2010年11月24日水曜日

大企業の利益は、派遣業、株主配当、役員報酬へ・・・従業員の給与は減った。

昨日からニュースは、北朝鮮による延坪島砲撃事件で一色だ。
最初の報道では北朝鮮から150発の砲弾が打ち込まれたと言っていたようだが、その後、数十発に変わったようだ。まあ、誰かが数えていたわけではないだろうから、正確な数字はわからないというのが本当であろう。
マスコミ報道は、裏読みして見るぐらいで丁度いい。

解説は軍事アナリストに任せるとして個人的には、北朝鮮の経済がかなり苦しくなっており市場経済への移行を進めるための打開策を模索しているのではないかと感じる。後継者に引き継ぐまでに目処をつけたいという焦りの表れともとれなくもない。韓国の冷静な対応を期待したい。
しかし、この問題でも、キーポイントになるのは中国で、外交における中国との関係は日本にとって増々重要になってくることは間違いない。

国民生活が大変になりかかっている。
税収減や雇用が問題になっているが、ここ10年間の日本の大企業の利益配分を分析してみる必要がある。
大企業で大きく増加しているのが、派遣業への支払い(外注費扱い)、配当(半分は外国企業への配当)、役員報酬(賞与含む)である。反面従業員への支払い給与は平成12・17・18年以外は大きく減っている。

これはどういうことかというと
従業員への給与支払い分が⇒派遣業への支払い(外注費扱い)、配当(半分は外国企業への配当)、役員報酬(賞与含む)
という形に振り替わったということである。

それにより、GDPが横ばいに近い形で推移したにも関わらず、税収が減り、給料が減り、正社員が減り、雇用が減り、それが財政悪化の要因につながったということである。
私は経済の専門家ではないが、これは経済が成長しても税収が伸びないという構造的な問題につながるものと考えている。
一部の人(株主、役員、派遣業等)しか恩恵に浴せないという構造なのである。
これが小泉構造改革の正体である。

国においても同様なことが言える。
税収減による赤字国債発行⇒国家公務員の給料維持及び雇用の維持
という形に一部が振り変わったということである。
これも構造的な問題で低成長時代においては、多少の景気回復による税収増では解消できる問題ではない。

自分達(公務員)の給料と雇用を維持するために、庶民に消費税の増税を押し付けることは本末転倒と言わざるを得ない。
株主の利益と役員の利益を維持するために従業員と雇用を犠牲にすることは本末転倒と言わざるを得ない。

社会の不均衡を是正し国民の生活を第一に考えることが政治家のしごとではないか。
与野党を問わず「政治の原点」をもう一度、思い直してもらいたい。

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