小沢さんの秘書3人の判決騒ぎの間に、復興増税が決められようとしている。
今回の判決でよくわかったことは、検察や裁判官、マスコミ関係、政治家の人たちは実社会のことや一般的商取引の常識をほとんど理解していないということである。
これは官僚組織全体にも当てはまることで、「当たり前のことが当たり前で通らない」私たちの生活している社会とは異質の社会が、そこにあるようだ。
今回の裁判でもっとも、それを如実に表しているのが、銀行担保に入れた小沢さんからの借入金4億円の扱いだ。
前にも何度か書いているが、これは小沢さん個人の金であり陸山会の金ではない。(よって借入金でも預り金でもない。)
個人の名前で銀行に定期預金をし、これを担保に提供し、陸山会代表の小沢一郎という個人が銀行から4億円の借り入れをした。
一般の会社で銀行借入れをする場合に、個人が提供した担保は会社の帳簿には記載しない。当たり前の話で、銀行に対する担保提供者は個人であり、担保差入書の承諾者欄及び質権設定承諾書の承諾者欄も提供者名でサインする。
この一連の流れを説明すると、小沢さんの4億円を銀行に定期預金として預け入れ担保として差し入れるまでの手続きは小沢さん個人としての手続き作業であり、石川秘書は小沢さん個人の手続きを代行したに過ぎない。よってここまでは、陸山会とは関係のない事項である。石川秘書が個人的に小沢さんのお金を預かったわけであり陸山会として預かったわけではない。(よってこの4億円は借入金ではない。小沢さんの個人資産の移動)
石川氏本人も、検察も弁護士も裁判官もこの4億円を小沢さんからの借入金と思い込んでいるが、小沢さんの所有していた現金が銀行の定期預金に振替わったに過ぎない。
銀行からの借入も陸山会が任意団体であることから陸山会の代表である小沢一郎個人への貸付扱いになっているはずで、よって石川秘書の政治資金収支報告書への「借入金 4億円 小沢一郎」との記載になんらおかしい点はない。
小沢さん所有の現金が定期預金として担保になりそれが元になり銀行からの借入金に振り替わっただけの話である。ただし、政治資金収支報告書に記載されている4億円の借入金は正確には銀行からの借入金を指す。銀行からの借り入れが小沢一郎個人名での借り入れになっている関係上、政治資金収支報告書への記載も個人名での借り入れで、なんら問題は無い。(石川秘書は小沢さんから個人的に預かった現金を借入金として記載したと述べている。)
ちなみに、よく借入れ利息のことも言われるが、定期預金にも金利がつくことも申し述べておく。
これらのことは社会通念として事業を運営している人にとっては当たり前の話である。
今回の裁判で残念に思うことは弁護団に経済・金融に強い弁護士がいなかったことで、2審では是非、この部分を強化してほしいものだ。
さて、前置きが長くなったが、国の歳出削減の第一歩が公務員の人件費削減でなければならないことは言うまでもない。
フランスも緊縮予算をしいられ、歳出削減に取り組んでいるが、まず第一に公務員30500人の削減を盛り込んでいる。当たり前の話である。フランスは歳入増加の為、いくつかの増税案も盛り込んでいるが、増税と公務員の削減、支出の削減はバーターになっている。こうしなければ国民に増税を受け入れさせることは到底困難であり、国民の理解を得ることができないからだ。
翻って日本はどうであろうか?
増税を予算に盛り込んでも公務員の大幅な人員削減や給料削減が予算に盛り込まれるわけではない。
人事院が勧告した一般職の給与引き下げ幅は、月平均給与の0.2%である。(雀の涙より小さい?)
国民をなめているとしか思えない引き下げ幅である。
久しく続くデフレで、公務員の実質給与は上がっているのが現状である。
ここ数年来続く予算削減で公務員の仕事は減っている。一般の企業で言えば売り上げが下がって利益がでなくなれば、当然、人員削減に取り組むのは当たり前の話である。ましてや国の場合、今後、財政事情が急激によくなる目安はなく、継続的な人員及び人件費の削減は当然のことである。
当然、無駄な支出や効率の悪い仕事をしている部局の幹部は責任を取らせるべきである。
予算をたくさん獲得した職員だけが評価され、予算を使わなかった部局が評価されないという歪んだ組織のあり方も含め、組織全体の意識改革と評価のあり方を変えないことには、歳出削減は思ったようには進まないだろう。
個々の政策の良し悪し、予算額の妥当性という問題以前に、人事の任命権を取り戻すことや人事評価のあり方を改善することに取り組むことの方が重要ではないかと思うのは私だけであろうか。
次回からは、財政全体から見た歳出削減について述べてみようと思う。
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