2012年9月26日水曜日

政治と思想・・・東洋思想と西洋思想

最近、政治や政治家を見て考えることの一つに「日本の政治の根本になっている思想は何なのか?」ということや「この政治家の考え方の根本になっている思想は何なのか?」ということがある。
思想を一般的な分類で分けた場合、西洋思想と東洋思想に分けられるだろう。
日本はアメリカナイズ化され西洋思想の国のように捉えられる場合が多いが、本来の日本は東洋思想と東洋文化の国だと思う。
現在の世界を見渡した場合、ヨーロッパやアメリカなどの西洋文化の国々が色々な面で行き詰まりかけていることは間違いの無い事実だろう。
一方の東洋思想の国々は、色々な面において世界で注目を浴び始めている。
哲学、宗教、文化などを含め再度、東洋思想に焦点をあてる時期に来ているように思えてならない。そして、それがアジアや中東などの国々と新たな連携を築いていく上での重要な要素になるように思えてならない。
そして、それは政治の世界でも同様ではないだろうか?
民主党の代表選や自民党の総裁選を見ていると「この人たちには思想があるのだろうか?」という疑問が湧きあがってくる。
「思想なき政治」「思想なき政治家」による政治の限界が来ているように思えてならない。
東洋には、仏教や儒教、イスラム教などの宗教や儒教などの教えの他にも「三国志」などの歴史小説など政治を学ぶネタが豊富にそろっている。
東洋思想の特徴ともいえる考え方に「原因と結果を一体化してとらえる」という観念がある。
福島の原発事故なども、このような考え方でみると分かりやすい。つまり「原発事故という結果には原因がある」ということである。そしてその最大の原因は「日本が地震大国であるにも関わらず原発を推進した」ということだ。
その他の事についても、当てはめて考えてみると分かりやすいと思う。
しかし、それらの当事者である政治家や官僚、学者達に、そういう認識がないところに日本の不幸がある。
皮肉なことに、今や世界で最も注目を浴びる企業であるアップルの創業者のスティーブ・ジョブズは東洋の禅思想に傾倒していた。日本人は誇らしげに語るが、私たち日本人はどれほど東洋思想やや自国が育んだ思想・哲学を知り、現代に生かしているのだろうか。

「真・善・美」の仕事はそれ自体が報酬である
「そんなキレイごとを言っていたら、熾烈(しれつ)なグローバル競争の中で勝っていけない」と少なからずの経営者は言うかもしれない。しかし、低価格路線という「利」の競争次元で戦えば、日本は新興諸国に負ける可能性が大きい。
 むしろ、知恵や技や感性をもった日本は、位相を変えて戦うところに勝機がある。すでに米国のアップルは「美」的次元で独り勝ちをしている。社員に対して、「利」の価値一辺倒で危機意識をあおるやり方は限界がきている。「善」「真」「美」といった価値を軸にすえた仕事観・事業観のもと に、「働きがいのある」職務・職場に変えていこうと努力をする組織、そして意義やビジョンを雄弁に語ることのできるトップ・ミドルがいる組織は、結果的に しぶとく生き残っていくだろう。」
(村山昇氏のコラムより抜粋)

上記のコラムにあるように、もはや熾烈なグローバル競争に明け暮れていても、生き残っていけないことはソニーやシャープ、パナソニックなどの現状を見れば明らかだ。
国や企業が生き残るためには「弱肉強食」の競争とは違う次元での思想と経営戦略が求められる時代に突入している。
政治の世界でも同様だと思う。
改めて東洋思想を見直し、日本人の知恵や感性、技などと
自国が育んだ思想・哲学を知り、現代に生かしていく時代が来ているように思えてならない。

「アメリカ一辺倒の時代は、最早、終焉している」という認識を持つ必要があるように思えてならない。

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