「大阪維新の会」が政党化を目指し、来る衆議院選挙に300名立候補させるというニュースが流れているが、かなり難しいと思っている。
というか、人気は下降線を描いており今後、上昇していくことはないと思う。
そもそも、打ち出す政策が思いつきで人気取りにしか思えない。タレントの発想に近いと思うのは私だけだろうか。
例えば衆議院議員の定数を半減し240にする話においても、その根拠を明らかにしていない。またその詳細についても明らかでない。比例代表はどうするのか?区割りはどうするのか?
それらについても同時に説明しなければ責任ある政党とは呼べないだろう。また、これに賛同するような国会議員がいたとしたら、見識を疑ったほうがいい。
そもそも、国政に進出し全国に候補者を立てるつもりなら、橋下大阪市長は、市長を辞任し自らが立候補しなければ責任を果たすことができないと考える。これは河村名古屋市長などにおいても言えることである。
地域政党として立ち上げたのなら全国に出ていくべきではない。その地域に密着した政治活動を続ける中において、地域の代表として国会に送り出すというのなら、まだ納得できる。
全国に候補者を立てるのなら、それは最早、地域政党ではない。
前にも書いたが「大阪維新の会」は都市型政党である。その点では「みんなの党」とよく似ている。当然、立候補者の選挙区は重複する。「みんなの党」が「大阪維新の会」と連携したいのは、そういう選挙事情もある。
「大阪維新の会」は、衆議院の小選挙区では近畿地方及び全国の政令指定都市及びその周辺に絞り込んで立候補者を擁立するつもりのようだ。この点においては、よく自分たちの党の性質を理解しているようだ。逆に言えば地方では、受け入れられにくい政策が多いということを意味している。
では、「
近畿地方及び全国の政令指定都市及びその周辺
」の小選挙区に立候補者を立てた場合、影響を受ける既存政党はどこだろう。現状からいえば、大きな影響を受けるのは民主党、自民党、みんなの党の3党だろう。この中でも一番影響が大きいのが「みんなの党」と「民主党」だろう。公明党にとってはプラス面もある。つまり票が割れる中で組織票がある公明党が有利になるという見方である。
もうひとつの視点が、他の新党への影響である。つまり「国民の生活が第一」などの票を食うのではないかという見方である。
ただ、ここで冷静に見なければならないのは、近畿地方以外の政令指定都市においても橋下人気が通用するのかという点である。これについては橋下氏も自信がないように思われる。慌てて知名度のある候補者を探し始めているようだ。そして近畿地方においても以前のような人気はない。
これらの点を考慮する必要がある。
小選挙区に候補者が乱立した場合、ポイントになる点がいくつかある。「死票をどう生かすか」という点と「組織票をどれだけ固められるか」そして「浮動票の行方」である。
「死票をどう生かすか」については、極論を言えば、できるだけ多くの政党が「選挙連合」を組むことである。そして、このことは、民主党や自民党の組織票を切り崩す大きな手段にもなりうる。
「浮動票の行方」とは、すなわち支持政党なし層の投票行動とも言い換えられるが、この層の半分近くは既存政党の支持から離れた人たちである。選挙意識や政治に関心の高い人たちでもある。この人たちは「大阪維新の会」についても醒めた目で見ている。これらの点も考慮すると「大阪維新の会」が楽な選挙を戦えるようには思えないのだが・・・。
近畿地方及び全国の政令指定都市及びその周辺から選出されている既存政党の国会議員は気が気ではないだろう。
しかし、「大阪維新の会」の前途が洋々なのかと問われれば、必ずしもそうとは言い切れず、且つ未知数な部分も多い。
既存政党を飛び出し「大阪維新の会」に飛び込む国会議員が、それほど多くいるとも考えにくいのが現状だ。
どちらにしても、これから政界は選挙一色になるだろう。レベルの高い政策論争を期待したいものだ。(多分無理だと思うが・・・)
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