EUの経済指標が悪化している。それに伴い財政再建も、思ったように進まず財政指標も悪化傾向にある。
ここ数年のEUの経済・財政政策は正しかったのか?
とさえ思われる状況だ。軌道修正を迫られるだろう。
「日本はギリシャのようになる。」と政府やマスコミは、煽り立てるがギリシャから学ぶべきは違う点にあるのではないだろうか?
それには、ギリシャの現状を知る必要がある。
ギリシャ国内では、ここ2年で6万件が倒産している。さらに6万件の倒産予備軍がいるそうである。
増税や超緊縮財政により、内需が激減し倒産する企業が続出しているだけでなく、それらの倒産の連鎖で、新たな倒産が発生するという悪循環が続いている。それにより失業者も大幅に増加している。当然のことながら、税収も減少し徴収できない税金や滞納も増加している。
結果として国力を大きく棄損してしまった。このことで、財政再建への道が逆に遠のく結果になりつつある。
日本が学ぶべき点は、寧ろこの点にあるように思えてならない。
財政再建への道筋を間違えると国力を大きく棄損し、そのことが逆に財政再建を遅らせる結果につながりかねないという点である。
内需を減少させる政策は極力さけるか、あるいは後回しにすべきである。つまり増税するについても、消費税ではなく所得税や法人税を優先すべきである。なぜならGDPに占める内需の割合が日本は先進国の中でアメリカについで高いからだ。それだけGDPに与える影響も大きくなるからである。
増税するならば、所得再配分機能をもつ税の増税を優先すべきである。
また同様に、金融緩和の効果も内需比率の高い日本は、他の先進国より高いはずである。(金融緩和の効果は国により差がでて当然である。)
ギリシャを例に政府やマスコミが最大の問題にするのが「国債の暴落(さすがに最近は言わなくなったが・・・)」や「国債金利の上昇」、そして「国債のGDP比率」である。
しかし、政府の借金(国債)の95%程度はイコール国に対する国民の貸付金(債権)である。
政府の説明に例えるならば、国債の95%程度は国民の金融財産である。
政府の借金(国債)=国民の資産(政府への貸付金)
ということである。
このことを理解すれば、国債の暴落や国債金利が急上昇することは考えにくい。
国債の増加=国内の金融資産の増加
とも捉えられるからである。
あくまで理論上の話なので、空論と捉えられても仕方ない部分もあるが、少なくとも政府は正確な説明をする義務があるはずだ。
そしてギリシャから学ぶべき、もう一つの点は、政治の混迷である。
政権が信頼されなくなったことで、少数政党が乱立し、そして連立政権さえ組めない状況が生じている。「政治リスク」が発生している。
これも他人事ではない。日本でも同じような状況が生まれないという保証はない。
今、改めて世界中で、民主主義と政治の在り方が問われようとしている。
政治・経済のニュースに対する感想を徒然なるままブログに書いています。
2012年5月12日土曜日
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