民主党執行部がセコイ300万円札束作戦(日刊ゲンダイ様から引用)を展開しているそうだ。
これって国民の税金を使った買収行為ではないの・・・。
金を渡して「社会保障と税の一体改革に協力してね!」と言うのって、金を渡して「選挙で民主党候補に投票してね!」と言うのと同じレベルの話のような気がするのだが・・・。(低レベルということを言いたい・・・)
さてさて、永田町では野田首相と谷垣自民党総裁の極秘会談が話題になっているようだが、その話題の中心にあるのが「話し合い解散」であることは言うまでも無いだろう。
弱小グループをバックにする二人の生き残りをかけた話し合いであるかのように報道するマスコミもあるが、冷静に分析してみる必要があるだろう。
(ここで注意すべきは、話し合いによる消費税増税法案成立後の解散・総選挙を目指す場合には、社会保障改革についても合意が必要になる点である。でないと自民党も増税だけに賛成したことになり、国民から反発を受ける。逆に民主党は、自民党の言いなりになれば国民から信頼を失う。また双方に「談合政治」という批判が向けられることになる。)
仮に「話し合い解散」が行われたとした場合、其の先にある課題を幾つか挙げてみたい。
①一つ目には、話し合い解散をした先に何があるのか?
という点である。
「連立」なのか「政界再編」なのかという点である。
②二つ目が「1+1」が「2乃至3」になるという保証があるのか?(つまり数の上でのメリットがあるのか?)
という点である。
「民主党+自民党」ないし「民主党の一部+自民党の一部」で連立あるいは政界再編をした場合、数の上でのメリット(即ち衆参での過半数の確保)が実現できるのかという点である。連立した場合においても、双方から、かなりの数での離党者がでる可能性は高い。(選挙でも大量に落選者がでるだろう。)
③何を御旗に立てるのか?(目的と政策)
連立あるいは政界再編の場合においても、しっかりとした目的と政策合意が必要とされる。
「増税」が目的だけでは国民の反発を招くだけだ。では「社会保障政策」で合意できるのか?「憲法問題」で合意できるのか?
等々、考えていくと口で言うほど簡単ではない。
④支援団体との関係は?
この問題は、思った以上に対処が難しい。
特に民主党の場合においては、連合などの理解が得られるのかという問題が生じてくる。連立の場合にはまだしも、政界再編の場合には、この問題は重要な要素となる。相手方の自民党議員が労組をバックにした政党の議員達と一緒になれるのか?(散々、労組を批判してきた自民党議員達が支援者に説明できるのか・・・)
当然、労組などの支援者側にも戸惑いと拒否反応が生まれることは間違いないだろう。
⑤選挙はどうするの?
両党の候補者が重複する選挙区において候補者の調整は可能だろうか・・・。
実際に次期衆議院選挙に向け、候補者は動きはじめている。
果たして「連立」ないし「政界再編」を掲げて民主、自民の候補者達が同じ選挙区で戦うことが可能なのか?
よく「選挙後の連立ないし政界再編」を口にする人達がいるが、政界再編ならまだしも「血みどろの戦いを繰り広げた政党同士、議員同士」が、すんなりと「連立」できるものなのだろうか?
感情的にも政策的にも、難しい面があるように思えてならない。
また、其の場合、国民の理解が得られるのかという問題がある。
選挙で散々批判した相手と選挙が終わったら何事も無かったように連立を組むことに国民は納得するのだろうか?
寧ろ、政党不信や国会議員に対する不信感を増幅させることに繋がりはしないのか。
結論を言えば、口でいうほど「連立」や「政界再編」は簡単ではない。
ポイントになるのは「相互の信頼感」と「決断力」「リーダーシップ」だと考えるのだが、とても民主党と自民党に「相互の信頼感」があるとは思えない。両党を纏め上げるだけの人材も見当たらない。
寧ろ今以上に混乱を招く可能性の方が高くなるのではないだろうか。
つまり、メリットもあるがデメリットもあることを考慮した上で、議論する必要があるのではないか。
党内において、信頼感やリーダーシップに疑問符がつけられている野田首相と谷垣総裁に「連立」や「政界再編」をリードしていく力があると信じている議員がどれだけいるだろう。彼らの周辺にも、それらしき人材は見当たらない。
一般論から言えば、各政党は「連立の枠組み」や「政界再編の枠組み」を、はっきり示した上で解散総選挙をすべきである。それが政党としての筋道である。
そうでないと有権者を騙す結果になりかねない。
本来は「消費税増税の是非」や「社会保障改革」についても、選挙で問うべきである。
連立を目指す場合には、連立する政党は「連立政権としての政権構想と政権公約」を掲げて選挙選を戦うべきである。
政界再編を目指す場合には、本来は選挙前に「政界再編」を行った後に解散総選挙を実施すべきである。
大変穿った見方だが、最近の小沢さんの政策勉強会などにおける憲法論などにおける発言は、連立や政界再編を見据えた上での発言ではなかろうかと感じられるのだが・・・。
「野田首相を中心とする反小沢、増税賛成グループ」+「谷垣総裁を中心とする反小沢、増税賛成グループ」による連立政権ないし政界再編による合同政党政権に対し、どれだけの国民が「変化」や「希望」を感じることができるだろう。「魅力」を感じることができるだろう。「投票したい」と有権者は思うだろうか。
この場合、「1+1=2」の現状が選挙後「1乃至0.5」になる可能性も考えられる。
過去の日本の選挙において増税を訴えて勝利した例は皆無に近い。「山が動いた」と言われた土井社会党時代の選挙や菅政権における参議院選挙をはじめ、増税を訴えて戦う選挙は事前の世論調査とは、大きく違う投票結果がでる場合が多い。
特にサラリーマン家庭が中心の連合などの支持団体や中小企業が多い支持団体においては、表立って「増税」を支持しにくい側面があり、支援活動が空回りする可能性が高い。
だからこそ、「選挙前に増税法案だけでも何とかして成立させたい」と野田総理や財務省は考えているのだろう。
しかし、これは邪道である。話し合いで「増税」を決めることができたら選挙をやる意味がなくなる。
話し合いで増税法案を可決させ解散総選挙をしたら、民主党は今の選挙予想より更に悲惨な選挙結果になるであろうことを野田首相は理解しているのだろうか。
また、このことは「談合政治」を批判してきた民主党の転換を意味し、党内からの強い反発が予想される。
そして連立にせよ政界再編にせよ、全てが小沢さんの行動次第という「他人頼み」の現状の中、そして党内も思うように纏められない中で、彼らが主導権を握ることは非常に難しいのではないかと思われる今日この頃である。
政治・経済のニュースに対する感想を徒然なるままブログに書いています。
2012年3月1日木曜日
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