2012年4月9日月曜日

二股をかける公明党・・・それに振り回される自民党

EUの財政危機問題が燻り続けている。株価や為替にも影響が出始めている。増税や緊縮財政策だけでは根本的な解決は無理だと考えた方が間違いないだろう。
寧ろ今後は、経済政策と加盟国の政治状況に焦点が移っていくだろう。
財政危機の原因として、EU各国の税制に大きな要因があることを誰も指摘しないが、所得税や法人税などの所得再配分機能を持つ直接税の比率を下げ、所得再配分機能を持たない間接税である付加価値税(日本で言う消費税)の比率を高めてきたことを原因の一つとして取り上げたい。
つまり、景気が多少上向いても税収全体が増えにくい税収体質になっている。(直接税の比率と関係する)
本来、税が持つべき所得再配分機能が低下し、税収が景気に左右されにくいと言われる付加価値税(景気が悪くなっても税収が大きく落ち込まない一方で景気が良くなっても税収は大きく増加しにくい)のウェートを高めたことで、税収全体が経済状況や個人の所得とストレートに連動しなくなっている。(経済政策による税収増効果を弱める性質を持つ)
現在のEU各国(日本でも同様だが)においては、付加価値税を上げるのではなく、所得再配分機能が高く、且つ経済状況や個人の所得と連動しやすい所得税、法人税を上げるべきなのだ。
其の上で、有効な経済対策を打ち出すことが必要だ。
でなければ、中々、財政再建は難しいと言わざるを得ない。
現状では増加する一方の低所得者層から付加価値税を上げることで、更に税を徴収しようしている。それにより、国民が反発し政治に対する信頼をも失いつつある。其の繰り返しが財政再建の足かせになっている。(政治問題化)
上記の点も考慮して考えてもらえれば、如何に財務省や政府の説明が「まやかし」であるかが、ご理解いただけると思う。

今後の消費税増税法案の行方だが、一言で言えば「公明党の動き次第」といえる。
この問題の行方は公明党が「今は、消費税をあげる時期ではない。法案には賛成できない」と、はっきり公言すれば、それで、この法案は完全に否決されるだろう。自民党も何かと理由をつけて否決に廻るだろう。自民党の一部が賛成に廻っても、大した影響はないだろう。
他の野党も、多少の温度差はあるにしても、現状での消費税増税には反対するだろう。(というか反対せざるを得ないだろう。)
では、何故、公明党は旗幟を鮮明にしないのだろう。勿論、それは今後の政局において主導権を握りたいからに他ならない。

公明党の本心は何処にあるのだろう。
基本的には「消費税増税反対」である。なぜなら最大の支持母体である「創価学会」に反対意見が強いからである。また「福祉の党」を謳う公明党が「増税だけが目的の法案」に賛成したら、大きく支持を失うことになるからである。
もう一点が関西における「維新の会」との選挙協力だ。関西で選挙に勝つには「維新の会」との連携は欠かせない条件だ。その維新の会の橋下代表が、明確に「消費税増税反対」を表明したことの影響は大きい。

つまり、公明党は本心は決まっているのだが、それを表に出さないことで、民主党と自民党を揺さぶり、どんな展開になろうとも有利な状況を創り出せるよう画策している。・・・と見るべきだろう。


これまでの話で、自民党と言う政党が如何に自己主張できない政党になり下がったかということを、ご理解いただけたと思う。
「マニュフェストを守れと主張する小沢一郎を切れ」と党の総裁が叫ぶくらいである。「自民党のマニュフェストを破ること」ぐらい、何でもないことだろう。
ここで、自民党のマニュフェストを反古にし、「消費税増税反対」と叫べばいい。そうすれば政局の主導権を握れる可能性が生まれる。・・・と私は思うのだが・・・。



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