2011年9月29日木曜日

日本の財政を考える(3)・・・歳出削減は人件費の削減から

小沢さんの秘書3人の判決騒ぎの間に、復興増税が決められようとしている。
今回の判決でよくわかったことは、検察や裁判官、マスコミ関係、政治家の人たちは実社会のことや一般的商取引の常識をほとんど理解していないということである。
これは官僚組織全体にも当てはまることで、「当たり前のことが当たり前で通らない」私たちの生活している社会とは異質の社会が、そこにあるようだ。

今回の裁判でもっとも、それを如実に表しているのが、銀行担保に入れた小沢さんからの借入金4億円の扱いだ。
前にも何度か書いているが、これは小沢さん個人の金であり陸山会の金ではない。(よって借入金でも預り金でもない。)
個人の名前で銀行に定期預金をし、これを担保に提供し、陸山会代表の小沢一郎という個人が銀行から4億円の借り入れをした。
一般の会社で銀行借入れをする場合に、個人が提供した担保は会社の帳簿には記載しない。当たり前の話で、銀行に対する担保提供者は個人であり、担保差入書の承諾者欄及び質権設定承諾書の承諾者欄も提供者名でサインする。
この一連の流れを説明すると、小沢さんの4億円を銀行に定期預金として預け入れ担保として差し入れるまでの手続きは小沢さん個人としての手続き作業であり、石川秘書は小沢さん個人の手続きを代行したに過ぎない。よってここまでは、陸山会とは関係のない事項である。石川秘書が個人的に小沢さんのお金を預かったわけであり陸山会として預かったわけではない。(よってこの4億円は借入金ではない。小沢さんの個人資産の移動)
石川氏本人も、検察も弁護士も裁判官もこの4億円を小沢さんからの借入金と思い込んでいるが、小沢さんの所有していた現金が銀行の定期預金に振替わったに過ぎない。

銀行からの借入も陸山会が任意団体であることから陸山会の代表である小沢一郎個人への貸付扱いになっているはずで、よって石川秘書の政治資金収支報告書への「借入金 4億円 小沢一郎」との記載になんらおかしい点はない。
小沢さん所有の現金が定期預金として担保になりそれが元になり銀行からの借入金に振り替わっただけの話である。ただし、政治資金収支報告書に記載されている4億円の借入金は正確には銀行からの借入金を指す。銀行からの借り入れが小沢一郎個人名での借り入れになっている関係上、政治資金収支報告書への記載も個人名での借り入れで、なんら問題は無い。(石川秘書は小沢さんから個人的に預かった現金を借入金として記載したと述べている。)
ちなみに、よく借入れ利息のことも言われるが、定期預金にも金利がつくことも申し述べておく。

これらのことは社会通念として事業を運営している人にとっては当たり前の話である。
今回の裁判で残念に思うことは弁護団に経済・金融に強い弁護士がいなかったことで、2審では是非、この部分を強化してほしいものだ。

さて、前置きが長くなったが、国の歳出削減の第一歩が公務員の人件費削減でなければならないことは言うまでもない。
フランスも緊縮予算をしいられ、歳出削減に取り組んでいるが、まず第一に公務員30500人の削減を盛り込んでいる。当たり前の話である。フランスは歳入増加の為、いくつかの増税案も盛り込んでいるが、増税と公務員の削減、支出の削減はバーターになっている。こうしなければ国民に増税を受け入れさせることは到底困難であり、国民の理解を得ることができないからだ。

翻って日本はどうであろうか?
増税を予算に盛り込んでも公務員の大幅な人員削減や給料削減が予算に盛り込まれるわけではない。
人事院が勧告した一般職の給与引き下げ幅は、月平均給与の0.2%である。(雀の涙より小さい?)
国民をなめているとしか思えない引き下げ幅である。
久しく続くデフレで、公務員の実質給与は上がっているのが現状である。

ここ数年来続く予算削減で公務員の仕事は減っている。一般の企業で言えば売り上げが下がって利益がでなくなれば、当然、人員削減に取り組むのは当たり前の話である。ましてや国の場合、今後、財政事情が急激によくなる目安はなく、継続的な人員及び人件費の削減は当然のことである。
当然、無駄な支出や効率の悪い仕事をしている部局の幹部は責任を取らせるべきである。
予算をたくさん獲得した職員だけが評価され、予算を使わなかった部局が評価されないという歪んだ組織のあり方も含め、組織全体の意識改革と評価のあり方を変えないことには、歳出削減は思ったようには進まないだろう。

個々の政策の良し悪し、予算額の妥当性という問題以前に、人事の任命権を取り戻すことや人事評価のあり方を改善することに取り組むことの方が重要ではないかと思うのは私だけであろうか。

次回からは、財政全体から見た歳出削減について述べてみようと思う。

2011年9月28日水曜日

陸山会事件の判決に対する発言内容で人物の本質が見える。・・・弁護士出身の政治家のコメントが聞きたい。を

弁護士出身の政治家は結構多い。
自民党の谷垣総裁、公明党の山口代表、社民党の福島党首、民主党の枝野、仙谷氏などかなりの数に上る。
今回の「西松及び陸山会事件における秘書3人に対する判決」に対する弁護士としての個人的な感想を聞いてみたいものだ。
それにより、彼らの人間としての本質を見ることができるだろう。

今回の判決は私のような法律の素人でも、すぐにおかしいと感じるほどの、ぶっ飛んだ判決だった。
あまり適切な表現ではないかもしれないが
『窃盗の容疑で逮捕され裁判になった。判決では起訴事実の窃盗の罪以外に起訴事実に無い殺人の罪までプラスされていた。ところが言い渡された刑には執行猶予がついていた。』
というような判決だった。

贈賄罪(買収側)の時効は3年、収賄罪(買収された側)の時効は5年だったと記憶している。
検察は、収賄罪の時効がくる前に慌てて石川秘書らを起訴したように記憶している。だから収賄罪は適用できたはずだ。にもかかわらず検察は収賄容疑を立件できず起訴事実から除外したように記憶している。
実はこの点との関連が実に不可解で、検察の起訴事実と判決内容との関連性や判決の中で『動機の悪質性』を認定しながら、執行猶予付きの判決であった点など実に理解しにくい点が多い判決である。

ましてや大久保秘書の場合、西松建設事件と陸山会事件と二つの事件で有罪判決を受けたにも関わらず執行猶予がついている。

今回の判決は、弁護士にとっても検察にとっても今後に問題を残す判決だと思う。ホテルのレシートを証拠(拾った物かもしれない)と認め起訴事実にない罪状まで判決に追加し、状況証拠だけで、裁判官の判断により有罪にする。
こんなことが認められたら、多くの弁護士は今後、裁判でどう争うのか?
検察は、捜査したにも関わらず証拠不十分で起訴事実に取り上げなかった罪状を、裁判官に勝手に有罪にされたら、どう対応するのか?

更に今回の裁判で問題と思われるのは、裁判官が最初から有罪ありきで、有罪にする妨げになりそうな調書を意図的に取り下げ、裁判での論点からはずそうとした意図が見え隠れする点である。
裏献金を認定するのに、取り下げた調書は都合の悪いものだった可能性も考えられる。
この点は、もっと大きく取り上げるべきで、裁判の根本に関わる問題である。

西松事件では「検察」が今回の判決では「裁判所」の問題が浮き彫りになった。
司法全体に大きな問題があることが浮き彫りになった。
組織の問題とともに、裁判官の人格、人間性などの適格性の問題も表面化することだろう。

西松・陸山会事件では東京地検特捜部が、検察として踏み越えてはいけない線を乗り越えてしまった。今回の裁判では裁判所が司法として踏み越えてはいけない線を乗り越えてしまった。
そして、そのことが少しずつだが市民社会に広がり、批判となって彼らに戻っていくことだろう。

色々な問題が浮き彫りになるにつれ、日本という国の政治・司法・行政のシステムが「思っている以上に酷い、醜いもの」であることが透けて見え始め、嫌気がさしてきた。
「老後は日本を脱出して南国の島で、暮らそうかなあ~(金が無いから無理だけど・・・)」と思いたくなるような現状に・・・。

それにしても、これだけ強大な権力につぶされかかっても戦い続ける小沢さんは、やはり大した政治家だ。

2011年9月27日火曜日

陸山会事件の判決・・・裁判長の頭の中ではストーリーができていた。

「小沢氏3秘書の有罪判決」には、さすがに驚いた。
東京地検特捜部もビックリの判決であった。むしろ検察の立場からすれば、捜査を否定されたに等しい判決とも言える。

そもそも、この事件は「土地取得に関して小沢さんから借入れた4億円を隠すため、故意に虚偽記載した。」ことが焦点であったはずだ。
しかし、この事件は政治資金収支報告書に「借入金 小澤一郎 4億円」という記載があったことで、無実がほぼ確定していたはずなのである。
なぜなら、故意に4億円を隠す意図があったとするならば、政治資金収支報告書に小澤一郎名義の借入金を記載するはずがないからである。(銀行名の借入で記載されていれば別だが)
政治資金収支報告書に小澤一郎名義の借入金が明確に記載されていることから石川秘書に故意に小沢さんからの借入金4億円を隠す意図がなかったことは明白であり、且つ他の秘書と共謀する必要性もなかったことは明白である。

期ずれ」の問題も、4億円を故意に隠す意図がなかったとすれば、虚偽の記載をする必要性が認められず、なんら問題になることではない。

今回の判決で、最大の疑問と問題点は、訴因にも含まれていない「水谷建設からの裏献金」を認めた点だ。
裁判長は虚偽記載の動機を「4億円の原資を追及され、水谷建設からの資金が明るみに出ることを恐れたため」としているが、これは検察の捜査を否定しているに等しい。
もし、小沢さんからの借入金に裏献金が含まれていたとしたら、検察が小沢さんを起訴していなければ辻褄があわなくなる。(裏献金が小沢さんの懐に入っていたことになるからだ。)

検察は徹底した捜査を続けたにもかかわらず、小沢さんを2度に渡って不起訴にしているわけで、今回の判決は検察の捜査と判断を否定し裁判長の独自の個人的判断で判決をくだしたものとみなされる。
そもそも、裏献金を渡したという確固たる証拠がないにもかかわらず、水谷建設という色々問題のある怪しい会社の元社長の供述を信じられるとした裁判長の判断こそ信じられないというのが私の感想だ。

おそらく、裁判が始まる前から裁判長の頭の中ではストーリーができていたのだろう。
最初から「有罪ありき」の裁判であり、公判は「刺身のつま」でしかなかったのであろう。

最初に述べたように政治資金収支報告書に「借入金 小澤一郎 4億円」という記載があったことで、検察のストーリーは崩壊し「虚偽の記載の根拠」もくずれており、「水谷建設からの裏献金」を認定しないと有罪判決が出せなかったというのが真相ではないだろうか。

多くの捜査員と多額な費用をかけて捜査したのにもかかわらず東京地検特捜部が立証できなかった「裏献金」を、問題の多い怪しい会社の元社長の供述を信用し状況証拠のみで有罪判決を出した今回の判決は、今後、多くの波紋を呼ぶことだろう。

本当に日本は法治国家なのだろうか?
こう感じた人は多いことと思う。

「正義」という言葉が虚しく感じられる。

2011年9月26日月曜日

民主党は民主的な政党?・・・復興増税反対の議員の方が多いのでは?

最近の民主党を見ていると、本当に民主的な政党なのかと思われて仕方がない。
且つ、国民の生活感覚とずれた感覚を持つ議員が多いのではないかと思われる。

その代表的な議員として野田首相や前原政調会長が挙げられる。
この松下政経塾出身の二人を見ていると、
①サイボーグのような「冷たさ」を感じる部分がある。
②一見、頭が良さそうだが、本当はそうでも無いように思われる。(多分、あまり頭はよくないと思う。)
③「一般庶民とは違うんだ。」というプライドや特権意識を持っている。

本当に庶民感覚を持ち、庶民の目線で物事を見る感覚を失っていなければ、100億円を越す建設費の公務員宿舎の建設にゴーサインは出さないだろう。
そもそも新築の3LDKの宿舎の家賃が3万円/月らしいが、これって一般的な家賃相場の三分の一以下ではないのか?
完全な給与補助といいうか差額が「隠し給料」ではないのかとさえ思われてしまう。

復興増税も党内で民主的に賛成・反対に対する多数決を取ればいいのでは?
そうすれば、三分の二以上の議員が反対票を投じると思われる。
多くの国民は、「増税の前にやることがあるだろう。」と思っている。そのことに対する説明が先で、復興予算の詳細が決まる前からの「増税ありき」の議論は、そもそもおかしい。
10年にもわたり増税すること自体、そもそも「臨時増税」とは呼ばない。
経済状況を考慮した形跡も見られない。

財務省やアメリカから脳にプログラムをインプットされているとしか思えない、野田、前原氏を見ていると、日本の国の本当の統治者は誰なんだろうと思わずつぶやきたくなる今日この頃である。

2011年9月24日土曜日

日本の財政を考える(2)・・・消費税増税と経済への影響

財務省や財務省べったりの政治家は、「財政再建」や「赤字国債残高」の問題をクローズアップし増税の必要性を説くが、経済への影響については、ほとんどといってもいいほど語らない。都合の悪いことは語らないという官僚の特性をよく表している。

具体的に消費税をアップした場合の経済への影響を具体的な例をあげて説明してみよう。
3000万円の住宅を購入した場合(土地には消費税はかからない)
①消費税5%(現状)・・・消費税額 150万円
現状で3000万円の住宅を購入した場合150万円の消費税を払い、且つ不動産取得税(標準4%・・・現在は軽減処置で3%)を払わなければならない。
②消費税を5%上げて10%にした場合・・・消費税額 300万円
となる。
財務省は将来的に10%を、更に15%に上げることは間違いない。(今のまま何もしなければ15%でも足りなくなるだろう。)
③消費税を15%に上げた場合・・・消費税額 450万円
にもなる。それに不動産取得税を足せば、トータルで550万円近い税金を払うことになる。

これを300万円の自動車を購入した場合に当てはめるには、そのまま一桁下げて計算すればいい。
300万円の車を購入した場合
消費税が 5%の場合・・・消費税額  15万円
消費税を10%の場合・・・消費税額  30万円
消費税を15%の場合・・・消費税額  45万円
となる。
更に取得税や重量税も別途払わなければならない。
日本の場合、いろいろなところで2重課税に近い徴収が行われている。

日本の労働者の約40%が非正規社員で、且つ年収300万円以下の労働者が急増している現状で、3000万円の住宅を購入(そもそも年収300万円以下では3000万円の住宅は購入できないが・・・)すると消費税が10%に上がった場合、年収300万円の世帯では1年分の年収とほぼ同額の消費税を支払わなければならないことになる。(ヨーロッパなどでは住宅の取得に関しては非課税の国が多い。)

当然、住宅ローンで支払う場合、消費税が上がれば支払総額も増え月々のローン支払額が増えることになる。となれば、月々の生活費に占める可処分所得は減少し、他の食費や教育費、娯楽費などの支出が減少することになる。

消費税のアップ=購入価格のアップ
ということであり、それは高額なものほど影響は大きく、購入者の減少に直結する。
住宅、自動車産業などは裾野が広く、また民間の設備投資などの減少にもつながり経済への影響は、思った以上に大きい。
それだけに止まらず、購入世帯は、可処分所得の減少により他の消費を減らさざるをえず、その影響は多方面に渡る。結果的に日本経済全体の規模の縮小につながり税収も減り、逆に失業者の増加などにより、社会保障費が増加する。

今、財務省や野田首相が目指している増税は「財政再建=国債の発行額の減少」という、いわば財政赤字の縮小と穴埋めを目的としたもので、後ろ向きな増税である。
且つ、急激な円高や世界的な景気後退と金融危機が目の前に迫ってきている状況で増税することは、日本の経済の縮小を助長することにつながる。
さらに、このような状況でTPPを推進すれば、円高と関税撤廃のダブルパンチでアメリカなどからの輸入が急増し、国内の第1次・2次産業に止まらず金融・サービス業なども壊滅的な影響を受けることになる。震災復興どころの話ではなくなる。

財政を考える場合に必要な根本となる視点は、これからの日本をどうするのかという視点であり、それを突き詰めていくと、どのような人口構成の社会にするのかという点に突き当たる。

社会がピラミッド型から逆ピラミッド型の人口構成に急激に移行し始めたことが財政、経済の問題の根本にある。(少子高齢化の進展)
本来は、経済発展とそれに伴う国民生活の変化に対応し成熟社会型の人口構成にスムーズに移行できるように政治が誘導していく責任があった。
ピラミッド型⇒砂時計型⇒ドラム缶型
というように高齢化に伴う高齢者の増加や経済成長と国民生活の向上に伴う社会の変化に対応できず、砂時計の下部の部分(出生率減少の歯止め及びアップ)を広げていくことができなかかったことに最大の問題の原因がある。
逆ピラミッド型に近づけば、いずれ倒れるのは自明の理である。
砂時計の下部を広げる(出生率減少の歯止め及び出生率のアップ)努力を続けなければ、砂時計の上部(高齢者)を支え切れなくなることは小学生でもわかる。
年金、医療などの社会保障を持続可能な制度にするためには、制度を支える人を増やしていかなければ、いくら増税や保険料負担を上げていっても切がなく「絵に描いた餅」になることは、中学生でもわかるだろう。

そのためにも、大胆な予算の組み替えや地方分権に伴う地方の自立促進などによる、少子化対策の強力な推進が必要だ。(子供手当てのような直接給付も重要なことは言うまでもない。)
もちろん内需促進のための経済対策、雇用対策なども重要なことは言うまでもなく、セーフティーネットの充実も平行して進めなければならない。
公務員制度改革や特殊法人改革などの大きな改革を推し進めなければ、本当に必要とされる税収額が見積もれない。必要とされる経済成長率も算定できない。それをやらないと増税しても水漏れしてしまう。
これらを推し進め、日本の将来の姿を示し、どうしても増税が必要となれば、国民も納得するだろう。また、税金は、後ろ向きな政策ばかりでなく、前向きな政策にも使われなければならない。

福島第二原発事故は、直接的な物質的被害も大きいが「家族の絆」や「将来の発症に対する不安」「地域コミュニティーの崩壊」など数字や金額で表せない精神的な被害をも住民に与えた。
仕事や家族がいることが「がんばろう」という意欲の源泉になる。
おじいちゃんやおばあちゃんは孫がいることで生きがいを見出すことができる。
原発事故は住民の「心の支え」さえ奪いさろうとしている。

「コンクリートから人へ」という民主党の掲げた理念を民主党の議員はもう一度、問い直す必要がある。
であるなら「原発の維持、推進」などとは、とても口に出せないと思うのは私だけであろうか。
野田首相に「人間としての暖かさ」が感じられないと思うのも私だけであろうか・・・。

2011年9月22日木曜日

日本の財政を考える(1)・・・どうしたら財政再建できるのか?

日本の財政をどうしたら再建できるのか?
政治家や官僚から聞こえてくるのは「増税」や「財政規律」とかいう言葉ばかりで具体策は何も聞こえてこない。

財政再建するには三通りしかない。
①歳入の増加
②歳出の削減
③名目GDPの増加(これは①や②とも関連しているが、重要なのであえて取り上げる。)
日本の財政状況を考えた場合、この三つを同時並行的に進める以外に方法はない。

今回は①の歳入の増加について考えてみよう。
考えられる方法は
1.増税(所得税・法人税・相続税・贈与税・消費税)が考えたれる。この内、財務省は取りやすく安定的な税収が見込める消費税を上げたがっている。
しかし、重要なのはどうしたら税収が増えるのかという視点が欠けていることである。
官僚は、あくまで今の現状を元にしてしか考えていない。これが官僚の思考の大きな欠点である。
税収を増やすには
①新規の納税者を増やす。
②新規の事業者(企業)を増やす。
③課税対象納税者を増やす。
④納税者一人当たりの納税額を増やす。(所得額のアップ。税率のアップ)・・・所得税
⑤黒字事業者(企業)を増やす。
⑥黒字事業者(企業)一社当たりの納税額を増やす。(所得額のアップ。税率のアップ)・・・法人税
⑦資産課税の強化(資産価格の上昇、贈与税・相続税の税率アップ)
⑧国内GDPの増加(国内消費額の増加に伴う消費税の増収)
⑨消費税の税率アップ
⑩租税特別措置法などによる優遇税制の廃止
他にもあると思うが、とりあえずこんな項目が考えられる。
逆に言えば、現状はこれと逆のことが起こっているため税収が増えるどころか減っているのである。
増税以外の方策について真剣に取り組んでこなかったことこそが大きな問題である。
根本的な財政再建への道は、税率アップによる増税以外の部分をどうするのかにある。
そのためにはどんな政策や税制が必要なのかを考えなければならない。

2.国の資産の処分による歳入の増加について考えてみよう。
まず、国の資産とはどの部分までを含めるのかという議論が必要になる。
特別会計に含まれる部分も国の資産と考えるのが妥当だろう。
資産について考えておかなければならない部分がいくつかある。
①資産の評価について・・・帳簿価格が取得額か時価評価額のどちらで計上されているか。
②海外資産については為替相場の変動で資産評価額が変動する。
③保有有価証券等についても評価額は変動する。
以上のようなことは一応理解しておく必要がある。
処分するタイミングも重要だ。
政府には、膨大な資産があることも理解して話をしないと財政再建の話は一方通行になってしまう。
また、今ある資産を有効活用することで歳入を増やすことも真剣に考えるべきである。

3.資産の運用による歳入の増加について考えてみよう。
国有地や年金基金などの資金の運用などによる収入が上げられる。金利収入や賃貸収入などである。
この部分はアイデアしだいではまだまだ活用部分は沢山ある。

余談:
そもそも、日本の消費税率が低いという認識は正確ではない。
諸外国の税収全体に占める消費税の割合を比較してみるとよくわかる。
景気の変動による税収の変化により比率は大きく変動するが、リーマンショック以前の数字で比較してみてもフランスを除けば、ほとんどの国とは一桁の違いである。(日本の法人税率が高いといわれる中においても・・・)
住宅の取得などについては消費税がかからない国が多い。
実際、住宅の取得で見てみると、日本でも取得税や固定資産税などの税金を別に納めている。
3000万円の家を取得すると150万円の消費税がかかってくる。これはかなりの負担である。

企業部分で言えば派遣社員の雇用は課税仕入れで「仕入れ税額控除」の対象となる。本来、人件費であるにもかかわらず、非課税にはなっていない。最終課税事業者である大企業などのメリットは大きい。
そもそも人間として扱われていない。輸出企業で言えば、輸出戻し税の対象に含まれる。

このように、税制の歪んだ部分を改善しただけで税収が増える可能性が高い部分は結構ある。
所得税の最高税率などもその典型だ。
日本の所得税の最高税率は高すぎると言って大幅に引き下げてきたが、これは誤解による部分がかなり大きい。
所得税では所得の階層ごとに税率が決められており、例えば3億円の所得があっても、そのすべてに最高税率が適用されるわけではない。所得の階層ごとに税率が適用されている。むしろ一定額の所得を超えた高額所得者のトータルでの税率は、低いといってもいいほどだ。トータルでの税負担を見ないと高いか低いかは判断できない。

輸出企業は、日本の法人税率が高すぎるから海外に移転するとか言っているが、もし円相場が150円くらいの円安になったらどうするのか。絶対に海外には移転しなだろう。
多少、法人税が高くても日本に残るはずだ。
逆に法人税率が5%になっても円高が進み円相場が50円になれば海外にでていくだろう。
赤字では、いくら税率が低くても税金を納めることさえできなくなり経営も成り立たなくなるからだ。

人間の本質は
「儲かれば儲かるほど、人件費などを増やし、少しでも収める税金を減らそうとする。」
ものだ。
「税金を納めることは損なことだ。」という意識が根底にある。

日本の公務員には首切りがない。終身雇用が保証されている。
年金も一般の国民より優遇されている。
それでいて、確実に退職金も支給される。
一般の企業等では、会社が潰れれば退職金はもらえない。中小企業では支給されても公務員や大企業の数分の一である。(国民の間に不公平感が広がりつつある。そして、それが公務員に対する不満となって表面化しつつある。やがて、それが政府や政治家への不信と不満となっり信頼が喪失されるこにも繋がる。)

公務員の退職金を半分にしても、罰が当たらないと思うのは私だけであろうか・・・。(それでも1000万円以上はあるはずだ。)

2011年9月20日火曜日

「技術が進歩すれば安全な原発が可能であるという『新たな神話』・・・技術の進歩だけでは解決できない問題がある。

「技術が進歩すれば安全な原発が可能であるという『新たな神話』が台頭しつつある。こうした動きを私たちは警戒しなければいけない」
私の尊敬する経済評論家の内橋克人さんが訴えておられる。
そのとおりだと思う。
「人類は科学を過信しすぎてこなかったか?」という反省の上で、原発問題は語られるべきである。
「科学を優先するのか人命を優先するのか?」という人間社会の根本をもう一度問い直す必要があるのではないかと思う。

今回の福島第一原発の事故でも明らかのように『人災』による部分が非常に大きい。スリーマイル島の原発事故もチェルノブイリ原発事故も直接の原因は操作員によるミスである。
いくら科学が進歩しても、扱うのは人間である。人災は、常につきまとう。
さらに、一度事故が起きた場合、人間では制御できないところに最大の問題がある。
また、一度放出された放射性物質は、簡単に除去することもできず、何らかの形で長期に渡り存在し続ける。

原発の輸出など真っ先に中止すべき政策である。
原発事故に「収束」という2文字はないはずである。簡単に使うべきではない。
たとえ原発施設の事故が収束しても、放射能を被爆した人たちはこれから何十年も発ガンや健康被害等の発症の恐怖と戦い続けなければならない。
そしてそれは1代限りの問題ではない。何代にも渡り、何らかの影響を与え続ける可能性も否定できない。
脱原発に政治がはっきりと舵を切るべきだと思うのだが、野田首相はそうでもないようだ。
国民がはっきりと「原発に対しノー」を突きつける時が来ているように思う。
これからの国政選挙や地方選挙においては「脱原発」を最大の焦点にすべきだ。
国民の意思を政治に突きつけることこそ今、私たちがやらなければならないことではないだろうか。

数日前に野田内閣の五十嵐とかいう財務副大臣がテレビで話をしていたが財務省の代理人そのものであり、財務省の役人と言ってもおかしくない話の内容であった。
かように、民主党の議員も官僚に懐柔されてきている。

民主党の執行部が陳情の窓口を幹事長室に一元化するそうだ。
小沢幹事長のときに始めたものだが、菅代表時代に廃止された。
民主党議員内での評判が悪いということが、その理由だったようだが、実はこのことは政治主導を進める上での大きなポイントだと思っている。
政調部会や個々の議員が陳情を受け、各省庁の官僚にお願いすれば、知らないうちに官僚に貸しができる。業界との癒着も生まれやすい。官僚に懐柔される大きな原因になる。
そのことにより、官僚や業界団体の意向に左右されやすくなり、政策を推し進める上での妨げになりやすい。

復興増税では企業に対しては「減税」して「増税」する形で負担増を求めていない。
そもそも「国民全体で震災の復旧復興費用を分担しよう」というのならば企業もそれ相応の負担をすべきだ。インフラの整備をはじめとする復旧、復興事業で一番恩恵を受けるのは、関係する企業である。

ましてや、福島の原発事故の当事者である東京電力は経団連の中心企業である。
東京電力の責任を財界全体で負担しあうという発想が、彼らにはないのだろうか?
原発事故の処理費用に関しては、将来的に電気料金なり税金なりで国民が負担することになる可能性が高い。
「自分たちの利益しか考えない」経済団体はいずれ国民から見放され痛い「しっぺ返し」を受けることになるだろう。

2011年9月17日土曜日

またもや平野氏と岡田氏か・・・足を引っ張るしか能がない?

平野国対委員長と岡田氏という政局オンチの二人は黙っていた方がいい。

衆院は16日の本会議で、臨時国会の会期を30日まで14日間延長することを全会一致で議決した。民主党は当初、16日までの4日間の会期で閉会する方針で、輿石東幹事長は延長を否定し続けてきたが、今後の与野党協議を考え会期末ギリギリで方針転換。この日の与野党幹事長会談で延長を提案した。だが、輿石氏の情報管理などで16日朝まで延長方針を知らされていなかった松本剛明国対委員長代理ら国対幹部3人は同日、辞表を提出した。野党の要求に基づく延長決定は異例であり、ねじれ国会の司令塔としての輿石氏の力量に疑問符がつきそうだ。
「混乱させたことをおわびしたい。(野田佳彦)首相と私の2人で相談した結果だ。責任は私自身にとらせていただきたい…」
輿石氏は16日の代議士会で、突然の変更について陳謝した。しかし、党執行部が招いた混乱にあきれ顔を見せる出席者も多く、輿石氏が協力を求めても拍手はまばらだった。
普段は「情報管理」を理由に水面下の調整について多くを語らない輿石氏だが、代議士会では珍しく衆院予算委員会筆頭理事の岡田克也前幹事長から助言を受けたことを明かした。
「このままだと大変なことになるかもしれない。冷静な判断をしてほしい」
岡田氏は15日、輿石氏にこう伝えた。平成23年度第3次補正予算案編成をめぐる自民、公明両党との3党協議に道筋を付けた岡田氏としては、強引に4日間で臨時国会を閉じれば、今後の与野党協調に与える影響が大きすぎるとみていた。
輿石氏から延長の打診を受けた首相はすぐに了承した。もっとも、土壇場で岡田氏の助言を得るまで執行部の感度は鈍かった。特に平野博文国対委員長は16日閉会で公明党から了承を得ていたと思い込んでいた。平野氏と9日に会談した公明党の漆原良夫国対委員長は「閉会中審査なら26~30日に、衆参2日ずつの予算委員会を開いたらどうか」と持ちかけていたためだ。その場で平野氏は即答しなかったがこれがつまずきの始まりとなった。10日夜、鉢呂吉雄前経済産業相が辞任したのを機に民主党に協力する構えだった公明党は態度を硬化させる。
民主党は野党側の空気の変化をつかめず、延長しない方針を変えなかった。しかも閉会中審査の具体的な日程を自民、公明両党に伝えたのは14日と遅く、公明党は自民党などとの共闘に転じていた。
「なんで、こんなにドタバタしたんですか?」
16日の衆院本会議前の議院運営委員会理事会で、自民党の菅義偉筆頭理事は、民主党の松野頼久筆頭理事にこう尋ねた。

「申し訳ありません」
松野氏は頭を下げるしかなかった。「秘密主義」の輿石氏の手法の下、松野氏らはこの日朝まで蚊帳の外に置かれた。しかも松野氏は松本氏、加藤公一国対委員長代理と閉会の手続きのため、野党の反対を押し切る形で16日に各委員会を開くよう筆頭理事に指示していた。
3人は16日午後、「混乱させたけじめをつけたい」と平野氏に辞表を出した。挙党態勢を強調する首相だが、輿石氏の情報統制に依存するあまり政権発足早々から党内に禍根を残した。
民主党が「会期延長やむなし」との判断に至ったのは、首相がこだわる3党協議を進めるためだったが、野党側の不信感で暗雲が立ちこめている。
「会期末ギリギリでようやく延長をのんだ。協議をしてくれというのはあまりにも虫が良すぎる!」
 公明党の山口那津男代表は記者団にこう吐き捨てた。(産経新聞より抜粋)


「このままだと大変なことになるかもしれない。冷静な判断をしてほしい」
岡田氏は15日、輿石氏にこう伝えた。平成23年度第3次補正予算案編成をめぐる自民、公明両党との3党協議に道筋を付けた岡田氏としては、強引に4日間で臨時国会を閉じれば、今後の与野党協調に与える影響が大きすぎるとみていた。


岡田君、君や安住君が弱気な姿勢で自民、公明両党の言いなりになり「3党合意」を結んだのが、逆に政治の混迷を深めることに繋がったのがわからないのか?
余分な口出しはするな!

輿石幹事長の進め方にも多少問題があったようだが平野国対委員長の勝手な思い込みと読み間違いが最大の原因だろう。この人は、いつも足をひっぱる。疫病神だ。

まあ、結果はどうであれ、自民党内からも、なぜ会期を来月14日まで引きのばせなかったのかという不満が執行部に対し噴出しているようなので、自民党の執行部も今後の対応が難しくなった。強気に出るしかないので「3党協議」の進展にも影響がでるだろう。
無理してまで3党が協調する必要があるのか?その点について、もう一度、民主党は党内の意見をまとめる必要がありそうな気がする。

できれば、予算審議には時間をかけた方がいい。国会の会期も通年国会にした方がいいと私も思っている。

しかし、今の国会運営が正常な姿とは言えないところに大きな問題があり、正常な形に戻すところからはじめないと、ますます政治が混迷することになる。
いつも書いているように「3党合意」と「3党による政策協議」を元にした民主、自民、公明の3党による排他的な国会運営や3党間の中でも特に公明党の意向が強く反映される政治のあり方が本来の姿なのかをよく検証してみる必要がある。

国会運営にしても法案に関しても、自民党は公明党の顔色を伺い公明党の言うがままである。そして民主党は公明党の要望を、ほぼ丸呑みにするという現状の政治状況が果たして正常といえるのだろうか。
多少強引でも与党として主導権を発揮できる政治状況に戻すことが必要ではないのか。
岡田執行部の末期は、「自民・公明党が与党」で「民主党が野党」ではないかと思われるほどでテレビで会談を見ていても、自民・公明の幹部が与党のように振る舞い、民主党の幹部はペコペコ頭を下げ叱られる有様であった。

前執行部は「国会でスムーズに法案を通す」ことが目的化し、その為なし崩し的に法案を修正し丸呑みし、挙句の果てマニュフェストまで放棄しかかった。

これらは議会制民主主義や政党政治を否定するに等しいことであり、民主党を支持し投票した有権者の意思を無視することに等しい。

少なくとも、与野党が対等の立場で、自分たちの政策を実現するために論議を戦わせる。
少数意見も聞き入れる。
大人の国会」を見せてもらいたいものだ。

昔の自民党は派閥が政策を練りこむ機能を持っていた。良くも悪くも自民党の政治家は派閥をとおして政策を勉強し理解していった。
今の民主党のグループにかけている部分がこの部分ではないのだろうか。
だから小沢さんはグループを1本化し政策勉強会という形でグループの議員の理解力と政策立案能力を高めようとしているのではないのだろうか。

2011年9月16日金曜日

「4日国会」の謎を解く-その2・・・野党の反発も会期延長も想定内

昨日の続きになりますが、今日も妄想を語ります。

まず「4日国会」に対し野党が反発することは、誰の目からも明らかです。それにより会期を延長せざるを得なくなることも容易に想像できます。
では、何故あえて反発が起きることを提示したのでしょう。
それは、国会での主導権を取り戻すためだと考えられます。
おそらく輿石幹事長が表に出て野党と交渉するでしょう
おそらく野党は与党の提示した会期延長幅を了承するでしょう。
それにより国会での主導権は民主党に移ったことが明らかになるでしょう。
野党の要求による会期延長なので、その国会審議の中で野党が法案の審議以外の任命責任や発言問題ばかりを取り上げれば、国民からの批判は野党に向けられるでしょう。
審議の遅れを野党の責任に転化しやすくなるでしょう。

これにより与党内での輿石幹事長の求心力は高まります。
「3党の政調会長による与野党政策協議による協調路線」は輿石幹事長主導の自民党との対決路線に変わっていくことでしょう。
「3党合意」も、うやむやになるでしょう。

しかし「4日国会(閉会中の審議を提案しているので厳密には4日とは言いがたいが)」の提案には、それなりの理由もあります。
①復興債の償還財源の問題で政府、民主党内で意見がまとまっていない。意見が固まっていない段階で国会が開催されれば、安住財務大臣と野田首相は矢面に立たされることになる。官邸側としては、これを、できるだけ避けたいという思惑があったことは間違いない。
②三次補正予算に追加の経済対策等を盛り込む必要性が高まり、予算の総額が確定しにくい状況にあった。税外収入などの確定にも時間がかかっている。
③  三次補正予算及び、その財源の裏づけなる「復興増税」などの内容は「3党の政調会長による与野党政策協議」で簡単に決められるようなものではない。当然3党以外の野党からも猛烈な批判が起こることは目に見えている。これは民主党にとって得策ではない。
もちろん「増税」に関しては民主党内に限らず自民党や他の野党内でも反対意見は多い。 民主党内を説得する時間が必要であった。

以上のようなことから、できるだけ開会を先に延ばし会期を短くしたいという思惑があったことも事実であろう。

そもそも、「世界同時金融危機や世界同時恐慌の危機にある状況の中で、はたして増税すべきか」という意見は識者の間にも広がっている。
「増税などしている場合か」という意見のほうが、むしろ大勢のように感じるのは私だけであろうか。

なんとしても増税への道筋をつけたい財務省と自分たちの政権では増税をしたくないので民主党政権に増税への道筋をつけさせたい自民党はそれでも増税を叫ぶだろうが・・・。

むしろこういう時期だからこそ積極財政政策を採るべきだという意見も根強くある。

「世界同時金融危機」や「世界同時恐慌」がおきたらリーマンショックの比ではない。
両方の危機が一度に訪れた場合に国民の生活がどれほど悲惨な状況に陥るのかを政治家や官僚そして国民も、そろそろ頭の中でシュミレーションすべき時期に来ているのかもしれない。
過去の解決策が通用しない時代に突入している。

2011年9月15日木曜日

「4日国会」の謎を解く・・・『3党合意』を反故にする作戦?

自民党はかなり怒っているようだ。

「たったの4日国会」を採決で強行する。全野党が激高しており、前政権で細々と続いた与野党政策協議の協調路線は脆くも崩れた。この臆面もなき「逃げどじょう」の政治を敢えて野田が選択したのはなぜか。よほどの事情がなければ与野党関係を犠牲にしてまで短期国会にこだわるはずがない。それは予算委員会の質疑を通じて出てくる“弱み”があって、時間稼ぎをしているとしか思えない。

という見方が大勢を占めているが、私の見方は違う。
ではなぜ、民主党執行部が急に強気の姿勢に転換したのか。今までの自民・公明の言いなりだった旧執行部の対応から180度転換したと言ってもいい強気の姿勢の源泉はどこにあるのか。
明らかに自民党や公明党を意識的に怒らせ「与野党政策協議の協調路線」や「3党合意」を潰そうとしているとしか考えられない。これに野田総理がどれだけ関与しているかわからないが、おそらく党執行部の独自の判断だろう。

というか、これも小沢さんの戦略の一環だろう。
そもそも、今の「3党による与野党政策協議」自体に大きな問題がある。3党の政調会長が合意すれば、実質その段階で法案が成立したことになってしまう。国会での質疑が形骸化し本来の三権分立の趣旨に反する。また同時に他の野党の意見を取り入れる機会を奪うことにも繋がる。

もう一点が「3党合意」である。これは自民、公明両党が民主党のマニュフェストの実質的な変更を求めたものである。そもそも他の党のマニュフェストの変更にまで口を出すこと自体が余分なお世話であり、且つ政党政治を否定するものであるにもかかわらず前執行部が謝罪までして合意してしまった。この「3党合意」がスムーズな国会運営や党運営の大きな足かせになっている。
民主党が政権交代の原点に立ち返り、挙党態勢で選挙を戦うためには、民主党のアイデンティティーともいえる09年マニュフェストを取り戻す必要がある。

そもそも自民党の谷垣総裁は三次補正予算の成立に協力すると明言しており、被災地の現状からも反対はできないだろう。その他についてはケースバイケースといっているわけで、何も「3党による与野党協議」にこだわる必要もない。ということは「3党合意」にこだわる必要も無くなるわけである。
逆にそうなれば、他の野党(社民党、みんなの党、共産党など)との協議が進めやすくなる。
社民党を巻き込めば、衆議院での3分の2再議決も可能になる。
参議院も自民党から数人離党者が出れば過半数を確保できる可能性が出てくる。
というか自民党参議院自体が分裂状態・・・(苦笑)
「3党による与野党政策協議」を無くすということは前原、仙谷氏の役割と存在意義が・・・・(爆笑)

「3党合意」はあくまで公党間の約束であり首相も守るといっている手前、民主党側からは一方的に破棄しにくい事情がある。
自民党や公明党を煽って怒らせ、先方から破棄させるように仕向けるという戦法に出たのではないか。そうでないとしても、自民党、公明党に岡田、玄葉、安住体制時代のようには簡単に行かないことを認識させるだけでも大きな効果がある。

首相の所信表明演説での自民党議員からの猛烈なヤジは、自民党の危機感の表れとも受け取れる。(またもや小沢さんの影に怯えはじめている。)
自民党と他の野党とを分断すれば、自民党は孤立化し弱気な姿勢にならざるをえない。
もし、そこまで読んだ上での民主党執行部の強気な対応だとしたら、たいしたものだ。
まあ、そこまで読みきり実行できる議員は民主党には一人しかいないので、今後の進展をみれば小沢さんがどこまで国会運営に係わっているかがわかるだろう。

「3党合意」の足かせさえ外れれば、国会はスムーズに動き出すだろう。法案の審議もスピードアップするはずだ。
そもそも与野党協調ができるのなら、とっくの昔にできていなければおかしい。できない最大の理由は最大野党である自民党が民主党同様、党内を纏めきれないからである。そもそも与野党が国会で意見を闘わせるのが正常な政治の姿であり、変に協調することには違和感を感じる。

今までの民主党執行部が、余りに弱腰であったことが政治の停滞を招いた最大の原因である。
「参議院のねじれ現象」は執行部の言い訳の材料でしかない。
自民党を除く他の野党が民主党に対し協力姿勢を示せば、自民党も無理な国会対応はできなくなる。

焦っているのは自民党である。

小沢さんが出てこない政治は面白くない!・・・売れない芸人ばかりを集めたバラエティー番組を見ているようだ。

小沢さんが出てこない政治は、少しも面白くない。面白いという表現は不適切かもしれないが、それが実感だ。
緊張感もなく財務省傀儡の「増税、財政再建一直線」の野田内閣を見ていると、なぜ小沢さんが海江田氏の支持に廻ったのかがわかるような気がする。野田首相を見ていると「増税」以外に何がやりたいのか、さっぱり見えてこない。自ら「どじょう内閣」とよんでいるようだが、本当に泥を被る覚悟があるのだ(野田)ろうか?

小沢さんは少なくとも経済・金融政策では海江田氏の方がいいと感じたのだろう。もちろん野田氏の後ろに財務省の影を感じたことも大きな要因だと思う。
震災復興、原発事故処理が重要であることはもちろんだが、かってないほど経済・金融政策が重要な局面を迎えていることも事実である。

今の内閣や国会での質疑を見ていると、売れない吉本の芸人ばかりを集めたバラエティー番組を見ているようだ。たまに実力派の若手も出てくるが、今のバラエティー番組は馬鹿になれなければ使ってもらえないのが現状だ。

震災復興、原発事故、円高対応など、どれもスピード感が求められる課題が山積しているにもかかわらず、この政治のスピード感の無さには呆れて物も言えない。
その原因がどこにあるのかと問われれば、岡田、玄葉、安住氏らが主導した「三党合意」にあると答えざるをえない。
三党合意に縛られ、自民、公明に振り回されているというのが実情であろう。
三党合意を白紙にしていれば今の国会は大きく違った展開になっていたのではないだろうか。

一方、民主党の党運営においては小沢さんの影響力が間違いなく大きくなっている。
小沢さんの側近中の側近である樋高剛衆議院議員が統括副幹事長となり選挙、陳情を担当することになった。党の選挙対策委員長には高木前文部科学大臣が就任したが、この人が選挙を仕切れると思っている議員は殆どいないだろう。実質、  樋高氏が中心(=小沢さんが中心)となり指揮をとることになるだろう。その他の役職も一見バランスが取れているように見えるがポイントとなる役職には小沢系の議員を配置している。
(次期衆議院選挙に出馬予定の自民党議員の懐具合まで調べ上げている小沢さんが相手では、自民党も必死にならざるを得ないだろう。党の米櫃の米(金)が少なくなっているから余計に必死?早く解散して欲しいョー・・・自民党の立候補予定者の声)

余談だが、ヨーロッパの財政金融危機は「他山の石 」ではない。日本においても地方自治体において同様なことが起きようとしている。
市町村合併で財政力の強い自治体と弱い自治体が合併した地方自治体では、景気後退や高齢化の進展などによる財政悪化が懸念され始めている。自治体全体が大きくなったことで事務効率化や職員の削減などの合併効果も現れているが、その反面、もともと財政力が弱い自治体を抱かえたことによるデメリットが表面化しつつある。これを今のユーロ諸国に当てはめればわかりやすい。
財政力が強い自治体がドイツで弱い自治体がギリシャ、スペイン、イタリアなどに当てはめることができる。ユーロ全体を合併した自治体とみれば、その中に財政危機に瀕した旧合併市町村(ギリシャ、スペイン、イタリア)があり、その地域に対する財政負担が増加することで合併した市町村全体の財政悪化を招いているということである。当然、財政力の強い旧自治体(ドイツ)の負担は増し、同時にその地域のサービスの低下を招くことにもつながる。
今、ドイツ国内では大きく二つの議論に分かれている。ギリシャを切り離し(合併市町村から切り離す)破綻処理させる(財政再建団体として分離させる)のか、ユーロ諸国全体(合併市町村全体)で支援していく(負担を分かち合う)のかが議論されている。

私が、極論として国債をドンドン発行しろといっている理由を地方自治体を例にとって説明すると地方自治体の財政力が悪化すれば地方債の発行が難しくなるからである。
発行できるうちに発行し、その資金を箱物建設に使うのではなく事務やサービスの効率化、簡素化、人員削減(早期退職)や広域連合の推進、民間企業への事業委託などを進める費用に投入し、それとともに域内の財政力の弱い地域の活性化支援につぎ込むことで将来の財政悪化に対する不安を少しでも取り除くことができるからだ。お金が集められなくなったら何もできなくなる。財政が悪化すれば真っ先に住民サービスが削減の対象となる。財政危機に追い込まれる前に対処することがもっとも重要である。

経済の活性化であげられる重要な要素の一つが、人々がメンタル面で前向きになれるかどうかということである。
「増税」「増税」「増税」・・・では、とても明日に希望が持ちにくいのだが・・・。

2011年9月14日水曜日

野田政権の問題点・・・前政権の反省はどこに?

諸外国の場合、新しく政権を樹立する場合、直近の政権の責任を明確にした上で人事や政策の見直しを行うのが常識だ。
しかし野田政権の場合、それが感じられない。
最低でも菅政権における政権運営と震災対応、原発事故対応に対する責任を明確にする必要があった。
当然のことながら代表選の最大の焦点も、そこにあったはずだが殆どスルーされてしまった。
菅首相をはじめ、政権の閣僚を務めたメンバーは当然、その責任を共有しなければならない。
党運営で言えば、参議院選挙での敗戦、各種地方選挙での連戦連敗の責任。稚拙な国会運営と党運営における数々の失敗の責任。これらの責任を明確にしなければならなかったはずだ。

これらの責任を明確にし当事者が責任を取ることにより、はじめて組織は成り立つ。
『信賞必罰』こそが、組織運営の重要なポイントでなければならない。
ところが、民主党という政党は不思議な政党でこの政党の辞書には『責任』とか『反省』という言葉が載っていないようだ。

前政権で、内閣の要の役職である官房長官を務めた枝野クンが、よりにもよって「経済産業大臣」に1ヶ月もたたないうちに返り咲いた。
要請するほうもアホだが、受けるほうもアホだ。
原発事故初期において常に楽観的な発言を続け責任逃れの「直ちに・・・・」発言を連発し、多くの国民を無駄に放射能被爆させた責任はどこに行ってしまったのでしょうネ・・・枝野クン。

そもそも、野田首相自身が財務副大臣、財務大臣として円高対策や景気対策などで無為無策であったことを反省してもらわなくてはいけない。

菅、仙谷、前原、枝野、岡田、福山、玄葉、安住、小宮山氏らは鳩山政権では「面従背反」し菅政権では、「小沢排除」にばかり注力し党運営や政権運営の足を引っ張ってきた。
その結果、党内は2極分化し支持率は最低ラインまで低下し政権運営はつまずき、震災復興は遅れ原発事故対応も二転三転し、今なお進行中だ。
彼らは反省し責任を取って暫くは静かにしているのが筋というものだ。

話は変わるが、ヨーロッパが大変な状況になりつつある。
ギリシャの扱いについてはエコノミストの間でも大きく2つに意見がわかれている。
ギリシャやイタリア、スペインのみならずフランスも怪しくなってきている。
イギリスも傍観の立場をとっているが国内は危機的状況にある。
世界経済が収縮し始めている。
ユーロ諸国が財政危機から「歳出削減」を強いられている状況下では政府による景気対策が期待できないわけで、民間の力に頼らざるを得ないわけだが、失業率の増加や貧困層の増加に見られるように民間の活力も低下している状況だ。

前にも、このブログで書いたように、こういう状況下では「保護主義」が台頭してくるのが過去の歴史である。
実際にTPPなどの自由貿易協定の動きとは正反対の関税率アップの動きが一部の新興国などで見られはじめている。
現在は、ドル安だがユーロ安が進みドル高傾向が強まり同時に円安も進んだ場合には、アメリカの政策が大きく変わる可能性が高い。
たとえば円が1ドル120円前後まで円安になれば、単純計算でアメリカに対する輸出額は円換算で1.6倍になる。(黙っていても輸出による営業利益が輸出額の60%も増える。)
逆にアメリカ側から見た場合、今まで100ドルで輸入していたものが65ドルで輸入できることになる。且つTPPで関税がゼロになれば60ドルを切る価格で輸入されることになる。
こうなると、日本本国及び中国経由等での日本製品の輸入が急増するばかりでなく、ユーロ安によりヨーロッパからの輸入も急増することになる。
アメリカの製造業は壊滅的な影響を受けることになり、且つ貿易収支の赤字が大幅に増加することになる。
そうなれば、日本の製造業は息を吹き返し好況になり税収が増え、デフレからも脱却できるだろう。

逆な見方をすれば、今のアメリカはドル安政策を続け輸出を増やすことで国内の製造業を守り、輸入の増加を抑えることで国内産業を守っていると見るべきだろう。ドル安に支えられた脆い基盤の上で国内景気の維持政策を続けているということである。(これも一種の保護主義政策)
だから、日本の円高は放置し協調介入にも協力しない。それはアメリカばかりでなくヨーロッパにおいても同様なことが言える。(実際にリーマンショック以降、円はユーロに対しドル以上に高くなっている。)
ユーロに対し円安が進めば、ヨーロッパ市場への日本製品の輸出は伸びる。 そうなれば、日本の製造業は息を吹き返し好況になり税収が増え、デフレからも脱却できるだろう。

たとえばの話をしたが、実際にユーロ安が続き、同時に円安も進み1ドルが100円を越すレベルまで円安が進んだ場合、アメリカ国内から保護主義的な政策を求める声が上がらないとは言い切れない。

このように、為替相場は、その国の経済政策に大きな影響を与える。
上記の例には中国などの新興国の通貨との関係は考慮していないが、少なくとも中国の元は上がることはあっても下がることはないだろう。(元と円の関係では円安傾向に向かうと考えられる。)

では、円安に誘導するためには、どうしたらいいのか?
アメリカの言うことを聞かないことである。アメリカの言う逆のことをやればいい。
「増税」「財政再建」「緊縮財政」「財政規律の厳守」「TPP推進」などアメリカが日本に求めている金融財政・経済政策と逆のことをやればいい。
円安にするということは円の価値を下げるということである。
国債を発行し、減税し、国内の景気対策や産業振興政策をバンバン実施し、通貨の供給量を大幅に増やし、国の借金をもっと増やすことである。
要するに円への信任を下げ通貨の供給量を大幅に増やしてやればいい。
国債は殆ど国内で消化できるし、円安で輸出が増えれば景気がよくなり税収も増える。円安で輸入品の価格が上昇し、国産品の価格競争力は上がり、国内産業も息を吹き返す。国民の所得も増え、税収も増える。

今述べたことは極論と言われてもしょうがない部分もあるが、実は日本の財政再建への一番の近道は『円安誘導政策』ではないかという提案である。
そしてこれは先ほども述べたように、一種の国内産業の保護政策でもあり、FTA、EPA、TPPなどの産業通商条約を進める場合において、もっともメリットを享受できる政策でもある。
いくら関税がゼロになっても円高になれば、輸出における日本のメリットは何もなく、逆に輸入品は円高と関税撤廃で急激に増加し、国内産業は壊滅的な影響を受ける可能性がある。

2011年9月13日火曜日

それにつけても程度の低さよ!・・・学級会政治は辞めて欲しい!

「それにつけても、おやつはカール」
ではないが、それにつけても政治のお粗末さには、あきれて物も言いたくない心境だ。
見なくて済むようなって喜んでいたら、またもや枝野氏が出てきた。
この御仁、いつも最初は威勢がいい。昨日の会見でも経済産業省の改革に意欲を見せていたようだが、数週間もすれば尻きれトンボでマスコミへの露出も減るだろう。毎度のパターンだ。
そもそも、枝野氏の口から、まともな経済政策など聴いたこともない。明らかに経済オンチであることは間違いない。
松下政経塾の出身者は、なぜか経済オンチが多い。おそらく実社会での経験が少ないことに加え知識優先で庶民の声を素直に聞く耳を持たないことから現実の経済の動きを理解できないのだろう。
そもそも、枝野氏は原発事故の初期対応において問題発言も含め責任を問われる立場にあるはずだ。 経済産業大臣を引き受けること自体が問題ではないのか。

「復興増税」や「財政再建」、「財政規律の厳守」など理屈では何とでもいえるが現実にはグローバル経済の中で、自国だけで解決できない問題も多く、理屈どおりにいくことのほうが稀である。
為替相場、株式相場なども、海外の市場と連動している。
例としてヨーロッパの現状を見れば、よくわかる。ヨーロッパはギリシャ危機以後、各国が大きく「財政再建路線」に舵を切った。
イギリスなどでは、歳出カットに加え消費税の増税にも踏み切っている。
ところが、今、どうなっているだろう。
財政再建どころか金融不安はますます深まり、ユーロに対する信任さえも揺らぎはじめている。
景気は後退し、失業率は増加し、緊縮財政に伴う歳出削減に対する不満から各地でデモが発生し暴動まで起きている。
これらを見れば、「増税」や「財政規律の厳守」それに伴う緊縮財政政策が理屈では正解だとしても、現実に各国で起きていることは、金融不安であり、政情不安であり、世界同時金融不安と世界同時恐慌への不安である。それは先進国ばかりでなく新興諸国にも飛び火している。

日本の財政当局は世界の動きに対応できていない。それどころか国内しか見ない内向きの財政論議に終始している。これでは、世界中から相手にされなくなるのも当たり前である。

今や「日本の財政再建問題」などG7でも誰も口にしない。自国を守ることで精一杯であることに加え、日本の「財政危機」が数字ほど深刻でないことを各国の財務関係者は理解しているからだ。
また、それが世界に大きな影響を与えるとは考えていないことも表している。

安住財務大臣がG7に出席したそうだが、存在感がないばかりか、発言に対しても殆どスルーされていたそうだ。要は相手にする価値がないとみなされていたということである。
「僕ちゃん(安住氏)どこから来たの?日本?誰の息子さん?」てな感じで、誰も財務大臣などとは思わなかったに違いない。

日本国内では、鉢呂吉雄経産相が「死の町」発言と「放射能すりつけてやる」発言で辞任した。
「放射能すりつけてやる発言」がイジメにつながるとかマスコミが言っているそうだが、いじめているのはマスコミのほうだろう。
鉢呂学級委員長がクラスのいじめっ子(マスコミ、野党、党内の前原氏など)から発言に対して揚げ足を取られイジメられているようにしか部外者からは見えない。

今後、これらの問題で国会が空転するのかと思うと嫌になってくる。
政治が劣化し政治家のレベルも低下し、学級委員会レベルの「素人の政治家による政党と政治家と官僚とアメリカが第一の政治」を見させられる庶民は、たまったものではない。
もちろん、マスコミの劣化と学級新聞レベル(小学生には失礼だが)の記事しか書けない記者のレベル低下は言うまでもない。

2011年9月9日金曜日

原発は廃止できる!・・・冷静に考えれば結論は一つだろう。

この夏の電力需要状況や余剰電力、埋蔵電力や休眠発電所の発電量等の数値を見ている限りにおいては、原発全廃止は十分可能だと思われる。
原発とそれに伴う電力不足の問題は、夏場ピーク時や冬季の数日の不足をどう補うかという問題に集約されると考える。
要は、その時期をのり切る方法を考えれば原発は全廃止が可能だろう。
熱効率の高いLNGや石炭火力発電所の建設技術において日本は最先端を走っている。
とりあえず、これらで補いながら自然エネルギーの比率を高めていくのが、妥当な方法だろう。
夏場は、サマータイム制の導入や、冷房などの電化製品の最新型への買い替えなどの節電・省エネ対策でかなりの電力を抑えることができることもわかってきた。
原発を止めると電気料金が高くなるという話も現実味が薄くなりつつある。
そもそも、今までの日本の電気料金が高すぎることが問題であり、広告宣伝費や人件費など削減する経費は山ほどあるはずである。これらを削減すればコストアップを十分吸収できるはずだ。(電力会社は経費を現状維持したままの条件で料金を計算している。)

今の東北や関東地方の一部の汚染状況や海外の日本に対する反応を見て、原発推進を唱えられる人は異常な精神の持ち主と言わざるを得ない。
原発事故から半年が過ぎようとしているのに、まだ半減期の短いヨウ素が原発から、かなり離れた地域から検出されている。
このことは、今尚かなりの量の放射性物質が原発から放出されていることを現している。

食品の問題に関して言えば、「生産させない」ということが一番重要なのだが、政府や地方自治体の対応が当初から間違った方向で行われている。
生産品に対する補償ではなく、耕作面積に対する補償にしていれば、生産者は農作物を作らなくてもよく、またそのことで消費者の不安を取り除くこともできたはずだ。なまじっか生産させたために問題を大きくし余分な補償や手間をかけることになってしまった。
また、そのことが除染作業を遅らせる原因にもなっている。

除染に関しても問題は多い。汚染地域における山林面積の比率は非常に高い。山林の除染はおそらく無理だろう。
これからも山林に降り注いだ放射性物質が、風や雨で川などに流れ出し下流に流れていく。
それらは、農業用水などを経由し再度、農地に堆積する可能性が高い。
流れ出した放射性物質が凝縮し放射能汚染濃度の高い地域を新たに形成する可能性も考えられる。

原発はすぐに止めるべきだと思うが現実的には、そう簡単に行かない部分があることも理解している。
長くても5年を目処に、できれば少しでも早く原発全廃を目指すべきだ。
廃止までの年数を明確に示すとともに、それまでの工程表を作成し、新たなエネルギー政策を国民に提示すことが政府に求められている。

福島第一原発に関して言えば、どんな方法でもいいから、原子炉内でメルトダウンした核融合物がどこにあり、どのような状態なのかを把握することに全力を注ぐことにつきる。
それができない限り、適切で効率的な事故対応ができないのではないかと思うのは私だけであろうか。

2011年9月7日水曜日

野田首相は自民党の首相?・・・野田政権:政策決定、政府・民主三役会議も承認 党政調の上部に新設

野田首相のやろうとしていることを見ていると自民党の首相ではないか思ってしまう。
そもそも、今回の政策決定プロセスの変更だけを取り上げてみても完全なマニュフェスト違反だ。
おまけに事務次官会議の定例化など自民党時代に先祖帰りしたかと思われるほどだ。

ここまで露骨に官僚依存を打ち出すとは思っていなかったが、裏返せばそれほど政権運営に自信がないないことの裏返しとも捉えられる。
財務省やオール霞ヶ関をバックに政権運営を進めれば、確かに政策の実行スピードは速くなるかもしれない。政権も安定するかもしれない。
しかし、それでは自民党時代に戻るだけの話で根本的な改革にはならない。
財務省や霞ヶ関がなぜ増税を焦っているかといえば、「公務員給料の削減」を先送りにしたいことが第一にあるからだ。
今のままでいけば、税収は増えず、遅かれ早かれ「公務員給料の削減」は避けられない状況だ。それも5%というような下げ幅ではなく二桁の削減は避けられない。
なんとしても増税で税収を増やし、「自分達の給料レベル」は堅持したいというのが彼らの思いだ。

今の世界経済をみれば、世界同時恐慌がおきてもおかしくない状況だ。
それが起こる前に増税の道筋を確実にしておかないと、恐慌が起きれば増税どころの話ではなくなる。その前になんとしても増税を決めたい。官僚の考えることとはこんなものだ。

政権を獲る前に民主党は何と言っていたのか?
各大臣や副大臣、政務官だけでは政務に対応しきれない。そのために、どうしても官僚に依存しすぎてしまう。政府に党の役員も含め100人を送り込む。
と言っていなかったか?
政府に100人送り込み、党務に関わる議員を差し引きすると党に残る人間はすくなくなる。
「内閣への政策決定の一元化」は政府に100人送り込むことも前提に考えられたシステムであったはずだ。
前回の衆議院選挙で勝ちすぎたことも多少は影響している。
議員になりたいだけのどうでもいい議員までが当選してしまい、またそういう議員に限って、偉そうに「政策決定に関わらせろ」と喚いたことも混乱を招いた大きな要因だ。

「財政規律を守る」とか「財政健全化」などと藤井前財務大臣などをはじめとする財務省御用達の議員が大声で叫ぶが、そもそも現在の財政状況を招いた責任の多くは政治家だけにあるのではなく「省益に走り、天下り先確保に走った」霞ヶ関の官僚機構にもある。
彼らの口から「反省」という言葉を聞いたことがない。

それらを打破し、新しい政治システムを確立しようとしたのが民主党ではなかったのか?
多くの国民の期待もそこにあったのではないか?
期待を裏切った政党は、今、支持率が高くとも、いずれ見放されることは目に見えている。
国民に約束したこともを地道に守ろうと努力する姿こそが政治に対する信頼を取り戻す唯一の道ではないのか?

久しぶりに一句
「官僚に 反省という 文字はない」

2011年9月6日火曜日

財務省は小沢一郎と、どう折り合いをつけるのか?・・・小沢さんの首相だけは防止したい。

今回の台風による被害は思いのほか大きい。
被災地の皆様にお見舞い申し上げます。
私も中学生の時、住んでいた地域が今回のような集中豪雨に襲われたことがある。殆どの橋は流され、道路は分断され、あちらこちらで土砂崩れが発生した。テレビでみる映像を実感できる。

さて、民主党の党内人事や閣僚人事が決まったようだ。
党内人事には輿石幹事長の意向がかなり反映されているようだ。
この輿石という爺様は、食えない爺様だ。バランス感覚に富んだ人事だが、その中に「わさび」を少し入れるあたりは只者ではない。

岡田幹事長を「一丁上がりポスト」である最高顧問に祭り上げ、仙谷氏を新設の政調会長代行に押し込めた。
官房機密費の恩恵に与かった政治部記者や政治評論家は、このポストについたことで、あたかも仙谷氏が党内の政策を牛耳るようなニュアンスの発言をしているが、これは間違いだ。
仙谷氏がまたぞろ裏で蠢くのを防止するため、わざわざ役職を新設までして押し込めたと見るほうが自然である。政調会長代理に小沢さんに近い三井氏、桜井氏が就いたことからも、そのことが推察できる。

仙谷氏を高く評価するマスコミ記者や政治評論家がいるが、冷静に見て欲しい。管政権発足以後、政権はどんな実績を挙げたのか。多分、多くの人が「浜岡原発の停止」と「脱原発発言」ぐらいしか思いつかないと思う。菅首相の参謀役として官房長官、副官房長官を務めた仙谷氏の実力も菅首相とそんなに変わらない程度だということである。
本当に実力があったなら、政治がもっと前に進んでいたはずである。震災復興対策や原発事故対応も今より進んでいたはずである。諸外国との関係も、こんなに悪化しなかったはずである。野党との関係もこれだけ、こじれることはなかったはずだ。何より、もっと早く菅首相を退陣させることができたはずだ。この程度の実力だということである。
結果として菅首相退陣の引き金を引いたのも小沢さんである。内閣不信任案可決で追い詰めた。(鳩山さんが余分なことをしたため、おかしくなった部分があるが・・・)

野田首相の後ろに財務省がいることは間違いない。かなり本気で野田政権を長期政権にしようと目論んでいる。
財務省の最悪シナリオは「小沢首相」である。小沢さんには何をするかわからない怖さがあり、官僚は、それを恐れている。
小沢政権を阻止するためには、自分達に都合のいい野田首相を少しでも長く首相の座に就けておく必要がある。

今後の政治の動きの中で注視すべき点は、財務省が政策面で、どう小沢さんと折り合いをつけようとするのかであろう。
おそらく、財務省は小沢さんに対するアプローチを強めるはずだ。

「官僚と戦う姿勢」をなくしたら民主党ではなくなる。与党になった途端に官僚に懐柔され「戦う姿勢」をなくしてしまうようでは、民主党の存在意義が問われる。
無理に与党らしく振舞おうとするから、本来の良さが失われるのである。
この点をもう一度、民主党は振り返る必要がある。

自民党にも上記のことは当てはまる。
与党の意識を残したままで無理に野党らしく振舞おうとしている。
ネチネチと民主党のマニュフェストを財源だけを問題に批判し続けていても支持率はあがらない。
民主党のマニュフェストを超える斬新で夢が持てるような政策を打ち出してごらん。
それが、できないのなら「官僚と戦う姿勢」を見せてごらん。
国民は自民党に目新しさと期待する政策が見当たらないから支持しないのである。(古いイメージから脱却できていない。)
人の批判をする前に、自分達の実力を再評価してみては・・・。

2011年9月5日月曜日

「大臣は軽くてパーがいい」・・・党運営はグループ別、役割分担人事

野田民主党執行部と野田内閣の人事をわかりやすく説明すると
党運営・・・小沢グループ
党の政策調整・・・前原グループ
というように党内での役割分担を明確にさせたところに特徴がある。野田グループという少人数のグループでは、党内をまとめきることは不可能で、且つ党運営や選挙対策の経験者は殆どいない。
その点、小沢グループは小沢さんを筆頭に党運営と選挙のプロが揃っている。
前原グループには、「自称政策通」と呼ばれる人達がそこそこ揃っている。
党内の政策調整を彼らに割り振ったと見るべきだろう。
このように、自らのグループが小さいという弱点を逆手に取った、中々うまいよく考えられた人事である。

では内閣人事はどうだろう。
これはすこぶる単純で
「大臣は軽くてパーがいい」
という人事である。
もっとわかりやすく言えば
「野田首相と官僚の連立内閣」・・・内閣は野田首相と財務省(=官僚)で仕切ります。
ということである。
だから、なまじっか専門知識や経験を持った重量級の大臣は邪魔になるのである。

子供手当てに固執する小宮山厚生労働大臣
TPPに反対の立場の鹿野農林水産大臣
普天間基地移転問題の関連では小沢グループの一川防衛大臣
などの起用は反対の立場での発言を封じこめる狙いがある。

したたかな人事である。
党内の融和を保ちながら官僚との関係も修復することで当面はスムーズに動き出すだろう。

しかし、「増税」と「TPP」は簡単に決められるような問題ではない。
党内ばかりでなく野党内にも反対意見は多い。
また官僚主導が表に出てくれば、野党や国民からも批判が湧き上がるだろう。
そのバランスをどうとるのか?
主要政策の着地点をどこにするのか?

野田新首相の舵取りはそんなに簡単ではない。

首相の実力も未知数である。(これといった実績はない。)
その意味においても、官房長官人事は重要であった。(官房長官の実力も未知数)
コチラも軽量すぎたのではないかという懸念は付きまとう。
彼らの実力が、やがて問われる。


2011年9月3日土曜日

恐るべし野田佳彦・・・ドジョウではなく蛇だった。

党と内閣の人事を見て、空恐ろしくなった。
野田新首相は、前原、仙谷一派(岡田氏、玄葉氏も含む)を潰しにかかったようだ。
彼らを潰すことは、すなわち党内での有力な次期首相候補を潰すことであり小沢さんと良好な関係を築くことができれば、長期政権も夢ではない。
野田氏の言う大連立とは党内最大野党である小沢グループとの大連立を意味していたようだ。

野田新首相は、見た目と違い陰湿で裏切りを根に持つ蛇のような性格の持ち主なのかもしれない。
少し具体的に説明すると今回の組閣・党人事における前原・仙石グループ関係者の役職は
前原氏・・・政調会長(党)
外務=玄葉光一郎 (内閣)
財務=安住淳 (内閣)
厚生労働=小宮山洋子(内閣)
国家戦略・経済財政=古川元久(内閣)
ただこのうち安住氏、玄葉氏に関しては最近では岡田氏に近いと見たほうがいい。
彼らは「増税」や「TPP」に深く関わる立場にいる。

野田内閣の最重要政策は震災対策と原発関係を除けば「増税」と「TPP」である。
党側の窓口は前原氏であり、前原氏は党側の意見を集約し内閣の担当大臣と折衝する立場にある。
前原氏にとって党内で反対意見が多い「増税」と「TPP」を纏めるのは至難の業であり、且つ党内に対していい顔をしたいという性格の持ち主である前原氏は担当大臣と衝突する可能性が高い。
前原政調会長×玄葉・安住・小宮山・古川大臣
という構図が生まれ、同じグループでありながら敵対する可能性さえ考えられる。

野田首相は自分が直接かかわるのではなく、前原・仙谷一派に「増税」や「TPP」に関する党内調整や政府の責任を丸投げし、うまくいけば首相の功績、失敗しても彼らに責任を押し付ければいいという読みがあるのではないだろうか。
失敗すれば、彼らは責任を問われ次期首相候補レースから脱落することになり、岡田氏の党内での影響力も低下する。
もし、ここまで読んで組閣や党人事を行っているとしたらたいしたものだ。裏に絵を画いた人間がいるのかも知れない。

しかし、この二つの問題は野党の中の議員の間でも賛成・反対に分かれており一筋縄ではいかない政策である。

財務省は裏で、与党議員への働きかけを強めるだろう。
増税を推進する為には、野田首相の党内基盤を強めることが重要になる。
支持率アップのために、埋蔵金を吐き出させるかもしれない。
2段、3段構えで『増税一直線』というのが財務省の戦略に違いない。

短命政権が続く理由・・・政権与党内部からの退陣圧力が大きな要因である。

首相がコロコロ変わる原因はどこにあるのか?
昨日のBSテレビの番組で、そのことについて話をしていた。
制度に問題があるのか?日本人が持つ特性や政治文化に原因があるのか?
などなどが理由に挙げられていたが、ここ数年の首相交代を見ている限りにおいては最大の要因は「政権与党内部からの退陣圧力」にあることは間違いない。(マスコミの責任が大きいことは言うまでもないが・・・。)

ここ数年の首相退陣のパターンを簡単にシュミレーションすると
①何か問題が起きる⇒②マスコミが騒ぎ立てる⇒③野党が国会で追及する⇒④世論調査での支持率が落ちる⇒⑤政権与党内で首相に対する批判が湧き上がる⇒⑥党内での権力闘争が激化する⇒⑦野党からの退陣要求⇒⑧党内からの退陣要求⇒⑨退陣
というような流れになる。

野党からの追求や要求に党が一丸となって立ち向かうのではなく、首相に批判的な党内の勢力が野党と一緒になって自党の党首を追い込むというパターンが定着し始めている。
首相が短命の原因は国会のねじれ現象や制度、政治文化などにも多少の要因はあるが、「支持率に振り回される議員の質の低さ」と「党を纏め上げる(押さえ込める)政治力と統率力のある政治家がいなくなったこと」が最大の要因である。
もう一点挙げるとすれば、世界の政治・金融・経済が急激な変化の兆しを見せ始め、個々の議員の間でも個々の政策に対する考え方に大きな違いが出始めたことも党内を纏めることの難しさに拍車をかけている。

今回の代表選前後の政界の動きを見ているとよくわかる。
代表選前は、野党からも与党内からも菅首相の退陣を求める声が主流・非主流派を問わず湧き上がり、菅首相を担ぎ上げた議員達が逆に引き摺り下ろすという異例の事態であった。(党内がバラバラであった。)大連立の話題も活発であった。

ところが代表選が終わり、輿石氏が幹事長に就任したとたんに潮目が大きく変わった。
これにより、与党内に「挙党態勢」が実現するとの希望的観測が広がり、党内の雰囲気が大きく変化した。
変わったのは与党だけではない。
自民党の大島氏や石原幹事長などは焦りがモロに顔にでていた。
公明党も民主党に対するスタンスが変わり始めた。
みんなの党の渡辺代表も大きな攻めどころ(民主党内がバラバラ)を失い、戸惑いを隠せない状態だ。

衆議院で圧倒的多数を持ち参議院でも過半数を割っているとはいえ、それを解決する選択肢は幾通りもある。
政権与党が一枚岩になれば今程度の参議院のねじれなど、そんなに大きな問題ではない。
それは最大野党である自民党にも言えることで、党内がゴチャゴチャしているようでは、政権の奪還は無理だということである。コチラも一枚岩にならなければ与党を倒すことはできない。

もちろん首相の資質が重要な要素であることは間違いないが、党内をまとめ挙げることの重要性はそれ以上に大きい。

2年前に民主党が政権を奪取できた最大の要因は、マニュフェストではない。
寄せ集めの右から左までの思想の人たちを、曲がりなりにも一つにまとめ挙げた小沢さんの力抜きでは政権交代はできなかった。
民主党の議員は、もう一度2年前を思い直して見るといい。

小沢さんは、鳩山さんと菅さんを首相にしてあげるこができた。
2人に対する恩義と約束は果たしたはずだ。

小沢さんには思う存分、好きなように力を発揮してもらいたい。
マスコミや官僚や既得権益と表舞台で戦って欲しい。
小沢さんの政治理念や政策をより多くの人に語りかけて欲しい。

多くの国民はそれを望んでいる。





2011年9月2日金曜日

財務省の紐付き内閣・・・安住くんは「張りぼて大臣」

野田内閣の陣容が決まったようだ。
ネットでは、安住財務大臣の話題で盛り上がっている。
私もこのブログで散々、安住クンを貶してきた経緯もあり一言感想を述べたいと思う。
「論功行賞人事」の一言に尽きる。
今回、財務大臣は誰でもよかったのである。かえって実力のある議員が就任することは財務省にとって都合が悪いのである。
党内人事や内閣人事にばかり目を奪われがちだが、野田政権が財務省の「紐付き政権」であることに間違いはない。
野田総理と財務省で仕切るつもりだろう。
可愛そうに安住クンはお飾りの張りぼて大臣にすぎない。

しかし、一歩間違うと安住クンの鼻がドンドン高くなり、異常に張り切って威張り散らしながら暴走しかねない危険性も秘めている。
お得意の勘違いで舞い上がって次期首相を目指すと言いかねない御仁である。
財務省の職員も取り扱いに手を焼くのではないか。

同様に、勘違して舞い上がりそうなのが蓮舫行政刷新相と小宮山洋子厚生労働大臣だ。
政界を代表する『高慢ちき議員』のお二人が内閣の足を引っ張る可能性も大いに考えられる。
両省の部下になる職員が気の毒に思えてならない。

以上の3氏の背中には『取り扱い注意』のシールを貼っておいたほうがよさそうだ。

法務大臣の平岡氏も発言で問題を起こしそうな予感がする。
経済産業大臣の鉢呂氏も発言や原発対応で野党に追い詰められそうな予感がする。

菅政権で貧乏くじを引かされたのが環境・原発大臣の細野氏である。原発担当から一日でも早く離れたいという様子がアリアリなのだが、他にやり手がいないので暫くは離れることができないだろう。

ある意味、非常に評価しにくい内閣のメンバー構成である。
野田新首相が、財務大臣当時のような「優柔不断」とのイメージを持たれ始めたら内閣の求心力は一気に低下するだろう。

暫くはお手並み拝見である。

2011年9月1日木曜日

「モーニング娘」の中に「天童よしみ」が入ってきたようなものだby野田佳彦・・・あなたも容姿では人のことを言えないのでは・・・。

昨日の新聞の中に、面白い譬えがあったので紹介する。
民主党と自由党が合併した時に野田新首相が小沢さんを評して
「モーニング娘の中に天童よしみが入ってきたようなものだ。」と発言したそうだ。

この言葉には、概ね3つぐらいの解釈の仕方がある。
①若いピチピチの歌手(議員)の中に不細工なオジサン歌手(小沢さん)が入ってきた。(容姿での譬え・・・天童さんごめんなさい。私、天童さんのファンです。)
②モーニング娘(ポップス、若い年齢層支持)と天童よしみ(演歌、どちらかというと高い年齢層支持)に譬え、政治文化と支持層の違いが大きい政治家が入ってきたことを表そうとした。
③素人に近い実力より人気優先の歌手(政治家)の中に実力派の歌唱力のある歌手(政治力のある議員)が入ってきた。

おそらく野田議員は、合併に反対の立場に近く②の解釈に近いことを表現したかったのではないかと思う。
しかし、現在の民主党を見ていると③の解釈が正解だったのではないかと思われてならない。

昨日のブログの中で誤解を与えるかもしれない点があったので、もう少し詳しく解説しようと思う。
今回の代表選で小沢さんが最大の目的としたのが幹事長ポストの奪還であると書いた。
金と人事権を持つ幹事長の党内における影響力は、思った以上に大きいものがある。
小沢さんはこのポストを仙谷一派から奪還することを第一の目的としたのである。
それは小沢さんの影響力を保持するという意味あいもあるが、自分を支持してくれる議員達を守りたいという気持ちが強かったことも要因の一つに上げられると思う。

輿石氏が幹事長になっても小沢さんが直接、党の金や人事権、公認権を勝手に行使できるわけではない。しかし、幹事長ポストを仙谷一派に握られたままでは小沢さんは身動きができない。
自分が動きやすい状況を作り出し、自分を支持してくれる議員達を守り、党内での影響力を保持することが今回の代表選で小沢さんが目指したものである。
仙谷一派に好き勝手にさせない体制を作ることが挙党態勢を構築する第一歩であると小沢さんは考えているのである。(おそらく、この点では野田氏、輿石氏も認識は同じであると考えられる)

こういう視点から今回の代表選を見てみれば、おのずと誰が勝利したかが見えてくる。
代表選では負けたが仙谷氏との勝負では勝った。

猿回しの猿に使われたのが鹿野氏及び鹿野氏を支持した議員達であり、猿の傍で踊る役目を担ったのが海江田氏と見ると今回の代表選がわかりやすいかもしれない。
挙党態勢を築くためのキーになるのが輿石氏であるとの認識では小沢さんと野田氏の間に共有できる部分があったのだろう。

代表選の後半、野田氏が「大連立」「増税」のトーンを下げ、「行財政改革」などを優先させる立場を表明することで、小沢グループに配慮していることを伝えたかったのであろう。

しかし、これで小沢さんが全面的に野田氏を信用した訳ではない。
仙谷氏の処遇、岡田氏の処遇などを見ながら、是々非々の立場で判断していくだろう。

今回、党人事、閣僚人事に仙谷氏が関わった形跡は殆ど見られない。野田氏の仙谷氏に対する不信感は、かなり大きいものと思われる。
前原氏の求心力も大きく低下した。(=仙谷氏の求心力低下)
政調会長職で前原氏の真価が問われることになろう。政策決定では否が応でも小沢さんの協力が必要になってくる。前原氏の小沢さんに対するスタンスも大きく変わることだろう。

鳩ポッポさんは、小沢さんにくっついていることで初めて政局に関わることができテレビに映ることができる。党内での存在感を多少でも維持することができる。その辺の計算は理工系だけあってさすがである。

党人事、閣僚人事に関し菅グループという言葉は一言も聞かれない。最早、菅グループは忘れられた存在になろうとしている。
政治の世界はシビアである。



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