2011年6月28日火曜日

デフレと社会保障・・・デフレでは社会保障負担が大きくなる。

税と社会保障の一体改革が進められようとしているが、根本的な問題点を解決していかないことには絵に書いた餅となるばかりでなく、日本経済が沈没する危険性が危惧される。

大きな点で言うと、国民年金を収めない人が40%程度あることが第一にあげられる。
この人たちは年金を受給できない。
おそらく年金を納められないくらいだから結婚も難しい人たちであろうと考えられる。
この人たちは、生活保護の予備軍である。
特に高齢者になった場合に生活保護を受ける可能性はかなり高いものと考えられる。
これから予想できることは将来、年金がもらえない生活保護を受給する高齢者が急増する可能性が高いということである。
年金と比較した場合、生活保護にかかるコストは格段に高い。国・地方自治体の財政負担は大きい。

第二にあげられるのが年金受給時期を遅らせる政策の矛盾である。
経済が長期低迷した場合、年金財政維持のため年金の受給時期を遅らせたとしても、早期受給者が増えることが予想される。
損得で考えた場合、色々な要件があり一概には言えないが、今の計算方法で言えば受給時期を3年遅らせれば、80歳前後が総受給額のクロス点になるだろう。
68歳まで生活の心配をしなくていい人は別だが、今の社会情勢を見る限り早期受給者が増加することは容易に想像できる。
このことは、年金財源からの支出が短・中期的に増加することを意味する。
またこのことにより、定年後の就労を支援するための補助金等が増加することが予想され、トータルでの財政支出は大きく増加する可能性が高い。

参考資料
国民年金の場合、早期受給者が60歳から受給を開始して5年過ぎた65歳のとき既に275万円受け取ったことになりますが、65歳からの人は受給金額は0円です。
それから5年後の70歳では、早期受給者は550万円、満期受給者は395万円となります。
75歳では825万円に対して、790万円、まだ早期受給者の方が多いですね。
そこで何歳で追い越すかと言うと16年後の76歳がその境目となることが判ります。
 

第三にあげられるのが、今の経済状態では税や社会保険料の負担を増額することや納税者や加入者を増やすことに限界があるということだ。
人口減少、少子化、勤労者所得の減少、家計の可処分所得の減少という近年のデータを見る限りにおいて、国民の保険料負担は、限界に近づきつつある。
負担の増加は、不払いの増加につながり、それはイコール他の社会保障費の増加につながる。
少子化が改善されなければ、加入者の減少に歯止めがかけられない。それはイコール国民負担の増加につながる。

根本的な政策転換が求められている。
第一に行うべきは「同一労働、同一賃金」の制度化であろう。ヨーロッパ諸国では当たりまえの政策である。産業界からの反発もあるだろうが、これは日本の遅れているサービス部門の効率化につながる。
そもそも、現在の「非正規社員」や「派遣社員」などの賃金・労働面での差別待遇は、憲法で定める国民の権利に反しているとさえ、私は考えている。
平等・公平の原則にも反している。
この政策を実施することにより、非正規で働く人たちの所得は大きく上がる。それに伴い所得税も増加する。
社会保険料の徴収額も増加する。加入対象者も増加する。(現状では130万円余り以下の収入の人は配偶者がいる場合、扶養家族扱いになる。それ以上の人が大きく増える。)

これを企業面から見るとどうなるだろう。
人件費の負担がアップし、それがコストアップにつながると言って企業経営者は反対するだろう。
しかし、実際には、非正規労働者の賃金はアップするが、正社員の給料は下がることになると思われる。そうしないことにはバランスが取れなくなるからである。
これにより、働きが悪い正社員は淘汰されることになる。
そして、これらのことは企業の労働生産性を高めることにつながる。
また、人件費のアップは、結果として製品・商品の価格に反映されることにつながり、デフレ脱却に貢献することになるだろう。
コストを製品に転嫁しやすくなるというメリットもある。
実際にトータルで見た場合、企業の負担はそんなに大きく増加しない。むしろ、従業員の会社に対する貢献意識は今以上に高まる可能性が高いと想像する。
また、ライフスタイルの多様化にもつながり、新しい勤労形態が生まれることにもつながり、個人の生活の充実や親の介護などに費やす時間の確保などにもつながる。

デフレを脱却し、個人の所得を増やし、社会保険加入者を増やし、不払いを減らし、所得税などの税収を増やす。
結婚する人も増え、少子化に歯止めがかかり、生活保護者も減る。

企業も過度な価格競争から脱却でき、付加価値の高い製品開発に取り組むことができる。
特にサービス部門や事務部門などでは労働生産性が上がり間接経費の削減につながる。
日本の企業の大きな問題点が実はこの部分にあり、非正規社員の同一労働同一賃金化は非正規社員の正社員への門戸を広げることにもつながり、それは企業における人事の活性化にもつながる。(フリーター問題の解決にもつながる。)

日本はここ十数年、物のデフレ以上に賃金デフレが大きかった。
実は、この点がデフレを語る場合の一番の重要点である。
日本経済が立ち直るには、勤労者の所得が上昇することが前提条件となる。
そうすれば、自然に物価は上昇しデフレ脱却への道が開かれる。
物価上昇<賃金の上昇
というトレンドをどう作り出すかが、財政再建と社会保障制度を維持するための最大の政策でなければならないはずだが・・・。

2 件のコメント:

通りがけ さんのコメント...

「国難日本に必要なのは有徳の賢人による統治である」

いかりや爆氏の毒独日記ブログ様へのコメント二題
>>http://blog.goo.ne.jp/ikariyax/e/08d160f97457ad4ca8ab627ef7778b04
>この国難から立ち上がれ!大震災復興と原発事故、先立つものは金(財源)である

1.植草氏を日銀総裁にすれば適材適所である。 (通りがけ)
2011-06-27 06:09:46
私はリーダーは対米独立するひとすなわち地位協定を破棄する人であればだれでもいいが、それよりも日銀総裁に植草氏を据えるべきだと思う。

なぜなら東大は世界一の馬鹿駄大学だから。東大卒は必ず卒後5年間は官庁に採用を禁ずる厳重就職規制をしなければならんね。

2.リーダーは「嘘つきの泥棒」には務まらない (通りがけ)
2011-06-28 09:46:55
>今後の復興作業は経済音痴の菅首相では、はっきり言って無理である。

菅は経済音痴ではなく人間として最低の「嘘つき泥棒」だからリーダーにしておいてはダメなのである。
小泉もオウム麻原グルも同じ穴のムジナ悪知恵にだけ長けた盗賊団頭領だったし。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
負けるな、東北!怠けるな、日本政府!

通りがけ さんのコメント...

参院議員川内氏らが東電と保安院を参議院に証人喚問して、福島第一原発一号機が地震発生後24時間以内にメルトダウンした経緯について、日本刑法の業務上過失犯罪のもととなった道交法の専門家の助言を得ながら、冷却機能停止からメルトダウン発生過程で東電および保安院がとった措置のすべてについて業務上過失の有無を尋問し宣誓証言させる。

証言中で業務上過失の疑いある行為があれば直ちに参議院名で警察に東電と保安院を告発し、証拠隠滅を防ぐため緊急逮捕令状を裁判所に請求し逮捕執行する。同時に東電と保安院へ強制捜査に入る。

こうすれば菅総理の事故当日の指令がすべて明らかとなり、責任を取りたくない東電と保安院が菅総理の刑事責任についての有責証言自白と証拠の自発的提出が行われ、菅総理への緊急逮捕状を裁判所に請求できるだろう。

首相職権乱用した証拠隠滅犯行を防ぐため緊急逮捕を執行すれば、菅総理は自動的に解任され直ちに首相代行が就任する。ただし閣内共犯者は代行失格だね。

この「東電トップ・保安院官僚参議院証人喚問業務上過失犯罪追及」が一番簡単でかつもっとも迅速に総理交代を完了できる方法である。

棺葬理、国会議員にだけ見える蜘蛛の糸に縋って登りきれば(地位協定破棄国会可決対米独立)、地(上の牢)獄へゆかなくて済むかもしれない最後のチャンスだよ。

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