小沢さんが、これだけマスコミや既得権益層から叩かれ続けながらも政界の本流に留まっておられるのは、やはり人間性によるものが大きいと思う。もちろん見識や能力が無ければ無理なことは当然だが、それだけでは人を集め束ねることはできない。
小沢さんの周辺の人達が小沢さんを評して、よく使う言葉に「来る者は拒まず、去る者は追わず」と言葉がある。
小沢さんは批判し離反していく相手を最後まで追い詰めない。これが「最後の詰めが甘い」といわれることにつながるのだが、逆にこのことが小沢さんの政治生命を長くしていることにもつながっているように思えてならない。
一見、怖くて冷たいように見えるのだが、内面はナイーブで「情」の人であり「恩義」を重んじ済んだことに執着しない。動物が好きで「影で努力する人」を評価する。
こういう小沢さんだから、多くの議員が慕い集まってくるのだろう。
最近の小沢さんを見ていると「気が長くなられた」と感じられる。
以前の小沢さんは、かなり短気な面が表にでていた。
「運命に任せる」という少し超越した気持ちが心の中に生じているのかもしれない。
6月2日の「内閣不信任案騒動」以降、党内における小沢さんの求心力は高まっているように思えてならない。
現状を予測していたのは小沢さんだけであり多くの議員は改めて小沢さんの政治家としての読みの深さを痛感したことだろう。
またその後の小沢さんの行動に対して、多くの議員が安心感を覚えたことも事実である。
前原、野田、岡田といった次期首相候補の頼りなさと比較すると、より一層小沢さんの政治家としての大きさが際立つ。
次期首相候補にとっての大きな課題が党内運営である。また国会対策である。選挙対策である。
菅首相になってからの党運営は滅茶苦茶である。国会対策もまともにできない。選挙は連戦連敗。
鳴り物いりで復活した政調もまともに機能せず、党内論議は蚊帳の外に置かれる始末である。
次期首相を目指す候補は、否応でも党運営がしっかりでき、選挙対策ができ、国会対策がしっかりできる経験豊かな人材を取り込む必要がある。
菅首相が誕生して以後の党の体たらくの最大の原因は、幹事長をはじめとする党執行部の力不足と経験不足にある。まともに選挙対策や国会対策ができる人材がいない。また支援組織との関係強化なども、殆どできていない。
次期首相を目指すには、否応なしに小沢さんと手を組むしか道はない。
なぜなら、小沢グループにしか、まともな国会対策や選挙対策ができる人材がいない。また国会運営や党運営の隅から隅まで知り尽くしている小沢さんの力を借りなければ、ねじれ国会を乗り切ることも難しい。
小沢一郎という政治家の特筆すべき点は、政党の運営、国会対策、選挙対策、支援組織の強化などの全てにおいて経験と実績を積んでいることにある。そして、どの分野においても他の追随を許さない。
ちなみに田中角栄氏は「党務の小沢」「政務の羽田」と評していた。
これほどの人材の力を借りない手はないし、借りなければ首相になれない。そして小沢グループ の力を借りなければ、まともな党運営や選挙対策、国会対策を行うことはできない。
日本国内に限らず世界中が「乱世」に向かいつつある。
「乱世の小沢」の出番がきていると思うのは私だけであろうか。
政治・経済のニュースに対する感想を徒然なるままブログに書いています。
2011年7月30日土曜日
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