2011年1月6日木曜日

小沢さんは当たり前のことを当たり前に話している。・・・石破政調会長は当たり前のことを難しく話す。

昨日のBS11の小沢さんの対談を見ていて感じたこと。
当たり前のことを当たり前にわかりやすく話してくれる。
(庶民の感覚に近い)
小沢さんが言っていることは特別のことではない。良く聞いてみると、至極当たり前の話なのだ。
だから聞いているほうも、納得してついうなずいてしまう。
外交の話でも、当たり前のことを当り前に話しているのだが、なぜか新鮮に感じてしまう。
自分の頭の中でモヤモヤしていたことも、小沢さんの話を聞いていると「なるほどこういうことだったんだ」と思えてしまう。
日米同盟における対等の立場についての説明など、す~と頭に入ってくる。
話に具体性がある。
何より話をするときの姿勢がいい。

終わったあとも、小沢さんの言葉は頭に残っている。
なぜだろう?
多分、小沢さんは庶民が常日頃、疑問に思っていることを庶民の感覚で話してくれるからではないだろうか。
具体例をあげて、わかりやすく話そうする姿勢に好感をもつからではないだろうか。
世間のことを良く知っている政治家だから、世間の一般常識が良くわかっていらっしゃるからではないだろうか。(ここが他の政治家との大きな違いである。永田町の常識では語られない。)

対極にあるのが、自民党の石破政調会長である。
政策通と呼ばれ軍事オタクとも称され、頭を少し後ろに傾げ、常に上から目線で覗き込むような目で話をされる。
専門用語なども織り交ぜ、いかにも専門家であるかのごとく話をされるが、良く聞いて見ると至極当たり前のことしか話しておられないことに気づく。
具体的なところまでは突っ込まないで理論武装して理論で話を組み立てわざわざ難しくして話をされる。
なるほど、「この人は頭が良いんだ」とつい思ってしまうのだが、終わったあとは、何も頭に残っていない。

多分、この方は大学教授のようなつもりで話をされているのではないか。
当たり前のことを難しく語る技能に関しては政界でも一二を争う議員である。

昨日も円高とデフレについて話したが、財界の新年の集まりでは、思いのほか円高の話が少ないように感じた。昨年の秋は円高で大騒ぎしていたはずだが・・・。
おそらく、円高のメリットが大きく業績に寄与し始めたからだろう。
今、世界では、大幅な原油高や銅をはじめとする鉱物資源が高騰している。
それが、円高により相殺され、コストアップを抑制している。
逆に通貨安に振れている国々は、コストアップに悩まされ始めると共に、インフレ懸念が出始めている。

テレビで報道番組を見ていたら、イギリスの消費税(付加価値税)アップについて紹介していた。
これだけを見ていたら、日本も消費税の引き上げはやむをえないのかなと思ってしまう。

しかし、日本とイギリスでは違う点が数多くある。
イギリスは多くの国と同様な付加価値税(日本で言う消費税)であるが、日本の消費税とは思想が違い、贅沢品には課税するが生活必需品は非課税である。また生活インフラに関するもの(電気料など)は5%で日本と同じである。
またイギリスは消費者物価が4%近くに上昇しており、インフレである。
住宅バブルの後遺症も引きずっている。
また金融機関がリーマンショックから完全に立ち直っておらず、金融不安がささやかれている。
且つ、財政再建のため公務員の大幅削減を目指している。
公共サービスにおいても、日本の指定管理者制度に似た制度を早くから導入し日本のNPOに近い組織などが委託を受けて運営している。
公的部門の効率化と無駄やコストの削減がかなり進んでいるのがイギリスの現状だ。

残念ながら日本においては、公務員の削減も、公共サービスの効率化や官における無駄やコストの削減もあまり進んでいない。

イギリスはインフレによる金利上昇のリスクを背負っている。
対して日本はデフレで且つ円高でおまけに金余り現象が続いている。比較的、金融機関の経営も安定している。
一概に比較はできない。
日本は消費税を上げるまでにやることが多くある。

且つ、増税とは庶民の金を上納させることを意味するので、結果的に消費に回るお金が減り、消費の減少に繋がる。
ちなみにイギリスでは、付加価値税の2.5%アップで消費は3300億円減少すると予想されている。
残念ながら、日本では、税収がアップすることばかり報じられ、それによりどれくらいの消費が減少するかについては報道されない。
当然のことながら、購買力が落ちるので、付加価値税自体の税収はアップしていかない。企業の法人税の減少に繋がるリスクも背負うことになる。

日本の輸出産業について言えば、中長期ではかなり楽観的な見方ができる。
日本の過去を振り返ればわかるように高度成長(経済発展)が続けば、必然的にその国の通貨は高くなる。
中国をはじめとする新興国と呼ばれる国々の通貨も経済発展が続けば、自ずと切り上げせざるを得なくなる。それらの国の人件費も当然アップする。
黙っていても日本の競争力は高くなる。

問題は、むしろ現在起こっている農産品の高騰である。砂糖やコーヒー、綿など多くの農産品が異常な値上がりを見せている。
これが今後、日本経済にどのような影響を与え、庶民の生活がどのように変化せざるを得なくなるかの予想を早急にする必要がある。
輸出でいくらお金を稼いでも、食うものがなくなれば、食うものが買えなくなれば、国民の生活が成り立たなくなってしまう。
政治家は、これらの点も踏まえ、農業政策や自由貿易協定締結の推進を考える必要がある。

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