毎度のことながら、嫌いな世論調査から・・・。
今回は、面白い項目があったので、其の部分を抜粋して解説してみたい。
下記の毎日新聞の世論調査の項目の中に『政府が検討する消費増税で社会保障制度が安定すると思うかを聞いたところ、「思わない」が79%を占め、「思う」は17%にとどまった。』や『「消費税増税に賛成」と答えた人でも、消費増税で社会保障制度が安定すると思う人は31%にとどまり、「思わない」が68%に上った。』という
言う部分がある。
つまり、国民も今まで自民党や公明党、菅政権や野田政権、そのバックにいる財務省の言ってきたことの『嘘』に気づき始めたということである。
下記のようなイメージ操作の「怪しさ」に気づき始めたということである。
①財政再建のためには消費税の増税が必要である。⇒増税すれば財政再建できる。
②増税しないと国債が暴落してギリシャのようになる。⇒増税すれば国債は暴落しない。
③社会保障制度を維持するためには増税が必要である。⇒増税すれば社会保障制度が維持できる。
ところが
①ヨーロッパの国々をみてもわかるように、増税しても財政再建はできない。
②財政赤字が日本以上に大きいアメリカでさえ、国債は暴落するどころか金利が低下している。
③今の社会保障制度を維持するためには更なる増税が必要になる。
④これまでの増税論議が現状維持を前提としたものであり、行財政改革による歳出削減は計算外であったことがわかり始めた。
⑤日本は赤字国債の額も大きいが資産も沢山持っていることがわかり始めた。
つまり「5%程度の消費税増税をしても、財政再建できないし、社会保障も安定しない。」ことに多くの国民が気づき始めた。
今まで自民党や公明党、菅政権や野田政権、そのバックにいる財務省の言ってきたことが「まやかし」であったことに多くの国民が気づき始めたことが、現在の自民党、民主党の支持率低迷の背景にある。(多くの国民は薄々感じてはいたが、それが、はっきりしてきたということ)
「まさか国民が気づきはじめるとは・・・。」
「こんなはずでは・・・」と財務省の幹部は思い始めているのではないだろうか。
一度失った信用は、簡単には戻らない。(支持率は簡単には戻らない。)
毎日新聞世論調査:社会保障「不安」92% 内閣支持、半年で半減28%
毎日新聞は3、4の両日、全国世論調査を実施した。年金や医療、介護など社会保障制度の将来に不安を感じるとの回答が92%に達した。一方、政府が検討する消費増税で社会保障制度が安定すると思うかを聞いたところ、「思わない」が79%を占め、「思う」は17%にとどまった。内閣支持率は28%と、1月の前回調査から4ポイント下落。野田内閣が発足して半年で、初めて3割を切った。不支持率は1ポイント上昇し、45%だった。
消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げる政府方針について「賛成」は38%と前回調査から1ポイント増にとどまり、「反対」の58%を下回った。民主支持層の「賛成」は54%に上ったが、「支持政党なし」では「反対」が60%。自民、公明支持層でも「反対」が半数を超えている。
「賛成」と答えた人でも、消費増税で社会保障制度が安定すると思う人は31%にとどまり、「思わない」が68%に上った。政府は2月に閣議決定した税と社会保障の一体改革大綱で、最低保障年金制度を盛り込んだものの、国民の将来不安の解消につながっていない現状がうかがえる。
野田内閣の支持率の推移をみると、就任直後の昨年9月調査では56%に達し、不支持率(14%)を大きく上回っていた。今月2日で就任半年が経過したが、支持率は半減。支持しない理由では「政治のあり方が変わりそうにない」と「政策に期待できない」がそれぞれ38%に上った。
一方、違憲状態が続いている衆院小選挙区の「1票の格差」を巡り、格差是正前の衆院解散の是非を聞いたところ、「解散しても構わない」が57%を占めた。「解散すべきではない」は35%だった。
(毎日新聞【小山由宇】)
当然のことながら「政策が信頼できない自民党」と「政策が信頼できない野田政権」が連立してできた「連立政権の政策 」に対し「信頼できない」と思うのは当然のことである。
「期待できない政党同士」が連立してできた「連立政権の政策」に対し「期待できない」と思うのは当然のことである。
何故、民主党が自民党・公明党から政権を奪取することできたのか?
原点に返って考え直してみるべきだ。
そもそも、党幹部が平気で他党のことに嘴を突っ込み「党の恩人を追い出せ!」などという道義に反するような言葉を吐くようでは、国民から信頼が得られるはずが無い。(一般的に、こういうことを「余分なお世話」という。)・・・民主党の幹部から森、安倍、福田、麻生氏などを党から追い出せと言われたら、自民党の幹部はどう答えるのだろう・・・。
こんな現状の中、公明党の姿勢が微妙に変化しつつある。
「信頼されていない&期待されていない政党同士(自民党と民主党の一部)の連立」に加わることが公明党のプラスになるのか?
話し合い解散や連立について支持団体の理解を得ることができるのか?
連立に参加した場合、公明党が埋没してしまい、主導権を握ることが出来なくなるのでは・・・?
話し合いによる消費税増税法案成立に賛成することについて、国民や支持者の理解が得られるのか?
話し合い解散による選挙で、有利な状況を作りだせるのか?
選挙制度改革と定数是正、定数削減問題にどう対応するのか?
etc
以上のようなことを公明党の幹部も考えているだろう。
少なくとも「話し合いによる消費税増税法案の成立に賛成の立場は取りたくない。」と考えていることが予想される。「社会保障改革の全体像が示されない。」ことを理由に反対する姿勢を取らざるをえないだろう。
となると自民党との協力関係を見直さざるをえない場面が出てくる可能性も予想される。
つまり、「今のままだと公明党の存在感を示すことができない。」というジレンマに陥っている。
「信頼されていない&期待されていない政党同士(自民党と民主党の一部)」のお仲間と看做されはしないか?(=公明党にも期待できないと思われてしまう。)
彼らに同調した場合のリスクはかなり大きいように思うのだが・・・。
もし、公明党が自民党との協力関係に終止符を打った場合には、どうなるのか?
自民党は、大きな影響を受け、選挙戦略の見直しを迫られる。
今後の公明党の動きに要注意だ。
余談:
野田首相は、党内において小沢グループ以外は話し合い解散に賛成し、小沢グループ抜き連立にも賛成するだろうという甘い見通しを持っているようだがそれは違うだろう。
前原氏や枝野氏を始めとする首相になりたい病の議員達や、大臣をやりたい病の議員達にとっては、デメリットの方が大きい。(連立して主導権を握れる保障はない。)
且つ、解散後の選挙で、どれだけの民主党議員が生き残れるかを考えた場合、簡単に解散、総選挙に賛成は出来ないと思うのだが・・・。(彼らがまともな思考回路を持っていればの話だが・・・)
故事にも有るように「義」の無い戦いは混乱を生む。
「小沢さん排除を目的とした話し合い解散や連立」のどこに「義」があるのだろう・・・。
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