2011年9月3日土曜日

短命政権が続く理由・・・政権与党内部からの退陣圧力が大きな要因である。

首相がコロコロ変わる原因はどこにあるのか?
昨日のBSテレビの番組で、そのことについて話をしていた。
制度に問題があるのか?日本人が持つ特性や政治文化に原因があるのか?
などなどが理由に挙げられていたが、ここ数年の首相交代を見ている限りにおいては最大の要因は「政権与党内部からの退陣圧力」にあることは間違いない。(マスコミの責任が大きいことは言うまでもないが・・・。)

ここ数年の首相退陣のパターンを簡単にシュミレーションすると
①何か問題が起きる⇒②マスコミが騒ぎ立てる⇒③野党が国会で追及する⇒④世論調査での支持率が落ちる⇒⑤政権与党内で首相に対する批判が湧き上がる⇒⑥党内での権力闘争が激化する⇒⑦野党からの退陣要求⇒⑧党内からの退陣要求⇒⑨退陣
というような流れになる。

野党からの追求や要求に党が一丸となって立ち向かうのではなく、首相に批判的な党内の勢力が野党と一緒になって自党の党首を追い込むというパターンが定着し始めている。
首相が短命の原因は国会のねじれ現象や制度、政治文化などにも多少の要因はあるが、「支持率に振り回される議員の質の低さ」と「党を纏め上げる(押さえ込める)政治力と統率力のある政治家がいなくなったこと」が最大の要因である。
もう一点挙げるとすれば、世界の政治・金融・経済が急激な変化の兆しを見せ始め、個々の議員の間でも個々の政策に対する考え方に大きな違いが出始めたことも党内を纏めることの難しさに拍車をかけている。

今回の代表選前後の政界の動きを見ているとよくわかる。
代表選前は、野党からも与党内からも菅首相の退陣を求める声が主流・非主流派を問わず湧き上がり、菅首相を担ぎ上げた議員達が逆に引き摺り下ろすという異例の事態であった。(党内がバラバラであった。)大連立の話題も活発であった。

ところが代表選が終わり、輿石氏が幹事長に就任したとたんに潮目が大きく変わった。
これにより、与党内に「挙党態勢」が実現するとの希望的観測が広がり、党内の雰囲気が大きく変化した。
変わったのは与党だけではない。
自民党の大島氏や石原幹事長などは焦りがモロに顔にでていた。
公明党も民主党に対するスタンスが変わり始めた。
みんなの党の渡辺代表も大きな攻めどころ(民主党内がバラバラ)を失い、戸惑いを隠せない状態だ。

衆議院で圧倒的多数を持ち参議院でも過半数を割っているとはいえ、それを解決する選択肢は幾通りもある。
政権与党が一枚岩になれば今程度の参議院のねじれなど、そんなに大きな問題ではない。
それは最大野党である自民党にも言えることで、党内がゴチャゴチャしているようでは、政権の奪還は無理だということである。コチラも一枚岩にならなければ与党を倒すことはできない。

もちろん首相の資質が重要な要素であることは間違いないが、党内をまとめ挙げることの重要性はそれ以上に大きい。

2年前に民主党が政権を奪取できた最大の要因は、マニュフェストではない。
寄せ集めの右から左までの思想の人たちを、曲がりなりにも一つにまとめ挙げた小沢さんの力抜きでは政権交代はできなかった。
民主党の議員は、もう一度2年前を思い直して見るといい。

小沢さんは、鳩山さんと菅さんを首相にしてあげるこができた。
2人に対する恩義と約束は果たしたはずだ。

小沢さんには思う存分、好きなように力を発揮してもらいたい。
マスコミや官僚や既得権益と表舞台で戦って欲しい。
小沢さんの政治理念や政策をより多くの人に語りかけて欲しい。

多くの国民はそれを望んでいる。





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