2010年7月10日土曜日

支持率低下のもうひとつの原因

菅首相や枝野幹事長の発言には共通項がある。
まず「自分のピーアールをする(事業仕分けの成果等)」次に「自説を滔々と述べる」突っ込まれると「すぐに言い訳をする」「あ~でもない、こ~でもない」と屁理屈を述べる。次に「他人のせいにする」、さらに突っ込まれると「相手を攻撃する」というパターンである。話もコロコロ変わる。

さて支持率低下の原因を少し突っ込んで考えてみよう。
日を追うごとに内閣と民主党の支持率が低下している。それもかなりの急低下である。
「消費税増税」が大きな原因であることに間違いはないが、党執行部や首相の人間性に対する不信感も大きな原因のように感じる。
彼らに「国民生活第一」という思いが感じられないこと。「他人の気持を理解しようとする。」という優しさが感じられないこと。「すぐに他人を批判する」こと等、簡単に言えば個人としての「人間性」に問題ありと国民が感じ始めたことが大きな要因のように感じられる。
これは、決定的な要因である。政治家としての資質として「最も大切」な要因である。
さらに「発言される言葉」に「心」が感じられないこと。
ロボットのようなイメージさえ感じられる。

増税問題を語る場合、まず最初に語られなければならないのは、何が原因だったのかであろう。
テレビ、マスコミ、政府高官(なぜかこの頃、マスコミではこの表現が多く使われ始めた)の論調は、財政赤字を削減するためには消費税の増税が必要という趣旨のものばかりである。
まずは、与野党含めて、財政赤字が増えた原因はどこにあったのかを良く話し合うことであろう。
自民党は、自分からは言い難いことであり、当然、話には乗っかってこないであろうが、これを総括しなければ、新たに政権を担う道筋は開けてこない。
民主党もこの点を曖昧にしたままでは、政策の信頼性が薄らいでしまう。
医者が「注射を打ちます」「薬を出します」と言っているのに、病名が分からないようなものである。
病名と病気の箇所や原因が分からなければ、適切な注射や薬が出せない。根本的な治療もできない。まずは検査し、正確な病名と箇所を明らかにすることからはじめなければならない。病気が他の箇所に転移している場合も考えられる。いくつかの治療を併用して行う場合も出てくるであろう。
ここがスタート地点でなければならない。

素人医者の立場から少し述べて見る。あくまで素人の視点であるのであしからず。
患者名:日本
病名:デフレ病
病気の箇所:内閣、財務省、日銀
転移箇所:官僚機構、地方自治体
病気の原因:経済政策と金融政策の間違いにより、輸血用血液はあるのに体内に送るべき血液の量を少なくし、患者の体力と気力を低下させた。また、輸血した血液が知らないうちに抜き取られ(特殊法人等)、送られていた血液の量が少なくなっていた。地方という部分に転移していたのにもかかわらず処置が遅れ、治癒能力が著しく低下した。
輸血用血液も一回の献血量(税率)を減らしたため、在庫が少なくなり、借りる量を増やさなければ間に合わなくなった(赤字国債)。輸血用血液の一部が知らないうちに他の病院(特殊法人等)に横流しされていた。

長期に渡るデフレ経済政策(デフレ容認)と金融政策により、GDPは伸びず、国民の所得は低下し、低所得者層が大幅に増加。失業者も増加し、非正規社員の増加により将来に夢が持てない若者が増加。
国内の消費が伸びず消費不足が加速し、物の値段は下がり、価格競争が激化。それに伴い、人件費も下がり、増々、消費が伸びなくなる。
国内の事業者の法人税は減少、個人の所得税も減少し、且つ過去からの減税処置の影響で2重に税収が低下した。

病気の原因の元はどこにあるのか?
政府・財務省・日銀の政策が原因と言わざるを得ない。
輸血用の血液を増やすには、元気な人(所得の多い企業や人)からの献血量を増やすしかなく、体力のない人(低所得者や高齢者)が強制的に献血させられたらその人達は倒れてしまうであろう。倒れた人を助けるためには、また新たな輸血用血液が必要になる。
この循環に陥らないようにするのが政府や政治の役目である。
元気な人が増えれば逆の循環が起こるであろう。

かなり病状が進行しつつあり転移も広がりつつある。ひとつの治療方法だけでは効果が少ない。
併用していくつかの治療を行う必要がある。
まずは、賃金の低下に歯止めをかけ、低所得者層の収入を底上げさせることが重要だ。
デフレ脱却が最優先課題であり、上記の理由から消費税増税は今やるべきでは無い。

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