今回の小沢新党の話題では、衆議院議員の数が話題の中心だが実は参議院の議員が12名いることの意味はそれ以上に大きい。
公明党が3党合意した裏には、民主党との連携を絡めた裏取引に近いものがあったのではないかと推測される。それで政権復帰を目指している公明党は消費税増税に慎重であったにも関わらず合意したものと考えられる。
これは、参議院が過半数割れしていることと密接に結びついている。民主党と公明党が組めば参議院で過半数を確保することができる。そうすれば自民党に対しても強気に出れる。民主党幹部の思惑はこんなところだろう。公明党としても自民と民主を両天秤にかけ二股膏薬戦略で有利な方と手を組むという思惑があったのだろう。ところが参議院から民主党議員が12人離党したことで民主と公明を合わせても過半数に届かない状況に陥った。(過半数121議席 民主92 国民新党3 公明党19)
参議院には離党予備軍がまだまだいる。
つまり法案を参議院で通したい場合、民主党が公明党と組んでも過半数に足らず自民党か小沢新党どちらかの協力が必要になる。
民主党から12人が離党した段階で民主党と公明党の連携は難しくなった。これに一番困っているのが公明党だろう。支援者からは消費税増税に賛成したことに対する批判の声が高まっているに違いない。公明党にとって小沢さんが離党し新党を立ち上げることは、もっとも避けたい選択肢であったはずだ。これにより支持層から小沢新党に票が流れる可能性が高まり、選挙が厳しくなることが予想できるからだ。(実際、ネット上のアンケートでは小沢新党に期待するという公明党の支持層の割合が高い。)
公明党は、戦略の練り直しと民主党との距離感の修正に追い込まれることになった。これらのことが意味することは、自民党においても選挙協力を期待する公明党の票が小沢新党に流れれば票が減ることになる。
民主党は期待していた公明党との選挙協力が期待できないことになる。
おそらく民主党執行部や首相周辺も衆議院議員の数ばかりに頭が向いており参議院議員の離党まで予測していなかった気配がある。
自民党が解散を求めて強気になる中、期待した公明党との連携も難しくなり、民主党の執行部も頭が痛いだろう。且つ民主党の残った参議院議員の中には「消費税増税反対」「原発再稼働反対」「TPP反対」の議員がまだ数多く残っている。
今回の消費税増税法案の騒動で一番影響を受けたのは、前から何度も書いているが民主党と公明党と連合だろう。これらは自己矛盾に陥ってしまった。本来の在り方から軸足を移してしまったことでふらつき始めた。
特に連合は、これから内部批判にさらされることになるだろう。本来、やるべきではない国会議員の採決や離党に対し圧力を懸けるという有権者の意思を踏みにじるような行為をしたことのツケを払わされる時がくるだろう。
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