2010年11月12日金曜日

TPPと農業・・・中山間地の農業の将来

私も山間地で3反ほどのコメと4反ほどのお茶を栽培している。
確定申告で農業所得の計算をすると、毎年赤字になる。
赤字の原因は幾つかあるが、
①山間地で朝晩の気温が低いため反当りの収量が少ない。
②年々、収入が減少(米価・お茶の生葉の単価の下落による)している。
③米作では、営農組合やライスセンターなどへの委託費の支払いが大きな負担となる。
④お茶では霜害などの影響で収入に大きなバラツキがある。
⑤経費には現れないが、草刈などの手間はバカにできない。
などである。
これが日本の中山間地の現状である。中途半端な規模拡大ではむしろ赤字が拡大するのが実状である。
しかし、一度耕作を放棄しまったら、それらの田畑を元の状態に戻すことは、並大抵のことではない。この点をよく理解する必要がある。
安い輸入農産物の影響などで耕作をやめた農地をすぐに農地に戻すことは不可能であり、また耕作放棄が長く続けば農業に関する知識を持つ人財がいなくなることにつながる。農業問題のもうひとつの課題が、人の確保である。

さてTPPに関してであるが、工業製品などに関しては、ほとんど問題は少ないであろう。双方にとってメリットが大きい場合が多い。
米・韓のFTAでも合意の足かせになっているのが、やはり農産物である。
韓国では、全ての野党が農業問題で反対している。

農業が受ける打撃で、耕作できる農地と農業知識を持つ人財を失うということをよく理解しないとこの問題は語れない。
安く入ってくるはずの農産物が国内産地が壊滅したら相手国の言いなりにされてしまう可能性さえ考えられる。逆に高い農産物を買わされる可能性も否定できない。
慎重な検討が求められる。

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