2012年2月7日火曜日

年金試算、一転公表へ・・・消費税は現行の社会保障制度の財源として最も相応しくない税金である。

年金試算、一転公表へ=政府・民主、週内にも
政府・民主党は6日、野田佳彦首相も出席して国会内で三役会議を開き、同党の作業チームが昨年まとめた年金抜本改革の財源試算について、野党の求めに応じて公表する方針を決めた。消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革協議に野党の参加を促すためにも、非公表の方針を転換せざるを得ないと判断した。民主党幹部は会議後、「党内で説明が終わったら(公表する)」と述べた。三役会議では、党内手続きを前原誠司政調会長に一任。これに関し、別の党幹部は8日までに手続きが終わるとの見通しを示した。早ければ週内にも公表されるとみられる。
時事通信 2月6日(月)13時2分配信  

「 党内手続きを前原誠司政調会長に一任。これに関し、別の党幹部は8日までに手続きが終わるとの見通しを示した。 」
前原氏に任せたら纏まるものも纏まらなくなるのでは?
というか内容について党内から異論が続出するのでは?
二転三転どころか三転四転するではないのか?
国民にしっかり説明できる内容なのか?
他の国会審議が進まなくなるのでは?
そもそも党内において「社会保障制度改革」の議論自体が「生煮え状態」ではないの?
党内のコンセンサスを得られてるの?
こんな状態で国会に法案を出すこと自体が最大の問題だ。




今頃になって、こんなことをやっている場合なのか!! 
本当に頭にくる。(怒)
大震災からの復興や原発事故問題を真剣に議論しろ!
景気対策を真剣に考えろ!
予算案を真剣に審議しろ!
先に国会で審議することがあるだろう!

と怒ってみたが、どうにもならない。
しかし、多くの国民がそう思っているのではないだろうか。
なんとしても消費税増税法案を国会に提出したい野田首相や岡田副総理らにしていみれば、他の法案は優先順位が低いのかもしれない。
しかし、彼らのその姿勢や態度が国民の不信を買っていることに彼らは気づいていない。気づこうともしていない。

「年金試算」なるものがどういう内容かは知らないが、「生煮えの料理」を出したら誰も食べられないのではないのか・・・。
料理でも、しっかり煮込んで味付けし味見をしてから、きれいな皿に盛り付けをして客席に出すのが礼儀というものである。(というかお店なら商売にならない。お金をいただく事ができない。)
これから煮込んでいては、とても予約の時間までに間に合わないと思うのだが・・・。

どうにか間に合ったとしても、民主党の味付けが気に入らない人たちが多数いるので、クレームがつくだろう。中にはお膳をひっくり返す人もでてくるだろう。

社会保障制度改革や税の問題は1週間や2週間で纏まる話ではない。1年間掛けて議論するぐらいの覚悟がいる。与野党間での事前の話し合いも必要だ。
準備不足なのは歴然としている。
そもそも、今の政治情勢でこれらの問題が、すんなり国会で議論できると考える野田首相や岡田副総理らの政治センスを疑う。
この問題を引っ張れば引っ張るほど国会は混乱し、予算審議は遅れ、本予算の成立も遅れ、予算関連法案は通らなくなるだろう。その他の法案も軒並み積み残しになる可能性が高い。

野田首相や岡田副総理、藤村官房長官らは本当の意味での党運営や国会運営というものを知らない。自からが自爆する道を、わざわざ選んで進もうとしているとしか思えない。

消費税増税分の使途については説明が二転三転した経緯がある。
そもそも消費税増税分を政府が言うように「100%社会保障の予算に廻す」ことが本当に妥当なのかという議論も真剣に行われた形跡がない。確かに使い道を限定することで無駄な使い方をされないようにするという効果はあるだろう。しかし、この議論も党内の慎重派の意見を押さえ込むために後付で出てきたものである。

政府の「社会保障と税の一体改革」の有識者会議の議論の中でも、改革のポイントとして社会保障の「賢い効率化」と「応分の負担」が挙げられている。
其の中の『応分の負担』について取り上げて見た場合、消費税という税の持つ性格が果たして『応分の負担』という今の社会保障制度の基本思想に合致しているのか考えてみる必要がある。
多くの人が消費税は「広く浅く取る公平で平等な税」だから社会保障費の財源に適しているというが、それは間違いである。
「応分」と言う言葉の意味は「身分、能力、性質、働きなどにふさわしいこと」と辞書に書いてある。つまり『応分の負担』とは「身分、能力、性質、働きなどに応じた負担をする。」ということである。
しかるに『消費税』は「身分、能力、性質、働きなどに関係なく広く浅く取る税 」である。
であるからして今の社会保障制度の基本思想から言えば「消費税」は財源として、もっとも相応しくない税である。

では消費税を100%社会保障費の財源とするならば、どのような部分に充当すべきなのか。
所謂、「最低保障年金」部分である。最低保障年金部分は全ての国民に「 身分、能力、性質、働きなどに関係なく公平に且つ平等に支給される年金」である。であるから「消費税の持つ性格」と合致する。
以上からも、民主党の執行部や政府は「社会保障と税の一体改革」の議論を始める段階で「消費税の増税分は全て最低保障年金に充当する」ことを宣言してから行うべきであった。
現行の制度を維持したままで消費税増税分を100%社会保障費の財源に充当することは、現行の社会保障制度の『応分の負担』という基本思想を崩すことにつながり、さらには税収に占める消費税の割合が高くなるとともに財源が硬直化し、本当に必要と思われる分野に税金が配分されなくなる危険性をも孕んでいる。

今頃になって「年金試算を公表」などと言っていては話にもならない。
今まで述べたように、現行制度下においては消費税を100%社会保障予算の財源に充当することは相応しくない。(現行制度下では他の財源も含めた中で対応すべき)
消費税を「最低保障年金の財源にする」と言うのであれば、野田首相の言うように今すぐに増税が必要となるわけではなくなるので、今すぐに消費税を上げる理由もなくなる。
このように、現段階でも社会保障費の財源確保を目的とした消費税増税の理由は、甚だアヤフヤで根拠が何処にあるのかもよくわからない。(財源が足らないから増税だの一点張り)

実は、今まで述べてきた日本の社会保障制度の基本思想とも言うべき『応分の負担』こそが、社会保障制度を維持していくためにもっとも重要な部分であり、「所得再配分」の考え方の基本にも繋がる思想である。
「生活に困っている人」や「医療や介護を必要とする人」がいることで、社会保障関係の事業に関わっている事業者や従業員の生活が成り立っている。
 「身分、能力、性質、働きなどに応じた負担」をすることは、決して不公平や不平等ではない。
政治家も、われわれ国民も、もう一度「応分の負担」について考えてみる必要があるのかもしれない・・・。

一句
「脅すほど 信用なくす 年金制度」・・・字余り(政府は馬鹿です。国民を脅して年金制度への信用を下げています。損することがわかっている年金制度では、誰も保険料を払わなくなるわな・・・。)



1 件のコメント:

通りがけ さんのコメント...

野田豚胃転の覚悟消費税増税の化けの皮を一皮むけばこんなもの。

野田政府 消費増税で米国と財界に貢ぐ TPPや米軍再編も (1月27日長周新聞)
>>http://www.h5.dion.ne.jp/~chosyu/syouhizouzeidebeikokutozaikainimutugu.html
(一部抜粋)
「消費増税で大企業だけ大儲け 増税するほど還付金が増えるしかけ 」

 自民党が与党だった時代から、消費税増税は財界や米国が要求する至上命令であった。増税と法人税減税路線を突っ走った自民党が鉄槌をくらったが、民主党では鳩山が引きずりおろされると菅直人が「消費税増税」を主張して首相に抜擢された。参院選で惨敗したのちも開き直って推進していたところに東日本大震災が起きると、今度は「がんばろうニッポン」「痛みを分かち合う」といって、「復興財源のために消費税増税が必要なのだ」と主張していた。野田政府になってからは「社会保障のために必要だ」「全額を社会保障費に充てる」とコロコロ使途や理由は後付けされている。
 消費税増税をもっとも叫んできたのは経団連で、これまでも消費税は法人税の減税に見合うものであった。経団連は、法人税の実効税率を30%まで下げる穴埋め財源として消費税に転嫁することをもくろんできた。2010年代半ばまでに16%までアップさせ32兆円の財源を捻出せよという主張を一貫していっている。野田政府の、「あと6%分足りない」がこれに符合している。
 消費税を増税すると、海外輸出に依存している大企業群はもうかる仕組みになっている。「輸出戻し税」といわれる制度によって、海外で売れた輸出製品に対する消費税は免除され、原材料など国内での仕入れ時にかかった消費税分は国から還付されている。
 トヨタは年間2000億~3000億円ほどの還付を受け、その他の自動車産業でも1000億円をこえる金額が、毎年のように国から還付されている。リーマン・ショック後、エコポイントといって企業群は年間6300億円もの補助金を投入されてボロもうけしたが、消費税還付金としてこれらの企業に還付されている総額がおよそ3兆円といわれる。消費税率を10%にするなら6兆円(同規模の販売台数で推移した場合)、15%にすれば9兆円と上昇していく関係である。
 「輸出国と輸入国で付加価値税・消費税を二重どりされることを避けるため」という建前になっているものの、実質的には輸出企業への補助金になっている。大企業は下請や仕入れ業者に消費税分は自腹を切らせて過酷な単価を押しつけ、「輸出戻し税」分は決して分配せず、丸もうけしている問題が指摘されている。
 さらに非正規雇用を大量に使っている大企業にとっては、消費税が上がれば上がるほどメリットが得られる仕組みがある。正社員給与は雇用関係であるため消費税がつかないが、派遣社員への報酬は企業の物品仕入れと同じ扱いになり、納税する際に報酬総額の五%分が消費税分として控除されることになっている。控除された分は企業の利益になり、一段と非正規雇用化に拍車をかけるものとなっている。増税によって国民生活が窮乏化するのとは裏腹に、もうかって仕方がないのが大企業となっている。
(抜粋終わり)

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