今回のTPP論議で納得がいかないことがある。
私はTPPは必要ないと考えているし、加入しなければアメリカ側がFTAの締結を求めてくると考えているから放っておけばいいという立場である。
推進派の発言に対し憤慨しているのはTPPを推進する場合、農業など影響が大きいと思われる産業分野に対し、どのような対策を考えているのかを「セット」で提示しなければ卑怯というものだろう。
おそらく彼らは「批准してから考えればいい。」とか「内容がわからない段階で対策を提示しようが無い。」とか言うに違いないが「外国から国民の生死に関わる疫病が入ってこようとしているのにワクチンを準備しようとしていない。」ようなものだ。
農業については「大規模化の推進」を言っているようだが戦後、自民党が数十年かけ多くの予算を使っても実現できなかった問題で、民主党政権が簡単にできるわけも無く、そもそも大規模化できる地域はほんの一握りの地域でしかない。大規模化の問題は、農業従事者が激減するという日本の農業の根幹の問題とも直結している。
「国民の生活を守る」という視点からの発言が欠如している。
推進派の発言は「大企業を守る」という立場での発言ばかりで、それも製造業の話に偏っている。
TPPが国内に与える影響を緩和するための政策実行のためには、膨大な予算を長期に渡り支出する必要がある。
「緊縮財政」や「増税」を目指している政府がそれだけの予算を支出するはずも無く、結局は大企業だけが美味しい思いをし農家や中小の国内産業の従事者だけが犠牲になるのは目に見えている。
韓国でも米韓FTAを結ぶため、ここ数年、農業対策に多くの予算を使ってきた。にもかかわらず、思ったように農業生産者の環境は変わらず反対運動が沸き起こっている。(韓国 FTA反対の大規模デモ)
政府は「実現性の高い対策」とセットで提示するという手順を省こうとしている。
こんな卑怯な進め方をする内閣は、早く潰した方が「国益」に叶う。
政府が強引に参加を進めるようなら「内閣を打倒する。」ことも反対派は考えておくべきだ。
「泥鰌は鰻にはなれない」し「豚は馬にはなれない」
財務大臣時代、何もしなかった人が首相になったからといって急に何かができるようになるわけではなさそうだ。
民主党には「国際公約」がお好きな議員が多いようだ。
外国で公約する前に、まずは国内で公約してもらいたいものだ。
「増税はしません。」「原発は廃止します。」「TPPには参加しません。」と・・・。
国民は絶対に増税がだめだとは言っていない。
「やるべきことをやってから言え!」と言っているノダ。
菅首相よりは、ましだろうと野田首相に多少は期待していた私であったが見る目が甘かったようだ。
その点、小沢さんの見る目は確かだ。
勝ち負けは別として「TPP推進派」の野田氏を見切り、対抗馬を立てたことで党内の「TPPの加入に慎重な勢力」の力を維持させることができた。
小沢さんは、常に私達より少し先を見ているようだ。
政治・経済のニュースに対する感想を徒然なるままブログに書いています。
2011年10月29日土曜日
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