早いもので、あと僅かで今年も終わる。
激動の1年ではあったが、市民の間に新しい動きが芽吹いた年でもあったように思う。
小沢さん関連の事件をきっかけに各地で「検察・検審・マスコミの横暴を糾弾する」デモが行われるなど、今まで声を挙げなかった人達が立ち上がり始めた年でもあった。
日刊ゲンダイに下記のような記事が掲載された。(一部を抜粋)
小沢裁判「司法現場は大混乱」
「強制起訴」された小沢裁判に「大逆転」の目が出てきた。暴走検察への国民の不信感が強まる中、検察の新たな矛盾、でたらめが次々と明らかになってきた。司法の現場はシッチャカメッチャカになっている。
「こりゃたいへんなことになったぞ」大マスコミの司法記者たちが頭を抱えている。悩みの種は小沢氏の元秘書石川議員の裁判だ。
政治資金規正法違反で2月に起訴されて以来、公判前整理手続きが長引き、初公判の目処もたたない。浮き彫りになってきたのは検察の支離滅裂ぶりだった。 検察は当初、「虚偽記載の背景には水谷建設からの裏金5000万円がある」というストーリーを描き、石川議員を別件で逮捕した。大マスコミを使って、大騒ぎさせて悪質性をことさらに強調。6月には改めて裏金疑惑を立証すると公判前手続きで明らかにした。ところが、今になって「証拠はない」なんて言い出したから大混乱になっているのだ。「5000万円の裏金に拘ってきた検察に対して、石川議員の弁護士は「根拠が不明確だ」と反論していた。東京地裁も「虚偽記載との因果関係を明確にするように」と検察に指示した。しかし、当の検察はいつまでも根拠を示せないどころか、徐々に発言もトーンダウン。「因果関係は断言できない」と言い出したかと思えば、最近はとうとう「分からない」とサジを投げ、「だから裁判で立証する」なんて居直っているのです。弁護側が「それなら裁判でやる必要はない」と言っているのにまるで禅問答です。検察の見込み捜査だったことを悟った大新聞やテレビの司法記者たちはガク然とし、「リークを元に散々裏金をを報じたのに・・・・・・・・・」と真っ青になっています。(司法関係者)
第五検察の起訴議決は「違憲」「無効」の見方が有力
それだけじゃない。11人の素人集団による検察審が小沢を強制起訴とした一件もひっくりかえる可能性がでてきた。
小沢サイドは起訴議決は「無効」として行政訴訟を起こし、12月21日に初公判が開かれる。
この裁判で議決無効となる可能性が高いと見られている。「最近、小沢が急に元気になっているのも、その見通しが立ったからではないか」というのだ。参議院法制局第三部長を務めた弁護士の播磨氏がこう指摘する。「有効、無効どころではありません。大前提として、検察審の強制起訴制度そのものが憲法違反の疑いが濃厚なのです。同じ、行政委員会の人事院などが内閣の所轄下にあるのとは違い、検察審だけは独立した存在になっています。裁判所に置かれていると勘違いしている人も多いが、検察審査会法では「裁判所の所在地に置く」としか書かれていません。三権分立の枠組みを完全にはみ出している。
行政執行権をもっているのに、責任主体がない。これでは第四権力です。
実際、議決の執行停止などを求めた小沢氏の申し立てに地裁と高裁は門前払いをしたが、最高裁は特別抗告から1ヶ月近くたっても結論をだせない。慎重に審議しているのでしょう」西松事件で起訴された大久保秘書の裁判の「見立て」は崩壊している。この裁判では、小沢側に献金した2つの政治団体が「西松建設のダミー」だったかどうかが集点だが、検察側証人が1審、2審で「ダミーとは思っていない」と完全否定。
困った検察は訴因変更なんて言い出したから、裁判はグチャグチャになっているが、劣勢を挽回するのは難しい。
もし、秘書の裁判が次々と無罪になり来月21日からの行政訴訟も無効となって潔白が証明されたら、小沢は表にでてくる。その時に政局が一挙に動くことは間違いない。
序々に検察側のいい加減さが露呈し始めているようだ。
石川議員の弁護側は虚偽記載を全面的に否認し、記載ミスは認める方向のように思われる。
記載ミスと言っても翌年には記載しているわけで、自発的に修正しているので犯罪を問えるかどうかも怪しい。
当然、記載ミスを認める方向だとすると、小沢さんの共謀罪は成立しないことになる。
両方の裁判の整合性を考えながらの判断なのかもしれない。
公判前整理手続きで水谷建設からの裏金5000万円があるというストーリーが、認められなければ、検察審査会の二度目の議決の問題点となっている追加された犯罪事実も認められないことになる。
検察審査会の議決が改めて問題となることは間違いない。
どうも、仙谷官房長官や民主党執行部、マスコミ、野党もこれらの情報を入手している気配だ。
小沢さんの動向に敏感になっている。
注意すべきは、仙谷官房長官が法務大臣を兼務することになった点だ。
江戸時代にたとえるならば、奥方の言う事にしか耳をかさないお飾りの将軍を裏で操る悪老中が自分の権力を維持するために恐怖政治をしき、政敵を徹底的に排除する図をイメージするとよくわかる。
この老中は、いざとなったら何をやらかすかわからない怖さがある。
十分に注意が必要である。
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