2011年8月30日火曜日

社会の変化に対応できない政治と経済・・・大家族から核家族へ

200名近くの政治を知らない議員に対する怒りと情けなさで昨夜は、暫く寝つかれなかった。
政局のことは、書かないつもりだったが、分析だけはしておきたい。

野田氏のことはさておき、彼の後ろ側にいる人たちの構図は前回の代表選と同じだ。ということは菅政権時とトップの首がスゲ変わっただけで、その中身が大きくは変わるとは考えにくい。
これで、鹿野氏が幹事長にでもなれば、より今回の代表選の構図が見えてくることだろう。ポスト争いで主流派が揉める可能性も高い。

今回の代表選のポイントの一つが「参議院のねじれの問題」をどうするかであった。
・現民主党執行部&野田氏他多数⇒自民党や公明党との連立、政策協議で対応
・小沢・鳩山グループ⇒公明党との連立or公明、社民、みんなの党、共産党などとの連立、政策ごとの連合で対応
しかし、これは殆ど代表選で語られること無く終わってしまった。


小沢さんのグループは政策を実行することが目的のグループであり、他のグループと同列に見ると本質を見誤ることになる。そのための権力闘争だということを理解しないと彼らの行動を読むことができない。
今回の代表選の最大の目的は、幹事長ポストの獲得である。野田氏の対応次第では離党、新党設立の可能性は大いにありうる。
もし、衆議院80名、参議院20名で離党し、一部他の党の議員とも合流できれば、民主党や自民党も含めた政局の主導権を完全に握れ、自分達の政策を取り入れさせることが可能になる。
小沢さんは負けてはいない。
今回は第1回目の投票である程度の票を集め1位になることが、重要であった。

さて、前置きが長くなったが、よく「日本の常識は政界の非常識」といわれるが、政治でも「先進諸国の標準は日本の非標準」とでも言いたくなるような現状がある。

政策理念を考える場合、どうしても外せないのが家族社会の変化である。
私の幼少期は家族も多く(私の家は2世代8人家族であった。)、叔母ともそんなに歳が離れておらず、よく私の子守をしてくれていたようだ。
小学校や中学校時代は農作業や薪割りなどの家の手伝いをしたものだ。
基本的には長男が家を継ぎ、親の面倒をみるのがその当時の常識であった。
子供も家計を助ける者の一員であり、家族で家庭や家計を支えあう仕組みが歴史上長い間続いてきた。それが、高度成長期を経て、豊かになり、それとともに個人の自由の尊重が謳われ始めると供に、核家族化が進み、それが、更に進み一人暮らし世帯の急激な増加というとこまで行き着いてきてしまった。

上記は、多くの先進諸国が少子化や高齢化のスピードこそ違え、歩んできた道でもある。
その過程で、子供手当てのような直接給付での少子化対策や負の所得税のような子供を持つ家庭への税の還付などの対策を進めてきた。
ところが日本は、家族社会の変化の流れに政治が対応できず、政策が常に後手後手にまわってしまっている。
一昔前では、家族で支えあいながら子育てができた。
しかし、現在では核家族化が進み、家族だけでは子育てが大変な時代になっている。子育てをしながらも働かざるを得ない環境にある家庭も多い。核家族化の進展が子育て環境を大きく変えてしまった。

このことは介護などについても同様なことが言える。
これらのことを前提に政策を考えていかないと、政策効果を高めていくことはできない。
税や社会保障などの国民負担は、国民が負担できる範囲で完全に納付、徴収されることが前提でなければならないのは当然なのだが、政府の計算にはこの部分が欠けており、国民年金は4割が未納、消費税の滞納の増加、法人税の繰越欠損金の累計額の増加など、もっとも根本的な部分が崩れかけている。
今でさえこの状態なので、増税、保険料などの負担増⇒未納・滞納・繰越欠損金控除の増加⇒増税分を相殺
というような状況さえ危惧される。
財務省は本当のことを正直に発表しなければいけない。
そうでなければ、本当の意味での検討ができない。

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