2011年3月23日水曜日

東日本大震災が日本経済に与える影響

野菜や牛乳の放射能汚染が問題になっているが、これに限らず今回の地震の影響は多岐に渡る。
特に福島原発の問題は、予想以上に大きい。
とりあえず思いつくままに書いてみる。

関東地区の電力不足(東電の数字がどこまで本当なのかという疑問はあるが)が経済活動及び消費活動に大きな影響を与える事は間違いない。
また、東北地方には自動車関連等の企業も多く立地しており、それらの生産活動に影響を与えることも間違いない。

放射性物質の拡散の影響は農産物に限らない。工業製品に関しても輸入国は厳密な検査を行うだろう。
それに伴う、物流の停滞などが予想される。

大きな影響を受ける分野としては、観光があげられる。当面、日本への観光客は激減するだろう。
それに伴い、ホテル・旅館等も大きな影響を受けるであろう。

福島原発の放射能拡散がいつ収まるかにもよるが、当面、農産物は出荷できない状況が続くことになるだろう。
それに伴い、農産物の価格が上昇する可能性は高い。

一時的な買い占め騒動により、一部の商品が品不足となるが、いずれ生産が拡大すると逆にその分が品余りになり消費に多少の影響を与えることになるかもしれない。

国民が日常の活動や消費を自制する状況が続けば政府が被災地を含め緊急の経済対策及び緊急融資等の対策を取らないと、多くの中小企業や農家が倒産の危機に瀕することが予想される。

円相場に関して言えば、当面は為替市場への協調介入で多少落ち着いた動きを見せるだろうが、いずれ円高に振れる可能性は高い。
大企業は輸出においては円建てレートのウェートを高めているので、それほど大きな影響はないかもしれない。円高における輸入価格の低下メリットである程度は相殺できる部分もある。
しかし、中小企業においてはその影響は大きい。

今回の地震における経済面での影響については数字が出てきていない状況なので、あくまで予想でしかないが、GDPを押し下げる要因であることは間違いない。

復興による公共事業や雇用の増加も予想されるが、どの程度の規模になるのかもわからない状態では、その効果も測りかねる。

ただ、この時点で希望することは、「チマチマした復興計画」ではだめで、「大風呂敷」でもいいから、被災地の人や国民全体が「夢や希望」を持てるようなプランを提示してほしいという事である。

エネルギー政策も思い切った転換をはかるいい機会である。
新たな産業を育てるぐらいの意気込みを政府は示してほしい。

今回の地震で分かったことの一つが、政府と地方自治体の連携がうまく機能しなかったことである。
特に各種の規制により政府の判断を仰ぐ必要があり、それが対策の遅れを招いていることである。
今回のような緊急時の対応も含め、国と地方のあり方を根本から考え直す必要があるのではないか。

「災い転じて福となす」
多くの犠牲者の命を無駄にすることなく、辛いことを乗り越え、新たな国づくりに結びつけることが大切ではないだろうか。

日本はここ十数年、デフレが続いていると言われてきた。
デフレは「供給過多」あるいは「需要不足」によるものである。
価格の上昇によるインフレでは根本的な解決はできない。
名目でなく実質の経済がバランスを取り戻す事が重要である。
産業転換や構造転換、農産物などの適地適産などにより、少しづつでも実質の経済のバランスを見直していくことが、安定した経済発展の基礎になるはずである。

「日本の底力」が試されるときであり、そのためには強いリーダーシップを発揮できるリーダーが求められている。

1 件のコメント:

通りがけ さんのコメント...

「女川東海原子炉封鎖廃炉せよ」

もう政府の対応を待っていたらみなヒバクシャにされてしまう。交通規制や外出規制など無視して半径80km以内の人間はみな自力避難だな。ガソリンだけは緊急に大量に送ってやれ、くそ政府。

福島が爆発したら東海村も全員退避。すると東海村の原子炉も運転員不在になるので冷却不十分になってこちらも連鎖熱暴走が始まる。女川についても同じ可能性がある。

直ちに両原子炉を停止して全炉内部に冷却材を充填して封鎖廃炉処理する必要がある。あるいは核燃料を抜き取って厳重被覆して無人操縦の2万トン級空タンカーに冷却材を満たしてその中に抜き取った核燃料を沈めて載せたまま太平洋に一時退避でタンカーごと洋上保管するか。

いずれにしても日本各地の核燃料処理を急がねば日本中と世界中に死の灰の黒い雨が降ることになる。

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