2011年11月26日土曜日

日本の政権はヨーロッパから何を学ぶべきか。・・・今のメンバーでは無理?

イタリアが景気後退局面に入ったようだ。
10年物国債の金利も7%を越えたようだ。
財政再建への道のりは、より一層困難になりつつある。(イタリアの財政状況はそんなに悪くはないと思われるのだが・・・。)
景気後退が及ぼす影響は大きい。税収、雇用などに直結する。
増税や財政支出の削減が景気後退のスピードを速める可能性も高いと考えられる。
イタリア国債がデフォルトになるような状況に陥ればユーロ自体が崩壊する可能性さえ考えられる。

ヨーロッパの債務危機では国債の利回りや財政再建に関する話題ばかりが注目されるが、本質は別のところにあると考えている。
それは、「他国への政治干渉」という民主主義の根本を蔑ろにしたユーロ圏全体における政治的な面での運営に根本的な原因があると考えている。
ギリシャにしろ、イタリアにしろ、自国の財政問題や首相の進退についてまで他国であるドイツやフランスの首相や大統領の意見に影響させられるという現実に矛盾を感じている国民は多いと思う。
そのことが、それぞれの国の国民のプライドを傷つけ、それが牽いてはユーロ圏全体の運営に対する批判につながりかねない状況だと思われる。

最早、一国だけでの政治の範疇を超えた次元での問題に広がっており、それが国内政治の混乱の大きな要因になっているばかりでなく、問題をより一層複雑化させていることを指摘するエコノミストや評論家は思いのほか少ない。

増税にしろ、財政再建にしろ、実行するには政権が安定していることが前提条件となる。与党が分裂しているような状況では、とても国民に理解を求めることなど不可能であろう。
ギリシャやイタリア、スペインなどのデモでもわかるように、国民への説明不足と政治への信頼の低下が国内の政情不安を招き、さらに政治の不安定化が国民の不満と不信を増幅させ、それがさらなる政治の不安定化を招き経済も混乱を招くという悪循環に陥ってしまう。

ユーロ圏の問題で、もっとも注意すべき要因と思われるのが加盟各国の政治体制の不安定化であり、各国の政治トップは国内の世論をにらみながらユーロ圏の問題の解決を図らなければならないことで余分な時間と労力を費やす結果となっている。

では日本においては、ヨーロッパから何を学び、何をすべきなのか?
①政治の安定化・・・少なくても政権与党を一つに纏め上げる。
②与野党が共有できる喫緊の課題を優先し問題に対処していく。緊急性の低い問題は先送りする。
③円高対応に重点的に取り組む。
最低でも以上のことが、ヨーロッパの現状から鑑み日本の政府に求められる対応だと考えられるのだが、野田政権のやっていることは逆行しているように思えてならない。
他国の政治情勢を客観的に見ながら、まずは国内の喫緊の課題に全力で取り組むことこそが政治の安定化と国内景気の回復に繋がることであり、余分なこと(TPPや増税)はやるべきではない。
他国(アメリカ)からの政治干渉に対しても、撥ねつけるぐらいの気概を首相には見せてもらいたいものである。(野田首相では無理か・・・。)

1 件のコメント:

rakitarou さんのコメント...

おっしゃる通りと思います。私は20世紀末に社会主義が崩壊し、21世紀に入ってから世界の民主主義はむしろ衰退しつつあるように感じています。政治は経済のことに振り回され、民主主義の成熟や社会の成熟といった重要な案件を顧みなくなりました。経済発展や安定は本来政治の一部でしかないはずが、今は政治の殆ど全てか政治を壟断する上部構造になってしまっていますね。

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