2011年10月21日金曜日

兼業農家の怒り・・・評論家は1年間農業をやってみろ(怒)

TPPの問題でテレビに出演している推進派の議員や評論家、エコノミストと呼ばれる人たちが「兼業農家がいかにも楽して補助金等の恩恵を受け得をしている」かのような発言をしていることに大きな怒りを感じる。
私の実家は山間部で今は3反程だが以前は5反の水田で稲作を行っていた。
日本の山間部では3反~5反程度が平均的な一戸当たりの水田耕作面積ではないだろうか。
私の実家がある集落ではすべての水田面積を合計しても10Ha未満でしかない。
昔は、すべての作業を自分のところでやっていたが今は集団営農である。
実際、確定申告は全て私がやっているので経営内容は把握しているが、農業所得での稲作部門は毎年赤字である。もちろん、自分達の人件費は入っていない。
農業機械や軽自動車の維持にも、結構お金がかかる。固定資産税も支払わなければならない。
補助金などがあっても赤字である。
簡単に言えば、経費を他の所得から持ち出して稲作経営をやっていることになる。

田んぼの畦の草刈もしなければいけない。水の管理もしなければいけない。
土日は、他に畑などで自家用の野菜の栽培なども行っていれば1年の3分の一は作業で潰れてしまう。
休日を犠牲にして赤字覚悟で米作をしているというのが、地方都市周辺や中山間地の兼業農家の実態だろう。
1Ha未満の兼業農家で稲作で儲けていると答えられる人は、ほとんどいないだろう。
逆に言えば、他の収入で生活できるのであれば何も経費を他の所得から持ち出してまでやる必要な無いわけで、若い兼業農家の後継ぎの多くは「やりたくない」というのが本音だろう。

テレビに出演している推進派の議員や評論家、エコノミストと呼ばれる人たちは1年間、山間地で自分の仕事をやりながら米作を兼業でやってみればいい。それが無理なら、確定申告の農業所得の内訳書を見せてもらえばいい。
いかに割が合わないものかが良くわかるはずだし、中山間地での大規模化がいかに難しいかが良くわかるはずだ。
そして、中山間地の人達が農地や山林を守っていることが下流の人たちの生活を守ることに繋がっていることにも気がついてほしい。

この現状からもわかるように、今回のTPPの農業における影響度は、兼業農家の受ける影響はそれほど大きくない。(というかそれで生活しているわけではないし、儲けているわけでもない。持ち出す部分は増えるが・・・)
問題は、大規模農家(20Haから100Ha・・・これが大規模と呼べるかどうかは別として・・・)や集団営農(山間部の10Haから20Ha程度)組織が受ける影響が大きく、これを守らなければ一気に米の生産体制が崩れることに繋がる。(これらは、農業一本で生計を立てている。)
中山間地における集約化、大規模化は収入の拡大が目的ではなく後継者不足対策の意味合いが強いことを良く理解する必要がある。(集約化・大規模化しても利益はでない。)

「全てを効率で計る考え方」を日本の農業に当てはめることが、妥当なのか?
私は違うと思う。
効率化しにくい分野というのが必ずある。日本の農業もそのひとつである。
しかしそれらの分野が日本の雇用の大きな受け皿となっていることも事実であることを良く理解した上で論議すべきだと思うのだが・・・。

1 件のコメント:

shou さんのコメント...

賛成です。僕は今田んぼを
やめました。
政治家が、大局的にみよとて
農家の足元無視は、いけないと思う。
農家を保護しているとはいえ、儲かっ
てないもんね。



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