下記の記事からも、民主党内の状況が読み取れる。
まず言えることは、本来、民主党内で「消費税増税法案に積極的に賛成の議員」が多数を占めていたら、こんなに揉めはしない。
賛成派の議員を動員すれば会議を主導することができ、反対派、慎重派の意見を抑え込んで3日間で決着をつけられていたはずだ。
野田首相や其の周辺、及び執行部の一部の議員達は「小沢グループの議員の反対意見さえ抑え込めば、大半の議員は消極的とはいえ反対はしないだろう」という楽観的、希望的観測をしていたに違いない。(毎度のことだが・・・。)
また、会議で議論を主導できるような賛成意見が出されていれば、怒号が飛び交うようなことも無かったはずだ。
以上から推測できることは
①会議で発言する「消費税増税に積極的に賛成の議員」の数が僅かしかいない。
②会議においては、反対、慎重派の議員の発言の方が、圧倒的に多い。
③賛成派議員の意見に説得力がない。
④動員をかけようにも、「消費税増税に積極的に賛成の議員」の数が、そもそも少ない。まして会議に出席して賛成意見を発言するほどの信念を持った議員は殆んどいないし、反対派の議員の意見に反論できるほどの説得力のある意見を発言できる議員は殆んどいない。
⑤会議を重ねるごとに、論点が広がり収集がつかなくなる状況になりつつある。
⑥今回は、安易な妥協案では反対派、慎重派は妥協しないであろうことが予測される。
⑦会議に参加していない議員の大半は、「反対ないし慎重意見の議員」であろうと推測される。
⑧会議を主導する党の政務調査会や税制調査会の役員は党内の「消費税増税に反対、慎重意見の議員」と「消費税増税に積極的に賛成の議員」の数を把握していない。
などが推測できる。
というか「消費税増税に積極的に賛成の議員(今回、提出予定の消費税増税法案に積極的に賛成の議員)」は、ほんの僅かしかいないのではないかと推測される。
残るは「党内や世論の状況をみて判断する」という日和見議員達で、こちらも世論が「野田政権の消費税増税法案には反対」の意見が増えており、且つ、この合同会議において反対、慎重派の意見の方に勢いがあることから、反対、慎重の意見に傾く議員が増えるものと推測される。
民主党執行部は、輿石幹事長が23日に中国を訪問することから、22日までに民主党内の了承をとりつけ23日までに閣議決定する日程を目指しています。しかし、この3日間の議論をみても反対派・慎重派が納得する兆しはありません。
19日には会議の予定すら入っておらず、次の会議は21日ということで、あと何日間かければいいのか、来週の日程も描けているわけではありません。
政府や党の執行部は、追加の増税と景気条項という2つの点については修正案を検討しています。ただ、反対派の多くは2点だけの修正を求めているわけではなく、16日の議論でも行政のムダの見直しや国会議員の定数削減など、論点がさらに広がっていくおそれがあります。
前原政調会長ら民主党執行部は、週末以降に反対派からの意見を踏まえて修正案を整理することにしていて、「来週中に党内がまとまれば閣議決定は27日以降にずれ込んでも仕方ない」と、さらに時間をかけることで配慮を示すしかないという意見も出ています。(TBS 16日23:50)
そもそも、これほどまでに党内が紛糾した原因は、党内手続きの進め方や「付則をこっそり追加で書き込む」などの姑息なやり方に問題があるばかりでなく、野田首相、安住財務大臣、前原政調会長、岡田副総理、藤井税務調査会長などが、事あるごとに「反対派や慎重派の議員」を刺激するような発言を繰り返していることにある。
最たる例が藤井税調会長の下記の発言でである。
消費増税と経済への影響、あまり関係ある話ではない=民主税調会長
3月16日(金)18時28分配信 ロイター
[東京 16日 ロイター] 民主党の藤井裕久税調会長は16日夕の講演で、消費税率の引き上げと経済への影響について、イタリアや英国はマイナス成長下で付加価値税率の引き上げに踏み切ったとした上で「(経済学者らは)離して考えていいぐらいのことを言っている。あまり関係のある話ではない」と述べた。
同時に、消費増税法案で消費税率を10%へ引き上げた後の再増税をめぐる表記については「そうなりうることも書いてあるというのは、与党としての責任の取り方だ」と指摘した。
一議員としての発言ならまだしも、与党の税調会長としての立場での発言だとすれば、「呆けた」というしかないだろう。
「ほぼ全ての商品・サービスに課税される日本の消費税の税率が5%引き上げられることが、経済に余り関係のある話ではない。・・・?」
詭弁というか、呆けたというか、国民を馬鹿にしていると言うべきなのか・・・・。
この発言だけでも民主党の「消費税増税反対、慎重派の議員」の頭の中の油に火を注ぎそうなのだが・・・。
消費税増税法案を審査する会議の最中、それも経済成長率を法案に明記すべきかどうかを議論している最中の党の責任者の発言としては、常軌を逸している。
直ぐに議員を引退することを民主党内の議員は進言すべきだ。
政治・経済のニュースに対する感想を徒然なるままブログに書いています。
2012年3月17日土曜日
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