2012年5月7日月曜日

サルコジ氏の敗北に見るEUの混迷・・・政治は誰のためにあるのか?

連休は畑仕事に費やした。
トマト、きゅうり、ナス、西瓜の苗を植えた。今年は暖かいので苗の生育も早い。
草取りや草刈りもしたため、身体の節々が痛い。
歳は取りたくないものである。

さて、フランスの大統領選挙では、事前の予測通り現職のサルコジ氏が敗北し、オランド氏が勝利した。ギリシャの総選挙でも連立与党は大敗北を喫した。(下記ニュース参照)
このギリシャの選挙結果には解説が必要だ。ギリシャは比例代表制で選挙で第一党になった党に別途50議席が与えられる。今回の選挙結果を実質の得票数でみると与党で改選時第2党の新民主主義党(ND)が110議席で第1党になるものの実質の獲得議席は60議席しかない。第1党だった全ギリシャ社会主義運動(PASOK)は41議席と第3党に転落。両党合わせても実質的な獲得議席は100議席程度しかなく、いかに国民の間で緊縮策が支持されていないかが伺い知れる。この傾向はEUの他の国においても同様でイギリスでも連立与党が地方選挙で大惨敗を喫している。

ギリシャ総選挙は反緊縮派躍進
【アテネ共同=小西大輔】欧州財政危機の震源地ギリシャで6日、総選挙が実施された。同国内務省の中間集計(開票率約80%)によると、欧州連合 (EU)などからの金融支援と引き換えに増税などの財政緊縮策を推進してきた連立2与党が合わせての議席を大幅に減らす一方、左派の急進左派連合 (SYRIZA)など反緊縮派が躍進する見通しとなった。2与党が国会(300議席)の過半数を占めるかどうかは微妙。
緊縮策への国民の強い反発が裏付けられた。2与党が過半数を得られなかったり、過半数を得たとしても選挙後の連立交渉が難航したりした場合、ギリシャ支援の枠組み自体が崩壊、財政危機が再燃し世界経済や金融市場に打撃を与える恐れも出てくる。 開票率約80%時点の予想獲得議席数は、与党で改選時第2党の新民主主義党(ND)が110議席で第1党になるものの、第1党だった全ギリシャ社 会主義運動(PASOK)は41議席と第3党に転落。両党は改選前には計201議席だった。反緊縮策を訴えたSYRIZAが11議席から51議席に躍進、 第2党となる見込み。 SYRIZAのツィプラス党首は「緊縮策は負けた。支援合意を白紙に戻すための左派政権を国民は選んだ」と強調。NDのサマラス党首は他党に連立 を呼び掛ける考えを示すとともに「経済成長や国民救済のために支援条件の修正を目指す」と述べ、緊縮策見直しのためにEUなどと交渉する考えを示した。 移民排斥を訴える極右、黄金の夜明け党も初の議席獲得の勢い。 40年近くにわたり政権交代を繰り返してきたPASOKとNDは昨年11月、EUなどによる第2次支援策がまとまるまでとの条件で、前欧州中央銀行(ECB)副総裁のパパデモス首相を支える大連立を組んだ。
(中国新聞より抜粋)



これらの選挙結果をどう分析すべきなのか?
個人的な意見を踏まえながら独自に分析してみたいと思う。

つまり「国民の生活が第一の政治」なのか「EUや共通通貨ユーロの維持が最優先の政治」なのかが問われているのだと思う。

「他国の国民の生活を犠牲にしてでもEUやユーロの崩壊を防ぐ」というドイツ・フランス主導の政策にNOが突き付けられたということでもある。

増税・緊縮政策が、さらなる経済の縮小を生み出し一向に財政再建が進まないことに対する批判の表れでもある。

そして、その根本にあるのが「格差」の問題である。政治はこの問題から逃れられなくなりつつある。なぜかと言えば、この問題に真剣に取り組まない限り「政治への信頼」と「政治の安定化」が生まれないからだ。中小政党の躍進や極右政党の躍進などで政治が混迷を極めれば政治が不安定化し、それこそEUやユーロの崩壊につながりかねない。ある意味、欧州は今、岐路に立たされている。



最近よく聞く歌の歌詞に「一生懸命生きること」という言葉が出てくるが、一生懸命生きようとしても、それが「将来の夢や希望」につながらないことに対する絶望感や不信感が政治に対する不信に、つながっているように思えてならない。

これらのことは、何も欧州に限ったものではない。日本にも、そのまま当て嵌まる部分は多くある。
政府は「財政再建や社会保障制度の維持」を名目に増税を始めとして更なる国民負担を求めている。「日本の将来のため」とか「負担を先送りしない」とか言いながら「既得権益層の利益維持が最優先の政治」を推し進めている。「国民の生活を犠牲」にして、増税やTPP、原発再稼働を強引に進めようとしている。
『しかし、その前にやることがあるだろう。』
それが多くの国民の民意であり、「民意を無視した政治」がどういう結果を招くかは、今の欧州の政治状況をみればわかるのではないか。

以前NHKで放映された「ハゲタカ」というドラマの映画版をレンタルDVDで再度び見た。
その中に「日本も、まだまだ捨てたものではない。」という言葉がでてくるが、今の日本の政治を見ていると、とても、そのような言葉を使う気にはなれない。
日本の社会構造と政治システムに構造的な問題があるように思えてならない今日この頃である。

2 件のコメント:

通りがけ さんのコメント...

「昨日5月6日の竜巻・ヒョウについて。」ふじふじのフィルターさま
>>http://fujifujinovember.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-475b.html
>気象操作?? 茨城で竜巻 他 突然の嵐(contemporary navigationブログ様・・・
>そして、エルピーダへの米外資による乗っ取り劇が起きていました。・・・

エルピーダだけじゃなくもうひとつあります、もっとでかいのが。やはり竜巻は人工的なものかもしれませんね、日本人の耳目を地位協定占領統治植民地政治犯罪からそらすための。

「【警報】憲法9条を捨てたも同然の日米共同声明」2012-05-07(Mon)反戦な家づくりさまへのコメント2題
>>http://sensouhantai.blog25.fc2.com/blog-entry-1166.html

【野田は外患誘致罪】
▲野田は自衛隊を海外の他国軍事基地に派遣することによって日本を米国の戦争に参戦させ他国から宣戦布告をうける立場に追い込むので、明らかな外患誘致罪が成立する。これはいわゆる国家反逆罪である。政局不要で即逮捕弾劾罷免投獄対象ですな。

国家反逆罪については「振り子は左に振れた。仏国民は「新自由主義」を否定し、伝統の価値観に戻る為に左翼政権を再度選んだ。(晴れのち曇り時々パリさま)」参照
>>http://blog.goo.ne.jp/veritas21/e/9d974e6f3db46c234855f1a122c096ae
>>第五共和制下の仏大統領は以下のような権限を付与されている。

★国民議会の解散権(これに対し、国民議会も内閣不信任決議権を持つ)。

議会で可決した法案に対する拒否権は持たないが、憲法裁判所へ申し立てをする権利を有する。

国民議会は国家反逆罪を除き、大統領への弾劾裁判権を持たない。
シラク前大統領も、現職中及び退任後1ヶ月は、パリ市長時代の汚職疑惑による訴追から保護されていた。アメリカの議会は軽罪でも大統領を弾劾裁判にかけることができる。
<<
2012-05-08 | 通りがけ URL | edit | ▲

【有効なのは憲法に定められた国民主権の直接行使のみ】
▲有効なのは小沢サポーターになるとかの政治家に付託する国民主権参政権の間接行使ではなく、国民主権の直接行使。この直接参政権は日本国憲法に保障されている。

すなわち具体的には日本国領土内各地住民に日本国憲法を無視する人権蹂躙被害を及ぼしている在日米軍治外法権濫用の根源「日米地位協定」を、被害各地方自治体で個別の地位協定破棄住民投票を行い、それを積み上げて国民投票とすること。

日米安保条約はそのままでよろしい。これは米国に日本に対する宣戦布告軍事再占領而して現行日本国憲法全面廃却するという機会を与えないためである。日米安保条約は不戦状態の独立国同士の間の二国間条約という体裁だからこれを温存しておけば米国は日本に対して宣戦布告できない。
2012-05-08 | 通りがけ URL | edit | ▲

山田 豊 さんのコメント...

【日本の解き方】欧州の“緊縮派”敗北は経済にプラス!―【私の論評】財政再建より、デフレ克服のほうが先であることはわかりきった事実!!日本の国民もフランス国民がサルコジにノーをつきつけたように、現政権にノーをつきつけよう!!
ブログ名:「Funny Restaurant 犬とレストランとイタリア料理」
http://goo.gl/jt3p6
こんにちは。欧州で6日に行われた選挙が面白い結果になりました。仏大統領選で現職のサルコジ氏が敗れ、社会党のオランド氏の当選が決まりました。ギリシャでも与党の過半数割れとなり、第1党が連立樹立できずに再選挙になりそうです。フランスの過去の大統領をたどってみると、いずれもフランス国民国家の利益を優先するという姿勢が強かったものですが、サルコジになってからがらっと変わったようです。サルコジは、グローバリズムをモットーにEUの利益を優先するところが強かったです。そうして、EUの方針にしたがい、緊縮財政、金融引き締め路線をひた走りました。そのため、フランス経済も随分悪化、雇用も最悪になりました。そこに、オランド氏が登場です。彼は、まずは、フランスの国益重視を訴え、経済を良くするため、緊縮はやめようという立場です。日本は、過去にいくども、財政再建よりデフレ克服という機運があったにもかかわらす、結局、緊縮財政、金融引き締めばかりに固執し、デフレ状況から抜け出せずにいます。今後、私たちも、フランス国民が選んだように、"緊縮派"にはノーをつきつけるべきです。詳細は、是非私のブログを御覧になってください。

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