2010年7月1日木曜日

デフレの原因

アメリカやユーロ圏では賃金上昇率が年2~4%程度で推移する一方で、サービスの価格もほぼ同じペースで上昇が続いている。
日本ではサービス業の賃金は前年比で下落している時期が多く、賃金の上昇によるコスト押し上げ圧力が働かないことが、サービス価格が上昇しない原因となっている。
つまり、サービス業の労働市場におけるデフレが、サービス価格の上昇を妨げ、物価全体のデフレ基調の原因となっているのである。
一時的なものではなく構造的なものと考えるべきであろう。
中国や新興国でも賃金は上昇している。
ユーロ圏やアメリカでは、リーマンショック以後の財政出動で、むしろインフレ傾向にある。中国や新興国なども個人の収入の増加や賃金の上昇によりインフレ傾向が強まっている。
この点が、他国と日本の現状の大きな違いである。

デフレの一番の原因は賃金の下落とそれに伴う個人所得の減少であり、国や企業の雇用に対する考え方に問題があるのである。
財政出動により国内消費の喚起を促し、大手企業では内部留保や海外投資に振り向けられている資金を雇用に振り向けることが重要で、それによってデフレからの脱却と緩やかなインフレへと経済を誘導するのがベーターな経済政策であろう。
それにより、個人所得の上昇と新たな雇用が生まれ、個人消費も活発化する可能性が高まり、所得税も増収になる。モノの価格が上がることで売上も増加し、それに伴い企業の利益も増加し、個人消費の活発化で企業の売上はさらに上昇する。それにより法人税も増加する。
あくまでシュミレーションレベルの話ではあるが、デフレ脱却ののためには有効のような気がする。
消費税増税は、上記とは真逆な政策で、消費意欲を冷やし、企業の売上や利益を減少させ、賃金の下落圧力をさらに強める可能性さえ予想される。
デフレ時での消費税増税は、絶対に避けるべきである。

ダメ菅総理が、消費税の税額還付の話をし始めたようだ。
下記に、いつも読まさせていただいている「キッコの日記」さまのブログのコメントを紹介します。
いつもながらの鋭い指摘に脱帽!
菅さんが、その場の思いつきでウッカリと口にしちゃった「低所得者には消費税を全額還付する」って言葉だけど、ものすごくフランク・ザッパに計算してみるけど、たとえば、年収350万円の世帯なら、年間に200万円くらい使ってるだろうから、消費税が10%なら、消費税ぶんは20万円てことになる。で、この20万円を「一般家庭の標準的な年間の消費税」と仮定したら、この金額を全国の2500万世帯に還付するんだから、20万円×2500万世帯=5兆円てことになる。法人税の引き下げによる減収が9兆円、消費税の増税による増収が11兆円で、プラス2兆円の増収だったのに、ここから5兆円も還付しちゃったら、トータルで3兆円の減収だ。財源不足を補うための増税なのに、これじゃあ完全に逆効果だろう。

ちなみに、現在の消費税について少し説明すると
一般的には、消費税の税率は「5%」であると思われている節があるが、税法上は、国税である消費税の税率は4%であり、それに地方消費税分(4%×25%=1%)がプラスされているとするのが正しい。

なお、税法上、消費税と地方消費税の総称は消費税等と呼ばれる。 この消費税等の現在の税率は、消費税4% + 地方税1%相当 = 5%である。

よって国庫に入るのは4%分である。
よって10%に増税した場合による国の増収分は8%で計算しなければならない。

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