2010年12月30日木曜日

先が見えない、行き場がない社会の到来!・・・共生の理念で考えよう。

経済、金融、雇用、政治・・・どの分野においても先が見えない、そして行き場のない社会になってきた。
政治の世界で見れば最近の地方選の動向などから「投票したい政党」が見当たらない有権者が増加している傾向が読み取れる。
民主党は信用できない。かといって自民党もダメ。とりあえず今回は「みんなの党」に投票してみるか。
という有権者が多くいるようだ。

なぜこれほどまでに、民主党が地方選で負け続けているのか。
政府の景気対策が具体的に見えてこないことがまず第一にあげられる。
国民の一番の関心は景気であり、将来に対する不安である。
国民生活に直に影響する政策に対する評価が低いからと言い直してもいいのかも知れない。
「政治と金」の問題は国民生活に直に影響するわけではないので、実際には投票行動には大きくは影響しない。ただ、政府に対する不満の行き場がないため、それが「政治と金」の問題に向かっている面は否定できない。

また法人税減税や一部閣僚等からの消費税増税発言など弱者に厳しいというイメージを持たれ始めた事も大きな原因の一つである。
それは閣僚の発言からも感じられる。
典型的なのが仙谷官房長官の「甘受発言」である。沖縄県民に対し「基地を甘んじて受け入れよ」というこの発言は強者の立場からの発言である。仙谷官房長官の発言にはしばしば、同様のニュアンスが感じられる。
菅首相をはじめオリジナル民主党と呼ばれる議員の発言には小泉前首相に似たニュアンスが感じられる。

小泉前首相は、党内に抵抗勢力を作り、表向き官僚と対決する姿勢を見せることで自分を「正義の味方」として演じるだけの演技力があった。当時の自民党は各派閥がまだそれなりの力を持っていた。其の派閥から大臣の任命権を取り上げることで求心力を高めた。
しかし根本的には小泉前首相は「強者の論理」の側の政治家であった。

菅首相、仙谷官房長官を始めオリジナル民主党と呼ばれる議員の方たちは、この小泉前首相の手法を手本にしているように感じられるのだが、当時の自民党と現在の民主党では、党内事情や党内のグループ力学は全然といってもいいほど違う。
残念ながら菅首相に小泉元首相ほどの演技力も派閥力学をうまく使いこなすほどの力量もない。

弱肉強食の自然界では、強者が弱者を食って生きている。
しかし、弱者を全て食べ切ってしまったらどうなるのだろうか。
今度は強者同士の食い合いになり、最後は強者自身が滅びてしまう。
それが自然界の摂理である。

強者と弱者がそれなりに共存共栄(共生と言い換えてもいいのかもしれないが)していくことが、双方が生き延びていく唯一の道である。

人間界においても同様であり、政治においてもこの「共生の理念」こそが唯一国を守る道である。

若年者と高齢者、都市と地方など現実世界においてもそれぞれの分野で強者と弱者は存在する。
企業も突き詰めれば消費者がいなければ存在できない。
官僚も国民がいなければ存在意義がない。
政治家も同様に、国民がいなければ存在意義がない。
「国民主権」という原点に立ち返り、もう一度政治や経済を考えてみてはどうだろう。

「共生の理念」を政治家や政党の政策の根本に据える時代が来ているように思えてならない。

今年一年、ありがとうございました。
来年が良い年でありますように。
また、小沢さんが活躍できる年になることを祈念して今年最後の投稿とします。

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