小沢さんの裁判の影響を民主党内からの視点で見てみた。
この裁判は秘書3人の裁判と、ほぼ一体とみて間違いないだろう。今回の多くの調書の不採用と検察捜査への厳しい批判は、小沢さんの裁判のみならず秘書3人の裁判にも大きな影響を与える。多くの捜査メモなども秘書3人の裁判において検察側は弁護側から提出を求められることになるだろう。
検察側は小沢さんの裁判が終わったとしても、秘書3人の裁判で苦しい裁判が続くことになる。
前にも何回か書いているように、小沢さんの裁判は検察側にしてみれば「他人事」の裁判であったはずが、それどころか自分達の悪事がばらされる裁判になってしまった。さらに今後の秘書3人の裁判で更なる悪事がばらされる可能性も高く、どのように幕引きを計るのかが注目される。
更に、これらの裁判は司法の問題や検察審査会の問題も炙り出したことで、更なる広がりを見せ始めている。無関係とはいえない大阪の村木事件とともに、小沢さんが自身の裁判で法務・司法と安易な妥協をせず対決する姿勢を貫いたことの意義は大きい。
では本題に入ろう。
小沢さんの裁判では、今回の重要な調書不採用で無罪の可能性が高くなった。(まだ安心はできないが・・・)
このことの民主党内に与える影響は大きい。
選挙事情とは別に次の二つのことが考えられる。
①党内における小沢さんの復権
②小沢グループの離党
という相反する二つ事柄の可能性が高まったことにある。つまり、どちらでもいい状況が揃いつつあるということである。
これは、民主党だけではなく自民党に与える影響においても同様なことがいえる。
①について言えば、与野党を問わず多くの国会議員が民主党を立て直せる力があるのは「小沢一郎しかいない」と内心では思っている。しかし、その力が強制起訴と裁判で制約され、民主党内においても「座敷牢」に入れられたことで封印されてきたが、封印が解かれる可能性が高くなったことで小沢さんの党内での復権が現実味を帯びてきたことにある。
自民党が小沢批判に明け暮れ、離党を現執行部に要求している裏には、小沢さんの復権により民主党が復活することを恐れているという事情がある。彼らは小沢さんが怖いのである。
つまり、今まで「反小沢」のスタンスだった人たちにとっては許しがたいことであり、自分達の立場が脅かされることになる。且つ現状のままでいけば党内から「民主党の再生は小沢さんにしか出来ない」という声が高まることも考えられる。
つまり「小沢さんの復権=民主党の再生」という期待感の高まりが党内で湧き上がる可能性も否定できなくなった。それしか民主党が生き残る道がないと民主党の議員が考えるかどうかが鍵で、そうでなければ大半の議員が「頓死」する可能性が高い。
このことからも、今後は小沢グループ以外の反小沢グループの議員の造反や離党の可能性が高まることが予想される。
②についていえば、小沢さんの離党、新党結成が小沢さんに有利に働く可能性が高くなったことにある。つまり新党を立ち上げて戦う為の条件が揃い始めたということである。(裁判により、小沢さんの正当性が証明されることになる。)そして小沢さんが一貫してブレることなく「改革」を訴え続けてきたことが、プラスに働き始めている。
何故、大阪の橋下氏の人気が高いのか?
このことを考えれば
次期総選挙の焦点が見えてくる。それは「改革への期待」に他ならない。国民が民主党もダメ、自民党もダメと考えているのは、これらの政党では「改革が出来ない」ということへの裏返しである。
そんな中、国政レベルで考えた場合に「改革が出来る」と思われる政治家は、もはや「小沢一郎」しか残っていない。
つまり国民が期待する「改革の実行」という点に関しては、小沢さんと橋下氏には共通する部分がある。ここに大きなポイントがある。
しかし、ここで考えなければならないのは地方自治と国政とは違うという点である。
橋下氏らが国政に進出できたとしても、過半数を獲ることは不可能だ。
また政権を獲らなければ改革はできない。
そういう視点から見れば、小沢さんが地方政党のパートナーとして注目されるであろう事は容易に予想できる。
愛知の大村氏にしても、名古屋の河村氏にしても、そして大阪の橋下氏にしても将来のことを考えた場合、誰と組むのが最もベターな選択かという計算をするだろう。(彼らは計算高い)
百数十人という議員を束ねる小沢さんを魅力的なパートナーと考えても何ら不思議ではない。
しかし、小沢さんが他の政治家と違う点は、自分からは卑屈に擦り寄らない点にある。相手が人気があったとしても自分の政治理念は絶対に曲げない。そこが逆に、彼らにとって信用ができ魅力に映るのかもしれない。地方政党の国政進出においても小沢さんはキーマンである。
ここで少し大阪の橋下氏について個人的な感想を述べたい。
今まで橋下氏については一度もコメントをしてこなかった。というのも国政に進出した場合に、どれ程、活躍できるか計りきれない部分が多かったことが大きな理由だ。
率直に言えば、あまり好きなタイプの政治家ではない。ペラペラとよく喋る人はあまり信用しないことにしている。
彼は超リアリストである。いい意味で言い換えれば超現実主義者であろう。
しかし、どこかに危険な臭いを感じさせる部分がある。
彼の手法は府民、市民の支持を背景に、ある意味強引な部分がある。しかし、少なくとも現実の問題の捉え方については、大いに評価できる。押したり引いたりの駆け引きも思いの他、上手い。
しかし、国政で活躍できるかと問われれば、かなり懐疑的にならざるを得ない。国政レベルの政策においても、私個人としては、あまり評価していない。
「人間としてのやさしさ」と「政治家としての品格」が感じられない点に不満を感じる。
「有能なら、いいではないか」という反論もあろうと思うが、一国のトップには、それ以上の何かが求められるのではないかと常々、感じている。
しかし、地方自治体レベルでの行政官の長としては非常にリーダーシップのある有能な人物だと思う。
あまり欲を出さない方が彼の為だと思うのだが・・・。
若いので、今後の成長に期待したい。
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2 件のコメント:
私通りがけのいまの仕事は極東米軍の動きを報じている唯一のジャーナリズム長周新聞の、ホームページに載らない紙面記事をタイプ転載することだけでして、内容はこれまでに多くのブロガー諸氏が取り上げてこられたと同じものです(例えばGoodbye! よらしむべし、知らしむべからずさまhttp://c3plamo.slyip.com/blog/)。
ただ、極東米軍もリビア攻撃では英仏に主たる原油利権を奪われたいした戦果を挙げられなかったことで経済的に逼迫して、代償として対中国周辺有事を勃発させようと大いに焦って拙速に強行手段に出ており、それを受けた小泉以来のアメポチスパイ傀儡野豚政権(与党も野党も議員はほとんどみなスパイでしょうねwスパイでなければ直ちに地位協定破棄動議を国会に提出するはずですから)がマスゴミのマルチスピン国内報道をメクラマシに極東米軍の戦争誘導策動を隠蔽しているのが目に余るので、注意喚起のためにこのタイミングで米軍絡みの記事をタイプ転載しております。
今日は極東米軍の対中国包囲網の第一線韓国に対するアメリカの策動を記した記事をタイプ転載します(さっきやっと打てました)。対韓国において日本の地位協定に代わる治外法権を手に入れようと身も蓋もなく焦っている米国の醜い姿がよく分かると思います。
>米韓FTAのISD条項の狙い【投資家利益優先で国家を無力化】
『現代農業』で金哲洙氏が指摘 "きわめて危険な制度"!
(長周新聞2012年2月15日付け(4)面記事タイプ転載)
▼金哲洙氏が「米韓FTAの問題点---恐るべきISD条項」という文章を『現代農業』三月号(農文協発行)に書いている。
▼韓国議会は昨年十二月、米韓FTAの批准を可決したが、その廃止を求める運動は引き続き発展している。金哲洙氏は、米韓FTAでアメリカが何を狙っているかをISD条項(投資家利益を最優先する国家訴訟制度)を中心にまとめ、TPPへ参加しようとする日本への警鐘としている。
▼韓国では米韓FTAについて、当初から政府が情報を公開せず、あたかも農業だけに被害を与えるかのように言われ、「被害補償をすればよい」とマスメディアで宣伝された。このなかで「民主社会のための弁護士会」が「米韓FTAのISD条項は、憲法を含む韓国法律を無力化するきわめて危険な法的制度」だと強く主張し始めた。
▼たとえば徴税について。ISD条項には、投資家(米国企業)は、韓国政府がかけようとした税金に対して「収用(強制的な取り上げ)と主張し、国際仲裁機関に訴えることができると明記されている。国際仲裁機関が「収用」と認めた場合、韓国政府は損害賠償をしなければならない。つまり国家の徴税主権を制限される。
▼国際仲裁機関とは世界銀行参加の国際投資紛争解決センター(ICSID)のことで、その事務総長は65年間もアメリカ人が担当しており、米国に有利な判定が下ることは明らかとみなされている。
▼公共サービスの民営化について。ISD条項には、投資家は、電力生産、配電、上下水道及び通信のような公共サービスを、国家に代わって国民に提供する権利、また国民が利用する道路、交通、運河建設などの基盤施設事業権を、投資契約の範疇に入れることができるとされている。こうした分野に外資が参入することができるということである。そのため「国民の生活を守るための国家の規制力が、投資家利益優先できわめて大きく制限される」と警鐘を鳴らしている。(タイプ者註:すなわち韓国民公衆の共通利益である「公益」が米国私企業投資家の私利私益追求の食い物にされるということである。)
▼また、学校給食も対象になる。米国企業が米国産農産物や食品をソウルなどの学校給食に供給しようとした場合、それを妨げるような行為も、あるいは地方自治体が地産地消に向けて地元農産物を優先しようとする行為も、米国企業や投資家が不利だとみなせば提訴できる。
▼とくにISD条項が米韓FTAの中に組み込まれていることを危惧している。というのも、単純投資契約にISD条項が含まれている場合、米国企業が韓国を提訴すると、裁判は韓国内でおこなわれるため、韓国政府がそれに応じない限り、米国政府はISDをもって貿易報復することはできない。しかし、貿易規範であるFTAに盛り込まれているISDは、国際仲裁機関で裁判がおこなわれるため、韓国政府が応じなくても、米国政府は貿易報復に乗り出すことができる。
▼最近、韓国の裁判所判事約170名は、「ISD条項は司法主権を侵害する可能性がある」との建議書をまとめ、最高裁判所に提出した。建議書には、米国投資家が国際仲裁機関に提訴したと同時に韓国が自動的に仲裁に同意したことになる「自動同意条項」の問題点や、米国が国際仲裁機関に大きな影響力を持ち、米国の勝訴率が100%になる可能性があることをあげ、その危険性を指摘している。
▼米韓FTAについては、そのほか医療・医薬品部門では、経済自由区域で健康保険適用指定制が例外扱いとなり、病院の株主または債権者に対する利益配当が許可されたことも問題視されている。現在韓国では、仁川、光陽、釜山などが先行的に経済自由区域に指定され、仁川では600病床(すべて個室)規模のニューヨーク基督長老会病院が建てられている。
▼そこでは医療費は経営者が決めることができ、その額は健康保険指定医療費の6~7倍で、株主の利益配当もできるようになった。それに対しても、韓国の脆弱な医療システムをかろうじて支えてきた公共性を根本的に否定するものだとして、強い批判があがっている(『現代農業』2月号)。(了)
橋下氏に関連して「除染とは」
こちらをご覧下さい。児玉龍彦氏の除染活動とビジョンです。
>>http://www.youtube.com/watch?v=7ovYBfK4P9k
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