2010年7月13日火曜日

民主党参議院選挙惨敗の責任の所在

民主党参議院選挙惨敗の原因はどこに?
①今回の参議院選挙の本来の争点・・・菅首相の責任
本来は今回の参議院選挙は「鳩山前内閣の信任」を問うべき選挙であったはずである。
菅首相の「消費税」発言から争点が一気に変わってしまった。これが惨敗の一番の原因である。
自民党が消費税10%を掲げていたわけであるから「ムダ削減」「公務員改革」を表にだして戦えば過半数も夢ではなかったはずである。
「みんなの党」へ流れた票をかなり食い止められたはずである。
②「鳩山前内閣の信任投票」・・・内閣及び各閣僚の責任
今回の選挙は、鳩山前内閣に対する信任投票の意味もあった。国民の期待ほどの成果があげられていないことに対する厳しい審判とも言える。ということは現内閣の閣僚にも今回の選挙における惨敗の大きな責任がある。代表的なのは、神奈川の千葉法務大臣と長野の北澤防衛大臣で千葉氏が落選したのは大臣としての仕事が評価されなかったことが大きな原因である。(評価されていればトップ当選していたであろう)、北澤防衛大臣にいたっては、2人目の民主党候補者が県連や党中央及び支援組織からの応援がほとんど受けられない状態にもかかわらず20万票を集めた。(北澤氏と8万票差)
これには普天間移設問題をはじめとする大臣としての仕事に対する評価が含まれており、事実を素直に受け止めるべきである。
マニュフェストの変更・・・玄葉政調会長及び党執行部の責任
土壇場で昨年のマニュフェストに実に100近い修正をいれた。
修正の決定の経過にも疑問が残るが、候補者や各議員に対しての説明がほとんど行われておらっず、選挙戦序盤で各候補者や応援の議員が混乱した。慌てて「言い訳マニュアル」を作成し配布したそうだが、これが序盤戦の戦いに大きな影響を与えた。
ほとんどの議員がまだよく理解していないのでは?
昨年の衆議院選の「国民の生活が第一」のスローガンがどこかに行ってしまい、「スローガンがない選挙選」になってしまった。(意図的に表に出さなかったような気がするが・・・?)
あえて言うならば「官僚と企業が第一」がスロガーンのような気もするが・・・。
「消費税」を途中からパンフレットから削除したり、選挙選最終日に新聞に「言い訳」を掲載したりと小手先の手法を国民に見透かされ、逆に信用を失った。
④選挙戦術の間違い・・・安住選挙対策委員長・党執行部の責任
上記も含め、与党としての選挙戦術を理解しておらず、小沢氏を排除したことで、500万人とも600万人とも言える「小沢信者(ファン)」の反感をかったことも大きい。
また小沢氏が擁立した2人区の候補者に対する、選挙資金や応援における徹底した差別は今後党内で大きな問題になるであろう。少なくとも2人区の2人擁立は、共倒れもなく比例票の嵩上げに大きく貢献し、比例代表で勝ったことは事実であり、負けたのは一人区である。小沢選挙戦略を批判することは的外れである。
「消費税」が争点になることを食い止められなかった責任は重い。
自民党と公明党の選挙協力を抑えていた小沢さんが執行部から排除されたことで、自民党と公明党の選挙協力が復活してしまった。これが1人区敗北のもうひとつの原因である。
もし自公の選挙協力が復活してなければ1人区で5議席は多く取れれていたであろう。
菅・仙石両氏と公明党の関係は良くない。連立はかなり難しいであろう。
⑤地方の軽視・・・菅首相を含む執行部及び前原・野田大臣
一人区は地方が多い。地方経済の疲弊と住民所得の低下など地方の「声」を重視しない以前の「都市型選挙」に戻り、「マスコミ目線重視」の選挙を行ったことで「世論調査」に振り回され、途中からは「発言が袋叩きにあう」はめに陥り、急激な支持率低下の一番の要因になった。「マスコミ重視」は
マイナスに働いた場合、逆風が加速される危険性が高い。この部分では「菅首相・枝野幹事長・玄葉政調会長」の責任は重い。
各大臣が本気で選挙の応援に取り組んだのかも?である。
彼らの声が少しも聞こえてこなかったような気がするのだが・・・。(責任逃れ?)
⑥挙党一致体制での選挙が出来なかった。・・・仙石・前原・野田グループの責任
余りにも露骨な「小沢外し」は党内の不安と疑心暗鬼をうみ、議員を動揺させた。今後の党内政局に議員の関心が向い、選挙に安心して集中できる状態を生み出せなかった。

まだ他にもあるが最低でも52議席程度は間違いなく取れたはずである。
昨年の衆議院選挙を見ればわかるように、昨年は「小沢代表の辞任」で大勝した。国民は辞任でひとつの区切りと判断した。
今回も「鳩山・小沢W辞任」で支持率がV字回復した。昨年と同じようなパターンにもって行けたはずである。国民はW辞任をひとつの区切りと判断したはずである。今回の結果を2人の責任になすりつけることは、昨年の衆議院選挙の結果を否定することにつながる。
今回も小沢氏が一人「悪役」を引き受け、V字回復を果たした。すべて小沢氏の功績である。しかし現執行部は、すべて自分たちの功績であり、小沢氏をすべて否定することが「人気」につながると大きな勘違いをしてしまった。「人気取り政治」の陥りやすい罠である。

最初に戻るが、今回の参議院選挙は昨年の政権交代からの民主党政権に対する中間評価的選挙であり、それの信任を問う選挙でなければならなかった。よってマニュフェストも大きく修正すべきではなく、むしろマニュフェストを今後も確実に実行していくことを訴えるべき選挙であった。
財源の問題は「無駄の撲滅」「行財政改革」後に取り組むと言い続けてきたわけであるから、増税を言い出すことは、自分たちの力不足を認めたことであり、マニュフェスト実行のための増税と捉えた有権者を増やすことにつながった。今後の政策実行の大きな足かせになる。
「マニュフェストの確実な実行が財源を生み出す」という至極まっとうな主張を8ヶ月そこらで転換させたことこそ、有権者への大きな裏切り行為である。

これらからもわかるように、普通に選挙を行なっていれば52~57程度の議席は確保できたわけである。選挙の責任者である枝野・安住両氏の責任は重い。
またこのような状況が日本の政治体制として良いことではないことは、国民も良くわかっているはずである。
現執行部は責任の所在を明らかにするとともに、速やかに「党内の挙党体制づくり」と「内閣改造」に取り組むべきである。

そうでなければ、小沢氏に政界再編を期待するしか選択肢はなくなる。
M大臣のように、大臣の地位を利用して知事に政治献金を求めるような議員に、小沢氏を批判する権利はなく、身を削って党のため候補者のため応援に飛び回っている小沢氏の「爪の垢」をもらい煎じて飲んで頂きたい。
昨日NHKに仙石官房長官が出ていた。この人も都合が悪くなるとマスコミや人のせいにするパターンが多く、昨日は、NHKのキャスター2人が最後の方で切れかかっていた。人を怒らせるのが得意のようだ。

小沢さんは、菅首相が「消費税10%アップ」を言い出した時点で惨敗を予測していたようだ。菅グループの東京選挙区から立候補していた小川候補の応援にも行っていたようだ。義理堅い人でもある。

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