このところ、政局のことばかり書いていたが久しぶりにTPPについて書いてみようと思う。
それも、少し違う視点から考察してみようと思う。
ヨーロッパは混迷を深めつつある。スペインの長期国債金利は7%を超え、イタリアも予断を許さない状況になりつつある。
アメリカの個人消費も思ったほどの勢いはなく、中国の経済成長率は7%台にまで落ち込んでいる。
極端に言えば、TPPなどの多国間経済協定が意味をなさなくなりつつある。
もう少しわかりやすく言えば、EUという統合経済圏を例にとって説明すると、経済統合における経済的なメリットが限定的で且つ経済環境が好いときはメリットがあるが、悪くなった時はデメリットも大きいということでトータルで考えると、ほとんどメリットがないということが明らかになるつつあるということである。経済圏が大きくなれば景気が落ち込んだ場合、逆にその影響が広範囲に及ぶということも明らかになった。(財政・金融にまで影響を与える。)
ヨーロッパの景気が後退すれば、中国などの新興国の経済に大きく影響を及ぼす。
これらは多国間経済協定とは、ほとんど関係のない動きである。
前にも書いたように、輸出における関税の影響はかなり小さなものであり、それよりも為替であるとか、人件費の問題の方が格段に影響は大きい。
特に製造業においては進出先の人件費が最大の要因だ。
そんな中で、更に大きな問題点を指摘するとすれば、多国間経済協定における規制の撤廃だ。EUにおける最大の問題点は経済的な規制を大幅に撤廃したことにある。(一部では残しているが・・・)
これはどういうことかと言えば、歴史も経済規模も財政内容も、そして、その他諸々の違いがある国々が経済協定を結ぶ場合、それぞれの国の実情を踏まえた経済的な規制は必要であるということだ。
経済的な規制=経済面でのセーフティーネット
ということである。
これを考えないで多国間経済協定を結ぶことは、個々の国の経済を含め財政・金融にも大きな影響を与え、一つ間違えると現在の南欧のような状況を生み出すということである。南欧諸国の現状の根本にある原因の一つが規制緩和にあることを理解すべきだ。しっかりした経済・金融のセーフティーネットを張らない状態で規制緩和を強引に推し進めることは、その国全体を危機に陥れる可能性があることを学ぶべきだ。関税の問題と規制の問題は別に考えるべき問題だ。ところが一緒くたにして規制も撤廃させようとするのがTPPのような多国間経済協定であることを理解すべきだ。当然、アメリカの狙いもそこにある。
子供と大人が同じ土俵で相撲を取っても勝負にならない。
相互理解の上で条約を結ぶことの重要性を認識し直すときにきている。
そして、多国間経済協定などを結ぶことにより、そのことに過度の期待を求め、自助努力をおろそかにすることが問題を大きくしていることをEUから学ぶべきだ。
ということで断固TPP反対!
政治・経済のニュースに対する感想を徒然なるままブログに書いています。
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2 件のコメント:
>よくわからないのですが、本当に地位協定の破棄が可能なのでしょうか。そうなればいいのですが。(彼岸花さん)
>>http://c3plamo.slyip.com/blog/archives/2011/07/post_2153.html
[hal(管理人)さんの地位協定破棄不可能論]
えっと、日米地位協定ですが、
いろいろ調べましたが、これだけを単独で破棄する術がないという理解です。協定の中には廃止規定がない。
国と国との条約ですし、憲法より優位。
(条約が優位するというのが政府の採用している解釈。
憲法にも第九十八条第二項で「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。」・・やはりここでも無効とは書いてないし、
条約法に関するウィーン条約の27条46条にも沿っている。
そもそも、二国間を拘束する約束なので片一方の国だけがその条約について憲法の方が優位と主張すると、相手国の主権が主張した国の下になってしまいマズイことになるので、この矛盾が起きる場合に備えてあらかじめ廃止できる条文を書いておく他ない)
米に戦争仕掛ければ別ですが。
で、この協定は日米安全保障条約の第6条に根拠を置くものです。
日米安保が締結されたときに飲まされたんですね。
となると、これを廃止するには10年毎にチャンスがやってきます。
これは日米どちらからでもいいですが、「安保ヤメる!」と宣言するだけでいいです。
日本から言い出すだけでよく、アメリカの同意は不要です。この廃止規程は安保に織り込まれていますから。
で、現在は自動継続になっていて、先の2010年のときには話題にもならず自動延長されましたね。
次は2020年です。
日米安保が廃止になれば日米地位協定も自動的に廃止になると28条に書いてあります。
10年毎のチャンスのときはどちらか一方の宣言でやめられますが、途中で辞めたいときは両方の合意がいるねということだと理解してます。
英文は勿論正文ですが、
---------------------------------------------
ARTICLE XXVIII
This Agreement, and agreed revisions thereof, shall remain in force while the Treaty of Mutual Cooperation and Security remains in force unless earlier terminated by agreement between the two Governments.
和文も成文です。
第二十八条
この協定及びその合意された改正は、相互協力及び安全保障条約が有効である間、有効とする。ただし、それ以前に両政府間の合意によつて終了させたときは、この限りでない。
-------------------------------------------------
当然ですが和文も意味は同じです。
投稿者 管理人 : 2012年7月18日 21:47
つづく
つづき
[私(通りがけ)の反論]
全然違いますね。
アメリカに宣戦布告するのではなくアメリカが宣戦布告終結しないまま講和条約を結ぶという国際法違反の戦争犯罪実行中なのです。違法行為を糾すのに違法な安保条約の規定を用いる必要はなく、用いれば更に違法を重ねるだけです。
日本はサンフランシスコ講和条約を盾にして独立国間の軍事同盟安保条約を温存したまま人権不平等治外法権規定日米地位協定を破棄できます。
これに対抗して地位協定より上位の安保条約そのものをアメリカが破棄してくるならアメリカのほうが日本に対して公式に宣戦布告しなければならない。
日本は専守防衛の自衛隊を持っていますから、アメリカが日本へ宣戦布告すれば直ちに在日米軍基地を自衛隊が制圧できますね。
いま日本の自衛隊の軍備は太平洋戦争開戦時を遙かに上回っているので専守防衛に徹すれば在日米軍基地の駐留米軍程度の戦力はすべて武装解除できます。
第七艦隊が攻撃してくる?極東には米軍と対立し日本とは違って米国と平和条約を結んでいない大国ロシアと中国があるのです。日本がアメリカに宣戦布告され第七艦隊が攻撃を開始すれば必ず参戦してくる。日本列島はこの2大国の喉元にあたる位置にあるからそこを米国に占領されるわけにはいかないからです。
この2大国はいずれも米国と開戦すれば米国本土を壊滅させることができるだけの軍事力があります。ユダ金はバカじゃありませんからそのことを知っている。ゆえに日本が日米地位協定を一方的に完全破棄宣言しても決して日本に対して宣戦布告などできないのです。そのままうけいれるしかない。安保条約は地位協定治外法権を除去した互いの独立国家主権を侵さない対等の軍事同盟として結び直すしかないのです。
ゆえに、日本国の主権者国民はいつでも好きなときに国際法違反の不平等人権規定日米地位協定を一方的に破棄できるのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
間接民主主義の国会で地位協定破棄決議しないならば直接民主主義国民投票で地位協定破棄決議できることが日本国憲法に保障された国民主権なのです。これが世界唯一無二の平和憲法日本国憲法です。
【過ち(地位協定)を改むるに憚るなかれ】
ヒロシマ平和公園の碑文「あやまちは繰り返しませぬ」の過ちとはまさに地位協定である。過ちて改めざる、これを過ちという。
日本人には地球に世界平和を打ち建てる責任があり、そのために過ちを糾して地位協定を破棄する神聖な責務があるのである。
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