弁護士出身の政治家は結構多い。
自民党の谷垣総裁、公明党の山口代表、社民党の福島党首、民主党の枝野、仙谷氏などかなりの数に上る。
今回の「西松及び陸山会事件における秘書3人に対する判決」に対する弁護士としての個人的な感想を聞いてみたいものだ。
それにより、彼らの人間としての本質を見ることができるだろう。
今回の判決は私のような法律の素人でも、すぐにおかしいと感じるほどの、ぶっ飛んだ判決だった。
あまり適切な表現ではないかもしれないが
『窃盗の容疑で逮捕され裁判になった。判決では起訴事実の窃盗の罪以外に起訴事実に無い殺人の罪までプラスされていた。ところが言い渡された刑には執行猶予がついていた。』
というような判決だった。
贈賄罪(買収側)の時効は3年、収賄罪(買収された側)の時効は5年だったと記憶している。
検察は、収賄罪の時効がくる前に慌てて石川秘書らを起訴したように記憶している。だから収賄罪は適用できたはずだ。にもかかわらず検察は収賄容疑を立件できず起訴事実から除外したように記憶している。
実はこの点との関連が実に不可解で、検察の起訴事実と判決内容との関連性や判決の中で『動機の悪質性』を認定しながら、執行猶予付きの判決であった点など実に理解しにくい点が多い判決である。
ましてや大久保秘書の場合、西松建設事件と陸山会事件と二つの事件で有罪判決を受けたにも関わらず執行猶予がついている。
今回の判決は、弁護士にとっても検察にとっても今後に問題を残す判決だと思う。ホテルのレシートを証拠(拾った物かもしれない)と認め起訴事実にない罪状まで判決に追加し、状況証拠だけで、裁判官の判断により有罪にする。
こんなことが認められたら、多くの弁護士は今後、裁判でどう争うのか?
検察は、捜査したにも関わらず証拠不十分で起訴事実に取り上げなかった罪状を、裁判官に勝手に有罪にされたら、どう対応するのか?
更に今回の裁判で問題と思われるのは、裁判官が最初から有罪ありきで、有罪にする妨げになりそうな調書を意図的に取り下げ、裁判での論点からはずそうとした意図が見え隠れする点である。
裏献金を認定するのに、取り下げた調書は都合の悪いものだった可能性も考えられる。
この点は、もっと大きく取り上げるべきで、裁判の根本に関わる問題である。
西松事件では「検察」が今回の判決では「裁判所」の問題が浮き彫りになった。
司法全体に大きな問題があることが浮き彫りになった。
組織の問題とともに、裁判官の人格、人間性などの適格性の問題も表面化することだろう。
西松・陸山会事件では東京地検特捜部が、検察として踏み越えてはいけない線を乗り越えてしまった。今回の裁判では裁判所が司法として踏み越えてはいけない線を乗り越えてしまった。
そして、そのことが少しずつだが市民社会に広がり、批判となって彼らに戻っていくことだろう。
色々な問題が浮き彫りになるにつれ、日本という国の政治・司法・行政のシステムが「思っている以上に酷い、醜いもの」であることが透けて見え始め、嫌気がさしてきた。
「老後は日本を脱出して南国の島で、暮らそうかなあ~(金が無いから無理だけど・・・)」と思いたくなるような現状に・・・。
それにしても、これだけ強大な権力につぶされかかっても戦い続ける小沢さんは、やはり大した政治家だ。
政治・経済のニュースに対する感想を徒然なるままブログに書いています。
2011年9月28日水曜日
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