2013年2月14日木曜日

日本経済の課題・・・問題の本質はどこにあるのか?

先日のブログでトヨタ自動車を例に挙げ「日本経済が純粋な需要増による景気回復局面には至っていないので、冷静に見る必要がある。」と書いたが、もう少し詳しく書いてみたい。

◎トヨタ、連結営業益1兆1500億円=円安効果で上方修正-単体も5期ぶり黒字化へ
※記事などの内容は2013年2月5日掲載時のものです
トヨタ自動車は5日、2013年3月期通期の連結営業利益予想(米国会計基準)を従来の1兆500億円から、1兆1500億円に上方修正した。原価低減などのコスト削減に加え、外国為替市場で昨年末から進む円安が寄与する。トヨタ単体の営業損益予想も1500億円の黒字(従来予想は200億円の赤字)に修正し、5期ぶりに黒字転換すると見込む。
通期の想定為替レートは1ドル=81円(従来想定は79円)、1ユーロ=104円(同100円)と、ともに円安方向に見直した。
連結営業利益を上方修正したのは、米国での大規模リコール(回収・無償修理)をめぐる集団訴訟の和解金負担があるものの、円安効果で1400億円押し上げるため。伊地知隆彦専務は、単体の営業損益について、円安がなくても原価低減などで「100億円の黒字は達成できた」と強調した。 
(時事ドットコム)

トヨタの生産台数の推移を見ても、2011年を除けば、国内、海外とも生産台数は順調に回復してきている。
しかし、 伊地知隆彦専務が自ら述べているように、為替差益を除いた部分での営業利益は原価低減などによる部分が大きい。
特に国内販売部分においては、根本的な問題を抱かえている。
トヨタの国内販売台数の推移を見てみると下記のようになる。
(トヨタ自動車ホームページ>トヨタ自動車75年史>国内販売台数の推移から)
上のグラフを見ればわかるように、1991年以降、バブル崩壊による経済の停滞やそれに端を発する社会構造の変化などの影響を受け、長期的な漸減局面に入っている。
表現が妥当かどうかはわからないが、自動車業界全体が衰退産業化していると言えなくもない。
これには、いくつかの原因が考えられるが、日本経済が抱える問題の本質がこのグラフから、垣間見れるような気がする。
では、こうなった原因はどこにあるのかを少し考えてみたい。
①若者の車離れ(車に関する関心の低下)
②買い替え期間の長期化
③購買層の所得が伸びない。
④軽自動車のニーズが高まり、普通乗用車のニーズが減少した。
⑤車の維持費に使うお金を他の用途に使いたいと考える人たちが増えた。
などが考えられる。
これらの原因は、短期に改善されるものではない。
人口減少時代を迎え、日本の基幹産業である自動車産業が衰退期に突入していると考えるべきだろう。
これは、家電業界や住宅業界などにも当てはまる現象だ。
こうして考えていくと、日本の産業の将来はそんなに明るいものではないし、小手先の産業支援策や減税政策などで解決出来る問題でも無いように思われる。
どうしても欲しいものなら多少、無理してでも買う。
ニーズを満たすだけなら、少しでも安いものを買う。
これが庶民の感覚ではないだろうか。
物価は需要と供給の関係により変化するものであることをもう一度、認識する必要があるように感じられる今日、この頃である。


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