2010年6月16日水曜日

法人税下げが加速

法人税率の下げが声高に叫ばれています。
主要国でも法人税下げが加速しているとのこと。
果たしてどれほどの効果があるのでしょう。
これについては大きく分ければ次の2点の見方があります。
①法人税下げのよる国際競争力の強化
また、それによる企業の国外流出や国内回帰を図る
②国外からの企業の誘致

①について言えば
法人税率よりも製造コスト(人件費・流通コスト)が国際競争力や海外進出の大きな要因である。
韓国→中国→ベトナムというように人件費の安い国に生産拠点は移動している。
法人税を下げても人件費アップや新規雇用にお金が回らなければ、国内の消費(国内での売上)は上がらない。
下げた分がどこに回るかが問題である。(内部留保や配当に回れば効果は殆どない)
②少子高齢化で日本の人口は縮小し、低所得者層の増加で国内消費は伸びず、パイは減少傾向が続く。消費地としての日本は、今や魅力のない国になりつつある。
また、独特の国民性があり、もともと外国企業にとって進出が難しい国である。

たとえ法人税率が多少高くても将来性のある消費のパイが大きい国に進出していくのが自然のながれであり、中国や他の新興国のようにたとえ税率が高くてもパイが大きく、消費の伸びが見込める国であればどこの国の企業も進出していくであろう。

根本にあるのは「少子高齢化」に伴う「国力の低下」であり、それは消費(需要)のパイの減少と家計の収入減少に伴う可処分所得の減少が一番の原因であると考える。
またそれに伴なう、社会保障費の増加が足を引っ張る事になる。

であるからして、「少子高齢化対策」や「雇用対策」が重点政策にならざるをえない状況であり、雇用の創出や労働者の収入アップ、雇用維持につながる、中小企業支援策、あるいは家計の負担を軽減する政策が当面は重要になる。
年金・介護・医療などの社会保障費の一定部分を負担する人を増やす努力をしなければ、財政再建もおぼつかない。

これらの事を踏まえた上での論議が必要になると思われる。
消費税についても同様である。
特別会計を含む国の歳出削減、及び予算の組み換えによる歳出削減は、まだまだ「やる気」さえあればできるはずであり、ギリシャでも明らかにされているように、財政危機に陥った場合、最初に削減されるのは公務員の給料である。
高級官僚はこのことを良く認識されるべきであろう。自分たちの利益・省益優先が国の財政の危機につながり、いずれ自分たちの組織を危機に陥れることを考えてほしい。

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