このような覚悟と潔さをもった政治家が居ることを期待したいのだが、殆ど見当たらないのが現状だ。(というか皆無に近い・・・)
自分の立場を守るのに汲々して、美辞麗句を並べ立てて国民に嘘をいう政治家がトップでは碌でも家臣ばかりがそろっていても不思議ではない。
いずれお家騒動が起きても不思議ではない。
悪家老や悪代官により国民の生活は追い込まれ、不当に高い年貢(税金)を取りたてられようとしているのに、それを諌める忠臣もいない。
まともな家臣は脱藩してしまい、残っているのは本当に碌でもない家来ばかりだ。
現在の政治家に足らないものとして挙げられるのは「人間としての魅力」と「政治家としての覚悟」だと思う。
これらが決定的に不足している。
いくら脚本家がよくても、主人公やヒロインに魅力が無くては面白さは半減してしまう。

このドラマを見ていて、ふと思ったのが、民主党において本当の忠臣は誰であったのか?
悪者扱いされマスコミからも不当な弾圧を受けてきた小沢さんこそが、真の意味での民主党における忠臣ではなかったのか?
その小沢さんが居なくなった民主党は、魅力がない抜け殻のような政党になってしまった。
小沢さんが居ることが民主党の魅力の一つであったことは疑いのない事実だろう。
逆な表現をすれば、「小沢一郎」という政治家は魅力のある主役を張れるだけの実力を持つ、且つ脚本を生かすことができる俳優に例えられる。
そして今の民主党には、まともな脚本を懸ける家臣もいないことまでも露呈してしまった。
自分の発言が導火線になっているにもかかわらず、未だに火消しもできない首相では、とても日本のかじ取りは無理である。
そして点けた火を更に煽っている家臣たちを見ていると、憂鬱な気分にさせられる。
お家断絶も近いと思われる今日この頃である。

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