原発事故検証：「菅」か「官」か？・・・責任の擦り付け合い始まる。

原発事故の検証が進むにつれ、責任の擦り付け合いが始まりつつある。
「菅」前首相に問題があったのか「官」僚組織に問題があったのか、それとも東電の対応に問題があったのか？
結論を言えば、「全てに問題があった。」ということであり、個々に問題を擦り付けることは問題を矮小化させるだけである。
更に言えば、「未曾有の事故に対し、関係者が情報を共有できず、政府、官僚組織、東電が一致団結して事故に対応できなかったこと」が最大の問題点である。「政府が与野党を問わず、一致団結して協力できる体制を構築出来なかったこと」に問題がある。


一部の人間だけで情報を操作し、一致団結して取り組むべきなのに官邸と官僚組織、東電がお互いに反目しあうような状況で適切な事故対応ができるはずがない。
ここに最大の問題点がある。
一部の政治家の中に「自分達が解決すればヒーローになれる」という邪な思いが無かったのか？
このことも検証されるべきである。


原発の再稼動において、最も重要視すべきは、万が一事故が起きた場合に政府、官僚組織、東電、保安院、安全委員会などが一致協力して対応できる体制が、出来上がっているかである。
今回の事故でこれらの組織が「機能不全」に陥っていることが明らかになった。この問題が解決されない限り、再稼動を認めることはできないと考える。（人的、組織的な面からの問題）
そもそも、「事故を完全に防ぐ」「事故が起きないようにする」為の最善の策は「原発を廃止」することである。


さてさて、民主党内では「社会保障と税の一体改革法案」の事前審査が始まり、大荒れしているようだ。
ここ数日の民主党議員のブログなどで面白い現象がおきている。
「消費税増税に反対しているのは小沢グループだけではない」という発言が増えていることだ。
新聞、テレビなどでは「消費税増税に反対している小沢グループ・・・」というコメントが氾濫している。これでは、小沢グループ以外の議員は「消費税増税に賛成している」と思われてしまう。
危機感を持った多くの日和見議員が「言い訳」と「アリバイ作り」の為に走り出した。

実際に、小沢グループだけでなく、中間派の議員などからも反対意見が出始めたことで、彼らも「反対ないし慎重意見」を発言しやすい雰囲気になりつつある。
「自分が先頭を切って発言するのは嫌だが誰かが口火を切り、そのことで反対意見が勢いを増して半数以上を占める状況になったら、自分も反対意見を口にする。」という議員が増加しているようだ。
といういことは、党内において「現時点での消費税増税に反対する議員」が半数を超えたと判断している議員が増えているということである。こういう議員が増えることで更に「反対ないし慎重意見の議員」は増える。


うちのカミサン曰く
「生活保護者が増え、日々の生活も大変なのに、こんな時に５％も消費税を上げるなんて弱いものイジメでしかないわね。」
と珍しく正論を吐いている。
まさしく、現時点での消費税増税は「弱いものイジメ」でしかない。
庶民の大半は、うちのカミサンと同じような感覚で消費税の増税を捉えているのではないだろうか。
ついでに付け加えるなら、うちのカミサンは、こうも言っていた。
「政治家や高級官僚はホテルや高級料亭で旨いもの食っているんでしょ！うちなんか、もう何年も外食なんかしていないわよ！国会議員の給料や官僚の給料を下げるのが先よ！」
至極、真っ当なご指摘でございました。


以上、民主党の党内では、官邸や党首脳の当初の思惑とは違う方向に議員達が走りだそうとしているようだ。
「党の大半の議員は消費税増税に賛成だ」と声高に叫んでいた人達の耳には、「党の大半の議員は消費税増税に反対ないし慎重だ」という小沢さんの声が、山彦のようにコダマしているに違いない。