2011年10月19日水曜日

TPPに潜む罠・・・離脱に関する条項が無い

TPP推進派の論調で多いのが「とりあえず参加して・・・」「だめだったら止めればいい・・・」というのがある。
ところが、ネットなどの情報で見る限り、TPPには「離脱に関する条項」がないらしい。
町内会の規約でも「退会」に関する条項があるのに・・・。
外務省の答弁では「離脱したという事例が無いので・・・」という何ともあやふやな意味不明な返答だったらしい。
阿呆か!
こんな重要な条約を結ぶ前に、「参加に関する話し合いの途中で離脱ができるのか?」「加入後、離脱することはできるのか。その場合に罰則規定があるのか?」ぐらいは、最初に聞いておくのが常識ではないのか。
官僚の質の劣化が、ここまで進んでいるとは・・・。(情けない)
前原政調会長も「まずは参加することが・・・」などと寝ぼけたことを言っているようだが、「途中で離脱できるかどうか?」ぐらいは確認してから話をしろ!

離脱条項云々は別として、一度加入すれば簡単に離脱できないことは誰でも想像できる。
「加入を見合わせ様子を見る。」か「加入しない。」の二つの選択肢しかないと思うのだが・・・。

アメリカも参加の意思を示し事前の話し合いに参加している段階である。
国民新党の亀井さんが言っているように、日本が参加しなければ、アメリカもTPPに参加しない可能性は高い。何のメリットもないからだ。

契約交渉をした人ならわかると思うが、契約は力関係に大きく左右される。
圧倒的に大きい方が有利だ。
小さい方は、余程の覚悟と自信や有力なカードが無ければ対等に交渉することは難しい。
交渉力が必要とされる。(外務省では子供のお使いぐらいしかできないだろう・・・笑)

そもそも、野田首相や前原氏、マスコミ等は韓国を引き合いに出し「自由化の波に乗り遅れる。」とか「最初から参加しないと損になる。」とか言っているようだが、本当にそうなのだろうか?
そもそもTPPに加入する必要など無いのでは?

彼らは、お隣の韓国の実情をよく調べてから発言した方がいい。
経済、金融、国民生活などの分野において韓国は大変な状況に追い込まれている。
極端な所得の2極分化が進み、ウォン安や家畜の病気などにより2010年の食料物価は10%以上も値上がりしている。そのため個人の生活が苦しくなり家計の債務が増大している。
大手金融機関は、その多くが資本金の50%以上を外資で占められていることもあまり知られていない。
電気代などの公共料金が高いこともあまり知られていない。庶民には思った以上に生活しにくい国である。
それが今の韓国の現状であり貧困層が人口の20%以上を占めている。

いまや貿易においては「関税競争」から「為替(通貨)競争」に移っており、輸出に一番大きい影響を与えるのは為替相場と相手国の景気である。
いくら関税を0にしても、相手国の国内需要が伸びなければ輸出も大きく伸びないことは言うまでも無い。
また日本のように輸出に占める中間部品などの半製品が大きいウェートを占める国においては、アメリカやヨーロッパへの輸出は韓国、中国や東南アジア経由での輸出のウェートが高い。完成品は現地生産が主流になっている。
このように、すでに日本の輸出企業は、日本国内での生産は部品や工作機械などに集約化され円高や関税の影響を最小限に留める体制になっており、経済団体の言うような「関税の自由化に乗り遅れる」というデメリットはほとんど無いと考えたほうが間違いない。
でなければ、ここ数年の急激な円高で輸出が激減し輸出企業がバタバタと倒産していなければおかしい。
問題は、その下の中小企業への影響であり、その部分を本来は輸出企業が内部留保などで守らなければいけないと考えるのだが・・・。

韓国のサムスンなどは国からも大きな支援を得ながら、リーマンショック以後の大幅なウォン安で輸出を大幅に伸ばしてきた。ウォン安を最大限に利用して価格競争で伸ばしてきた。
しかし過度な価格競争に持ち込んだことが、世界の景気後退局面では大きなマイナス要因になってきている。
また過度の価格競争は他の国の企業にも大きな影響を与え始めた。たとえばテレビにおいてはソニーが撤退を決めたようだ。
一度下げた価格を再び上げることは中々、難しい。
ウォン高局面になった場合の対応が注目される。

このように、積極的にFTAを推進しても、国内が安定しなければあまり意味を持たない。
また、輸出依存度があまりにも高い韓国経済の構造自体にも問題が生じ始めている。

TPPや増税の前にやることは山ほどあるはずだ。TPPの優先度は低いと考える。
党内を2分するようなことばかりを優先する菅前首相や野田首相は政治をもう一度勉強し直した方がいい。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

TPPに参加する、しないについて詳細な規定
途中脱退が可能かをふくめ、大手マスコミ
政府首脳の説明もないまま議論がつづいている、NHKを含めマスコミ、シンクタンクまで
参加、不参加についての理由付けをしないのは、不思議でならない、広く論議をすることが、眠っている国民の目を覚まし、政権交代を生んだ様に、安保迄含む、自立した国を
目指したり、権力機構(官僚、学会、司法、財界)などの基盤が、批判されたり、選挙により、簡単に変わることを恐れるのか、  今まで、大きなテロも無く、平穏な時代を過ごせたのは、経営者も働く人も賃金がそれほどの格差も無く、年功序列も、ある程度理解してたが 契約社員、パート、期間工など多様化と雇用不安、年金開始年齢の引き上げと定年、 若者の雇用減少、震災後の増税  社会不安不満による秋葉事件など、生活基盤が壊れ始めている、多数の中流家庭(と思いこまされている)の減少 これら不安が国地方の統治機構の公務員、議員の身分待遇まで
見直しを始め、国家の自立、あり方まで議論が進む事を恐れているのか。

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