小沢氏きょう離党表明・・・まずは受け皿づくり

今日、小沢さんたちが離党するそうだ。
マスコミは新党に同調する議員数に関心があるようだが、新党立ち上げが意味する本質を理解していないようだ。
予測では５０人規模だと報じているが、もし、その通りだとして分析してみよう。
５０人程度に「新党きずな」の議員を加えれば６０人規模の新党になる。
これを他の野党と比較してみよう。

民主党 395議席
自民党 202議席
国民新党 6議席
公明党 40議席
新党大地・真民主 5議席
みんなの党 16議席
共産党 15議席
社民党 10議席
新党きづな 9議席
たちあがれ日本 5議席
新党改革 2議席
新党日本 1議席
その他 1議席
無所属 14議席
欠員 1議席

以上が現在の国会の議席配分だ。
６０人規模だと議席数では自民党の２０２議席に次ぐ野党第２党になる。
公明党の４０人の１．５倍だ。
衆議院の議員数でみれば、公明党の２１人の２倍以上の議員数になるだろう。
今回の新党の本質部分はここにある。（受け皿になるにはある程度の規模は必要だ。）
野党第２党という部分が重要なのだ。
そして新党のもつ役割は、思いの他、大きい。
①有権者の意思表示の受け皿
②民主党内の離党予備軍の受け皿
③既存政党の政策に批判的な組織、団体の受け皿
④議会制民主主義を守る砦としての政党
⑤政界再編の触媒となりうる政党
その他にもあるが、以上の５つをみてもわかるように、今回の新党は民主の内紛による離党者による新党設立という単純な図式では語れない。
そして、選挙のことを考えれば、今が新党を立ちあげるぎりぎりの期限なのかもしれない。

民主党の小沢一郎元代表は２日、離党表明に踏み切る意向だ。消費増税関連法案の衆院採決で反対票を投じ、野田佳彦首相に法案撤回を求めたものの受け入れられず、党内にとどまれないと判断した。離党届を同日中に執行部に提出する方向で調整しており、新党結成に向け何人が同調するかが焦点だ。
小沢氏と行動を共にするとみられる議員は衆参両院で５０人超。衆院で４２人以上が離党すれば、新党きづなの協力で内閣不信任決議案を提出でき、５５人に達すると与党は単独では不信任案を否決できなくなる。小沢氏は幅広く同調を呼び掛ける考えで、離党の規模次第では衆院解散・総選挙の時期にも影響を与える可能性がある。　
一方、首相は２日午後、関連法案の衆院採決で反対した小沢氏ら５７人と欠席・棄権した１５人の処分を協議する党役員会に出席する。昨年末に９人が離党届を提出してきづなを結成した際、執行部は反党行為と見なして全員を除籍としており、小沢氏らが離党届を提出して新党を旗揚げすれば、同様の対応を取るとみられる。（時事どっとコム　2012/07/02-03:46）


「小沢を切れ」と叫んでいる自民党や公明党、民主党の執行部にとっても、小沢さんによる新党設立は、口とは裏腹に心配のタネでもある。
なぜなら、彼らにとっては「民主党の小沢一郎」だから小沢さんをネタに民主党を批判し攻撃できたわけで、且つ民主党の内紛があることこそが、彼らにとっては最大の民主党攻撃のネタであったわけで、これが消滅した後、民主党をどのように批判し攻撃するのかが見ものだ。
それから、心配のタネ２が、民主、自民への批判の受け皿になりはしないかというものだ。
新党設立後の世論調査で、小沢新党が民主党や自民党の支持率に近い数字をはじき出した場合、民主党や自民党、公明党は戦略を練り直す必要に迫られる。
今の政界は、国民の意思とはかけ離れた国会の中だけでの数のすり合わせ議論に終始している。
それも、官僚の思惑に操られた中での数合わせの議論だ。
国民も少しづつではあるが、民主、自民、公明による大政翼賛的な政治体制に危機感を持ち始めている。国民の意思が少しも政治に反映されないことへの不満がマグマのように溜まりつつある。
国会議員は、民主、自民、公明への政党支持率を合計しても３０％程度しかならないことを肝に銘ずる必要がある。
国民の政治への不信は、どんどん大きくなっている。