ロンドンオリンピックの影に隠れているが、ヨーロッパの状況は経済・金融ともに大変な状況になりつつある。特に経済の落ち込みが顕著に表れ始めている。
そして共通通貨ユーロの下落が続いている。
ユーロの問題点と課題が顕著に表れ始めている。
ドイツのようなユーロ圏以外への輸出比率が高い国はユーロ安のメリットを享受できるがギリシャなどのユーロ圏以外への輸出比率が低い国はユーロ圏以外からの輸入品価格の上昇により物価の高騰を招く。更に世界的な穀物価格の高騰も加わり、日常生活に大きな影響を及ぼすだろう。
そして、上記とは相反するがユーロ安はデフレの進行を促進する。
EUは今、瀬戸際に立たされている。
ここで注意すべき点は為替の問題である。ユーロ安になれば輸入品価格は高くなるが、それは域内の製造品価格も高くなることを意味する。通常はインフレ傾向になるのが経済の常識なのだが、経済の落ち込みで消費全体が落ち込むことで国民の所得は減少し、より低価格の商品購入に消費者の行動が向かうことになる。
その場合、ユーロ安で域内の製造コストが高まるので域外の製品との競争力が低下する。その為、逆に輸入製品が増加する可能性が高い。そうなると更に域内の経済は影響を受け落ち込むことになる。負のスパイラルに落ち込むことになる。
今までのインフレ理論を見直す時にきている。右肩上がり経済から右肩下がりの経済に変化した場合、国民の所得は下がり、本来なら為替安で物価が上昇すべきなのだが、それが低価格製品の購入というデフレ経済への道を選択する入口になるということである。
そして価格競争が激化し、域内の産業が疲弊する道をたどることになる。
日本の野田首相は、未だに「財政規律を守るためには消費税導入は不可避」という発言を続けているようだが、増税で国内経済が落ち込めば、更なるデフレを促進し国内経済が壊滅的な影響を受けることを理解していない。
今のヨーロッパの現状を見ればわかるように、付加価値税を増税した国は、ことごとく経済成長率が低下している。それはイギリスのような独自通貨の国においても例外ではない。
インフレやデフレは国内の家計所得の変化や為替の動向と密接に関係している。特に為替の問題は複雑で分かりにくいが、大きな関連性があることは間違いない。
またユーロ安は輸出においてはメリットがあるが、それもユーロ圏外への輸出においてのみで圏内においては何らメリットはない。
円高が更に進むという要因の方が圧倒的に高い。それは世界経済全体が落ちこむ可能性とも密接に関係している。
そしてこれだけ財政赤字だと政府が言う中、円高は進行し住宅ローン金利は更に低下し史上最低レベルまで下がっている。
つまり政府も、財政赤字で国債金利が上昇し、国家破綻の危機に陥る可能性があるから財政赤字解消のためには財政規律を守ることが必要であり、その為には消費税増税は避けられないと口では言いながらも、現実には寧ろ逆の状況になっていることの説明が、できない状況に陥っている。
金融財政、及び政府関係者が古いままの意識と知識でしか考えることができなくなっていることを端的に表している。
エリート官僚の限界が感じられる今日この頃である。
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