2012年5月10日木曜日

自民党執行部の本音・・・野田首相についてくる議員がどれだけいるか?

昨日は気分の悪い一日であった。
指定弁護士による控訴は異常としか言いようがない。
それ以上に腹が立ったのが指定弁護士の態度である。ニヤニヤ笑いながらの記者会見は控訴された人や裁判を愚弄しているとしか思えない。人格を疑う。人権に対する真摯な姿勢をもたないことに怒りを感じずにはおられない。

とはいえ、今日で小沢さんの党員資格停止処分が解かれ、正式に民主党員として活動できることの意味は大きい。マスコミの言う程、政治活動が制約されるわけでも無さそうである。
指定弁護士の控訴は検察、裁判所にとっても喜ばしい結果ではないだろう。指定弁護士は裁判所の判断に異議を唱え、検察の二度にわたる不起訴判断にも異議を唱えたことになるわけだから、結果として両方を敵に回すことになる。そして小沢弁護団とも改めて争うことになる。この状況を考えればニヤニヤ笑って記者会見している状況では無いと思うのだが・・・。
彼らの(裏に誰かがいるのかもしれないが)頼りはマスコミと国民世論だろうが、国民もこの裁判に嫌気がさしてきている。この事件が「政治色の強い事件」であり、裁判自体が「小沢さんの政治力を弱めるための裁判」であることに薄々気づき始めたからだ。
1審同様、2審でも東京地検特捜部が作成した調書は、ほぼすべて却下されるだろう。新たな証拠が出てくる可能性も、ほとんど無いと考えていいだろう。むしろ小沢さん側に有利な証拠が出てくる可能性の方が高い。この状態で指定弁護士は、どう裁判を維持するつもりなのだろう。弁護側は改めて強制起訴の有効性に的を絞って争ってくるだろう。検察審査会が焦点に浮上してくる可能性も考えられる。

さて、今後の政局であるが民主党内における小沢さんの影響力と存在感が大きくなることは間違いない。これは自民党にとっても喜ばしいことではない。
「小沢さんを切れ」と谷垣総裁らが叫んでいるが、これは翻訳して聞く必要がある。この発言は野田首相が自民党が出す対案を「丸のみ」するという前提で語られている。
その場合に、野田首相を支持し賛成票を投じる議員をどれだけまとめられますか?
という野田首相に対するメッセージと捉えるべきだろう。
民主党の執行部が「法案の先送り」に意見集約されつつある中、野田首相は強いリーダーシップを発揮し党執行部を説得して党内を纏められますか?
と問いかけているのである。
「自民党案の丸のみ」に異議を唱える民主党議員は多いと思われる。野田首相が「丸のみ」して、強引に採決に持ち込もうとした場合、どれだけの議員が賛成票を投じるのか?また、採決まで持ち込むことが可能なのか?
自民党は、その点が不安で仕方ないのである。
結論を言えば「野田首相」と「谷垣総裁」が裸の王様になりかねないのである。
それだけのリスクを承知の上で、それでも野田首相支持グループと組むという決断が自民党執行部にできるとは、到底、考えられない。
簡単に言えば、野田首相と谷垣総裁の求心力がどれほどあるのかが問われているのである。
しかし、彼らに求心力があれば今のような政治状況にはなっていなかったと考えられることから、彼らの党内における求心力は限りなく世論調査の政党支持率に近いと考えられる。
話の進め方如何によっては、国民からも党内からも高い支持を得られない両氏が逆に切られる立場に陥るという可能性さえ感じられる今日この頃である。



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