断層が活断層でできたものでも地滑りでできたものでも危険であることに変わりはないように思うのだが・・・。
今まで原発は「危険性が無い」と判断されれば許可されてきた。しかし「危険性が無い」と否定できないのであれば(危険の可能性がある)直ぐにでも停止すべきだ。
この記事ににもあるように「疑わしきは許可しない」という方針を貫くべきだろう。
そもそも、地震大国日本は国土全体が活断層でできていると思った方が間違いない。
電源喪失の可能性は地震によるものばかりでなく津波や大規模な地滑りによって起こる可能性もある。極端なことを言えば、隕石の落下や飛行機の墜落、テロなどによって原発が破壊される可能性も完全には否定できない。問題は、一端、事故が発生した場合、それを人間が制御できなく可能性が高いという点だ。
人間が制御しきれないものを造ることが最大の問題だと思うのだが・・・。
そして一端事故が起きた場合には、福島の現状をみればわかるように、国土も水も生物も汚染され、そして住民の生活も破壊されることを肝に銘ずるべきだ。
そして「国民の命と生活を守る」という政治の使命が最も問われるのがこの原発問題である。
その点からも、野田首相が大飯原発を再稼働させたことに大きな憤りを覚えずにはおられない。
原発と活断層 疑わしきは白紙に戻せ
11月06日(火)
福井県の関西電力大飯原発の敷地内を通る断層は活断層か、それとも地滑りで生じたものか―。原子力規制委員会(田中俊一委員長)の調査団の見方が割れている。
国は活断層の上に原発施設を造ることを認めていない。疑いがある以上、原発を止めて徹底的に検証を続けるべきだ。
大飯原発には「F―6断層」と呼ばれる断層がある。活断層との指摘を受け、調査団が現地調査を実施し、それをもとに4日に評価会合を開いた。メンバーは規制委の島崎邦彦委員長代理(地震学)のほか4人の専門家である。
試掘した地層に亀裂が確認されており、13万~12万年前以降に生じたものとの認識で一致した。だが、原因については、「活断層があることは確実」とする渡辺満久東洋大教授に対し、岡田篤正立命館大教授が「局所的な地滑りの可能性がある」と述べるなど見解が分かれた。
調査団長役を務める島崎氏は「原子力ムラ」とは無縁とされる地震学者である。また渡辺氏は活断層が専門で、従来の評価の不備を訴えてきた。調査に当たる研究者の顔触れを一新し、会合を公開したことは評価できる。
それにしても、いままでの調査や審査は何だったのか、あらためて疑問が募る。問題の断層について、関電は1985年、3、4号機の増設に当たって申請書を提出、関電・国ともに問題はないとの見解を示してきた。よほどの覚悟で臨まなければ、規制委が国民の信頼を得るのは難しい。
調査団のメンバーから「さらに調査が必要」との意見が出ている。納得のゆくまで徹底した検証を重ねる必要がある。中途半端に終わらせれば、せっかくの調査・検証も水泡に帰す。
野田佳彦内閣は活断層が通っているかどうか、はっきりさせないまま大飯原発を再稼働させた。手順が逆だったことを露呈する展開である。少なくとも規制委の結論が出るまで、原発を停止するのが筋だろう。
規制委は、東北電力東通(青森県)、北陸電力志賀(石川県)など五つの施設でも調査を実施するとしている。この際、学者の研究を総動員し、全ての原子力施設の立地条件を洗い直したらどうか。活断層について安全基準を作り直す作業も欠かせない。
地震で活断層がずれるようなことがあれば、大惨事につながりかねない。疑わしきは許可しない方針を貫いてもらいたい。(信濃毎日新聞)
民主党や自民党、公明党、維新の会、そしてマスコミも原発問題を選挙の争点にしたくないようだ。
しかし、福島での原発事故が多くの国民の生活を破壊したことを絶対に忘れてはいけない。
そして、その原発を誰が推進してきたのかを検証する必要もある。
最近の原発に関する論争は、本筋からはずれ経済的な現在面からの論争に終始しているように思えてならない。電力コストの上昇による経済への影響であるとか、電力会社の経営悪化などに無理やり論争を誘導しているきらいがある。
「国民の命と生活を守る」という生活者からの視点も付け加えるべきである。
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