私は、海外ドラマをよく見る。
日本と同様、海外でも「犯罪ドラマ」「刑事ドラマ」「医療ドラマ」と呼ばれるジャンルのドラマは人気が高い。
其の中でも、私が好きなのが「BONES」「メンタリスト」「キャッスル」などの犯罪捜査ドラマだ。(ジャンルは違うが「チャック」は面白い。出演している女優のイヴォンヌ・ストラホフスキーに、いい歳をしてハマってしまった・・・。)
実は、これらの犯罪、刑事ドラマや犯罪・法廷ドラマ(『ロー&オーダー(
Law & Order
)』が有名)には、法廷の場面も数多くでてくる。
そして、それらの中には、検察側の証人が、偽証ないし証拠の隠蔽や捏造、改竄をした場面も出てくる。
確か「BONES シーズン2」に、それに該当するようなエピソードがあったように記憶している。
---主人公のテンペランス・ブレナン博士の職場の同僚のジャックが殺された被害者の妻と元恋人という間柄であったため、その事が露呈すると事件の調査に参加出来ないことを察したジャックが、二人との関係を隠すために証拠を隠蔽してしまう。---というようなイントロダクションだったと思う。
その後
---犯人が逮捕され、法廷で検事側証人としてブレナン博士やジャックが証言するが、相手側の弁護士にジャックと元恋人との関係を追求され、そのことで検察側の証言と証拠が全て能力を失うことになり検察側は窮地に陥る。これを解決するためには、新たな検事側証人がかかわらない証拠が必要になる。その後、新たな証拠が見つかり検察側が裁判で勝訴して、メデタシ、メデタシ。---というエンディングだったように記憶している。(かなり記憶がいい加減なので・・・?)
「メンタリスト」でも、主人公である捜査コンサルタントのパトリック・ジェーンが証拠を捏造したことが法廷で弁護士によって明らかにされ「起訴の取り下げ」に追い込まれたエピソードがあったように記憶している。
前置きが長くなったが、多くの国の「司法の常識」では、検察側の証拠や証言に、一つでも隠蔽や捏造、改竄、偽証が含まれていることがで法廷で明らかにされれば、検察側は「起訴の取り下げを求められる立場」に追い込まれることになる。これは当然といえば当然のことで、全ての証言や証拠の能力に疑いの眼が向けられるのは当然のことである。(証拠や証言には関連性がある。)
これらを、陸山会事件の捜査や裁判に当て嵌めて考てみよう。
もし、東京地検特捜部の検事が、一つでも証拠や証言の隠蔽や捏造、改竄、偽証、調書への署名の強要などを行っていたことが法廷において明らかにされた場合、証拠全てにおいて証拠能力を疑われることになり、著しく証拠能力が低下することになる。且つ証言の信憑性も疑われることになる。検察側は 「起訴の取り下げを求められても、おかしくない立場」に追い込まれる。
もし、市民団体からの告発による検察内部の捜査で「捜査や取調べの違法性」が認められ、担当検事が起訴された場合や捜査関係者に対し法務省や検察庁から厳しい処分が下された場合、検察側は結果的に「違法な捜査や取調べ」を認めることになり、場合によっては「起訴を取り下げる」という屈辱的な結果に追い込まれる可能性も否定できない。
秘書3人の裁判で起訴が取り下げられるような結果になれば、当然、小沢さんの裁判が成り立たないことになる。
小沢さんの裁判で捜査担当検事の違法な取調べや被告側に有利な証拠の隠滅、捜査報告書の捏造などが明らかになったことで、陸山会事件の裁判(秘書3人の裁判)の展開にも大きな影響がでてくるだろう。
検察は内部捜査の結果、身内に甘い中途半端な処分を出せば検察審査会に告発され、さらに田代検事のみならず、当時の上司も新たに告発される可能性がでてくる。
担当検事の起訴及び関係者への厳しい処分を行えば、検察審査会への告発は抑えられるかもしれないが、その場合、陸山会事件における秘書3人の起訴を取り下げざるを得なくなる可能性も考えられる。
どちらにしても、検察にとっては厳しい判断を迫られることになる。
裁判や検察審査会を通して検察の問題点が今以上に明らかにされる道を選択するのか、それともここでケジメをつけるのか。
検察の判断が、裁判以上に大きな意味をもつように思える今日この頃である。
政治・経済のニュースに対する感想を徒然なるままブログに書いています。
2012年3月13日火曜日
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